せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

秋の夜長

2012年09月03日 | アート・文化

あしひきの やまどりのをの しだりをの ながながしよを ひとりかもねむ

これは、百人一首の柿本人麻呂の歌。

「あなたの祖先?」と面白がって、小学校4年生の時に、学校で習字の時間に先生が私に教えてくれた歌です。百人一首との良き思い出。

意味はかなりおませな内容ですけど・・・。


昨今の朝晩の涼しさに、しんみりとしてきました。

秋の夜長を一人寂しく寝るという歌が、似合う季節になって来ましたね。

先日友人から届いた便りにも、9月は寂しくなると書かれていました。まさにこの歌のようですね。

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この夜長にぴったりの本を、建築専門書の横で見つけたので、購入。

本との出会いも、一期一会。

英訳もあり、写真もあり。

この余白使い、分厚さ。

↓柿本人麻呂のページ

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↓次のページに山鳥の大胆な写真。
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どれも芸術の香りするもの。

まずは日本語の歌を読み、余白に、歌の想いを馳せ

英訳を声に出して読み、その表現にをふんふんと納得し

次のページをめくって、歌のイメージをどう切り取っているか写真で確認する楽しみ。

ひとつの歌で3回、じっくり味わえます。

熊本から横浜に戻り、自然恋しいというのもあるかもしれません。

寝る前のひと時にぱらぱらとめくりながら、

鈍った感性を研ぎすますこと。

自分を癒すこと。

日課に出来たら(そんな心の余裕が欲しい!!)と想いを込めて。

余談

和訳の最後に、「恋しいあなたを遠くに置いて」とあります。

子どもの時、その絵の感じから人麻呂はあまり美男子とは思えず、恋人の居ない一人身を嘆いている歌だと思っていました。

恋人は居たのですね?訳者の想定かもしれませんが。

遠距離恋愛でしょうか。いやいや距離は心の距離かもしれません。

コメント
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