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石垣島の1,2,3月の小雨

2024-04-01 04:42:50 | 楽観農園


 石垣島の1月2月3月の雨量は記録が残っている限りの最低記録が、1948年の194.9㎜である。それが今年は何と171㎜である。通常の年の3分の1の雨量である。のぼたん農園では、この小雨の中でのイネ作りになった。12月3日播種。1月6日田植えの3番田んぼ4番田んぼが、3月末が出穂になった。

 この極限と言えるような厳しい干ばつ状況の中、のぼたん農園では天水田の田んぼをやっている。これはもう小雨災害と言える状態では無かったのだろうか。のぼたん農園では湧き水と井戸である。湧き水はこれほどの小雨でも水が涸れることがなかった。井戸も湧く量は減ったが、水は湧いている。

 1971年の渇水で稲が枯れたという年の年間雨量が、1113㎜であった。3月からの6ヶ月の合計雨量が203,5㎜だったとある。それでも今年の1月3月よりも多かったぐらいだ。191日間雨が降らなかったと言われているが、記録ではそういうことでも無いようだ。稲も牧草も枯れて、牛が死んだと言われている。

 その小雨の結果、ダムがいくつも造られた。田んぼは耕地整理が進み、水利組合が水の管理をするようになった。田んぼの面積が減少したこともあり、今のところ、耕地整理をした田んぼで水不足と言う状況は全くない。現在石垣島のダムは60%以上の水があるから、何とかなるだろう。

 丁度日本への復帰があった翌年に渇水が起きた。その後ダム建設が進んだのだ。昨年2023年の年間雨量は1455.5㎜で過去5番目の小雨だった。通常の平均雨量は2019㎜が雨量のある島なのだ。それが昨年1年はその75%しか雨量が無かった。つまり、過去最大の渇水の年が、通常の半分の雨量だった。ダムがあるから何とかなっているが、島の水の厳しさは変らない。

 昨年かなりの小雨だったので、それでものぼたん農園の稲作は出来たのだから、大丈夫だと考えていたのだが。それが何と今年はそれどころでは無い渇水である。このままで推移すれば、過去最低の雨量だった、1971年に匹敵するほどの渇水になるのではなかと不安になる。

 今年の1月からの3ヶ月の雨量は通常は400㎜降るはずの雨が、171㎜しか降らないのだ。この渇水をしのぐために、あれこれ対策をしながらの稲作である。4番田んぼは7回も代掻きをして水を漏らないようにした。これは与那国島の天水田の方法に従った。他のたんぼよりも明らかに水持ちが良い。

 来年はどのたんぼもできる限り代掻きや畦塗りをやって、水を漏らないようにしたいと思う。代掻きのやり過ぎで透水性が悪くなると土壌の腐敗が心配になるが、コロガシをやって酸素を供給して行くほかない。代掻きで腐植が消耗すると言うこともあるが、その分アカウキクサの繁茂で補いたい。

 3月5日に畑に蒔いた大豆は未だに2本以外は発芽をしなかった。がっかりである。やはり大豆はたんぼの畦が水があって良い。たんぼの畦の畑もかなり乾いて来ているので、草をできるだけ刈ってきて敷き藁にしている。トマトは地面を這わせてなんとか収穫が出来ている。

 里芋も、田んぼ畦で作っているのはそれなりに良いようだ。土の硬い畦にただ植えた里芋と、耕してよみがえり肥料を入れて、植えて敷き藁をしている里芋と、耕して畝を高くしたものとの3つを比較している。今のところ、里芋はそこそこ出来そうな様子だ。今年耕作していない田んぼだった場所にも里芋を植えるつもりだ。

 これだけの小雨でもサトウキビは芽を出した。特に枯れたと言う株は少ないようだ。サトウキビは初めての経験で心配だが、3つの場所で試してみた。一カ所はA放牧地の畑。何度も耕して、溝を堀りそこに1週間前によみがえり堆肥を入れた。そして植え込んで浅く土をかぶせた。

 もう一カ所はたんぼの畦にも植えてみた。ここは2年間ある程度作物を作っているので状態が良い場所である。田んぼからの水の浸透もある。 そして植え方をもう一つそれは縦に植えてみた。立てて植えたものが最後に植えたにもかかわらず、一番早く芽が出た。

 どんな植え方が良いかを判断して、来年以降に繋げたいと思う。サトウキビはもう少し増やしても良いかと思う。A放牧地は、サトウキビとパイナップルにして、黒糖作りやパイナップルジュース絞りを、楽しめるようにしたい。農園の入り口にあるし、周りに柵もあるし、案外分りやすくて良いかもしれない。

 この少雨傾向の中で、31日に竹の根を植えた。小田原で渡部さんが掘ってくれたものだ。竹は自給農業では必要不可欠な便利なものだ。畑や田んぼで、何かと使う場面がある。どこか小さな竹藪が出来ればと思うのだが、なかなか場所が決められなかった。

 この小雨であまりに乾いているので、ある程度湿気た場所で無ければ根付かないと言うこともあった。この後も雨が少ないと言うことであれば、水がやれるところに植えなければならない。そこで考えたのが、そこならコンクリが両側にあって、やたら増えないという所が良さそうだ。

 機械小屋と道路の間だ。ここならば水道も近い。小屋に当たる風も防げるだろう。道路からの目隠しにも成る。竹が一列に並べば、見栄えも良くなる。良い場所を考えついたものだ。この機会にそこに置いてある。苗木も移動することにした。

 バナナは3本苗がある。溜め池の周囲が良いだろう。バナナは風が当たらず、湿気があるところだと大きくなるようだ。バナナは肥料分のあるところだと大きくなるので、植えてよみがえりを回りに撒く。その他、防風になるハイビスカスがあるが、雨がもう少し降らないことには植えられない。

 こうした異常気象とも言える気候変動は、地球の変化と言える状態にまでなった。もう例年こうだったからと言えるような、農暦に頼っていたのでは難しくなっている。例えば、何故石垣島で12月の苗作りがされてこなかったかと言えば、今よりは寒かったのだ。

 気候が変わり、冬がなくなった。この12月から3月までの間に、13度まで下がった日は3回だけ。そのため保温もなしで、稲の苗作りが露地で出来た。来年は不安もあるので、穴あきトンネルで作るつもりだ。それで安定して12月に苗作りが出来るはずだ。

 このことは、ひこばえ農法に向いた環境に変ったと言うことだろう。通年、稲は枯れることがないから、稲の様子によれば、何回でも収穫を続けるような連続稲作が可能になると言うことになる。サトウキビは12回の連続株出し栽培が行われている。稲でも一部だけでも残して、12回の連続収穫に挑戦してみたいものだ。

 アカウキクサはこの気候変化の中でどうなるか。今のところは順調に、現われては消えるを繰り返している。栽培という意味で安定した再現性が必要であるから、今後もう少し観察をして行かなければならない。気候変動に負けない自給農業の構築である。


 

 
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