のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

増水

2011年08月25日 | 日記・エッセイ・コラム

 梅雨明け以降、雨が降らない日はないほど、降水に恵まれた夏です。雨が降れば水不足も起きませんし、気温も抑えられるので節電にも貢献しているはずですが、湿気が多くて過ごしにくいことにはかわりがありません。

 高温多湿な日本の気候は文明の進化と砂漠化の問題も解決していますが、こうも雨が多いと山の保水力も限界に来ているようです。雨が降るとすぐに川が増水するので、森林の地下に水が飽和状態になっているのでしょう。これで台風が来れば土砂崩れが起きるかもしれないと気になっています。

 関東南部というより、東京に一極集中型の大雨が降り、床下浸水などもあったようです。

 もともと表土をコンクリートで固めて地下に水が浸透しない都市構造ですから、雨が降ればすぐに排水路に集中してしまうため、増水がおきやすい構造ですが、東京の地下には大規模な貯水池があります。こうした大雨の吐息の緊急的な貯水池と言うことになっていますが、有事の際の地下シェルターの意味もあるんでしょうね。

 昭和の末期、63年だったかな?石原裕次郎が亡くなった晩でしたが、東京は大雨でした。地下の居酒屋で友人たちと生ビールを飲んでいたら、店の入り口から雨水が入り込んできました。

 当然、ビルの地下のそのまた地下には水を排水するポンプが備え付けてあるので、こうした大水の時にも問題がないはずですが、ポンプが故障したのか水を吸い上げないために排水できなかったのでしょう。

 それにしても何故外の水が?と後に検証したら、店の入り口近くの歩道で工事をしており、このときの機材などに水がぶち当たって、居酒屋のある地下に下りる階段に流れ込んできたようです。

 最初は店の中に水が流れ込んできたぞと、悠長に眺めながら喋っていましたが。次第に水が店内にたまってきて、くるぶし近くまでたまってきました。ここで気の小さな人たちは会計を済ませて退散していました。

 われわれは注文してあった川えびのから揚げと、焼き鳥がまだ来ていなかったこともあり、靴を脱いで、座椅子の上であぐらをかきながら粘っていました。

 店側がいよいよダメだと判断したのか、御代はいりませんからお帰りくださいということになり、ズボンのすそをめくり上げて退散しました。

 後日、このときの仲間達とお見舞いを持ってこの居酒屋を訪ねたら、ひざの少し上辺りまで水がたまったようで、店の中にそのあとが残っていました。

コメント
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