日本の夏を象徴する料理になってしまった冷し中華。これは日本生まれで中国にはない料理です。横浜の中華街が発祥といわれています。
麺類の類は温菜といって温かくして食べるものとされています。冷し中華はそういう意味では邪道になります。
一度中国で冷やし中華を披露してやろうかと思っているのですが、なかなか難しい問題があります。
まず第一に水、湯がいた麺を冷やすためには冷たい水で洗い流さなければなりません。もちろん中国にだって水道をひねれば冷たい水ぐらいは出てきますが、なんといっても、水が水ですから、人に薦めても自分で食べるには度胸がいります。ミネラルウォーターで、と言う方法もありますが、そこまでお金をかけてまで作りたくはありません。
水と言えば、夏に外国に行って思わぬ落とし穴に「氷」があります。水には注意していても氷には油断をしてしまうようです。飲み物に入っている氷を口に含んだために苦しむ羽目になった話はよく耳にします。暑いときに冷たいものはありがたいけれど、注意は必要です。
冷し中華にはたくさんの具が乗りますが、これも冷たいものだけに神経を使います。通常冷し中華の具といえば、きゅうりの千切り、玉子焼きの千切り、チャーシューもしくはハムの千切りとトマトが王道ですが、どれもこれも危ないといえば危ないような。
何より、冷たい麺を中国の人々が受け入れるかと言う心配もありますが、日本でしか食べられない中華料理でしょうから一度は体験させてみたいです。
最近の黒酢ブームで注目されるようになりましたが、中国の料理には黒酢を使った料理が多く、酸っぱいものが好きなんだなと言う印象を受けます。冷し中華の酸っぱいタレは好まれるかも?
中華料理って何だろう?と考えると。丸底の中華鍋に油を敷いて強火で炒めれば何でも中華料理になってしまうみたいで、それでは冷し中華はその定義から外れるぞ!と考えてしまいます。