せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

これからどうなる!?、森林環境税と、日本の山

2019年03月21日 | 森と樹と暮らしを繋ぐプロジェクト


「地域のおける民間部門主導の木造公共建築物など整備推進」

先日、残念ながら体調を崩して、伺えなかった表題の「成果報告会」。」
主催者が当日の配布資料を郵送してくださいました。
ありがとうございます。感謝です。

資料を拝見してのレポートをまとめます。
ですので、今日は写真が報告書の一部です。

林野庁の助成事業で、
地域の公共建築物を木造、木質化するための
企画、設計段階からの
技術支援が行われています。

その全国の事例紹介とともに、成果を報告するという会でした。

審査や支援体制の委員長は、建築士会の会長でもある三井所先生、
委員には東大名誉教授の安藤先生など、木造といえばこの方!
という専門の大先生が名前を連ねていらっしゃいます。

支援を必要とする団体と、技術アドバイスできる支援団体と
その両方の成果のようですね。

私自身は、現在公共施設は手がけていないので
具体的に補助事業を活用はできませんが、

熊本の五木村で、五木材を活用を事業化するときに、
補助事業を受けたと聞きました。

地元の設計事務所がコンサルタントが入ったおられたので
多分、この制度の支援を受ける側が前者が、五木村。
コンサルの方が後者、専門的技術者、に該当するのでしょう。

そして、その両方から呼びかけられた当事務所は、
会費を払って、五木村を活用する協定者という形になっています。

会費を払いつつ、活動をボランティアで行い、
自腹でアピール活動もするという立場ですけどね。

少しでも、熊本の山の環境が良くなればの想いで関わっています。

ですので、補助事業が、
概ねどのような制度なのかは、理解できます。

報告会の中身はというと、
広島、高知、埼玉の事例紹介だったようです。



広島も積極的に活動されているのは、
建築のニュースにも流れてきました。

高知は、木造、木質化の
最先端をいく県と建築業界でも認識されてきています。

埼玉は、映画「飛んで埼玉」の大ヒットで、
自虐ネタをモノともしない、その県民性がおおらかである
ということが、話題になっていますね。

(建築ネタではありませんが、映画の原作者の漫画パタリロは、
花とゆめで、子どもの時に読んでいましたので想像できます、笑)

地域性を生かした様々な木の活動が広がっていることが
よく分かります。

公開ワークショップも埼玉の杉戸町の事例。
埼玉が熱いですね!



報告会の最後の締めは、
これから導入される「森林環境贈与税」の活用に向けて
林野庁からの説明。

以前、熊本県からの説明は伺ったので、国の方針を聞きたいと
思っていたところだったので、詳しく見てみますと、

日本の森の課題、小規模・零細な林業家が9割。
経営管理の集積、集約化が最大の課題。とあります。

オーストリアは、日本の地形や小規模なところが酷似、
ところが、製材業の技術革新で
木材の需要が増え、丸太販売の共同化が進み、生産性が向上した。

というモデルが引き合いに出されています。

小規模林業家や山主がタッグを組むイメージでしょうか。

海外のモデルを真似るだけではなく
日本の良き、協調性、協働性が、
発揮されることを願ってやみません。

これから、税金が、本当の意味で山に還元され、
わたしたちの水源を守っていくように、注視しながら

各自治体の政策や考え方、
活かし方に参画したいと思っています。

税金の活かし方のヒントとして、
各県の取り組みを紹介されている資料もありました。

神奈川県は、川崎の事例、
熊本県は「木造設計アドバイザー派遣事業」が出ていました。

アドバイザーといっても、多分この方しかおられないのではないかな。

他に知らないし、熊本の公的木質化の施設は、
ほとんど関わっておられるようです。

西日本建設新聞社の記事にリンクを貼っておきます。
http://www.wjc-news.co.jp/pickup/150420.htm

全国的な動向と事例を把握しながら、
私やお仲間とできることの検討、
そして、今続けている活動の発展も視野に入れながら
方向性を探りたいと思うのでした。

温めているアイデァは、
ぼちぼちと本業と並行して進めてまいります!