のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

モーパッサン

2010年10月30日 | 日記・エッセイ・コラム

 最近読んだ本に、フランス小説の短編でギ・ド・モーパッサンの「首飾り」と言う小説があります。「庶民の家に生まれた美女は不運で、美女は金持ちの家に生まれなければならない」と世間では受け止められているとモーパッサンは冒頭から皮肉を始めます。

 マルチドは安月給とりの家に生まれた美女でしたが、低い身分であったために下級役人ロワゼルと結婚することになります。気位の高い美貌を鼻にかけた性格のマルチドにはそれが不満でなりません。自ら着飾りたくてもそれを満たす収入がないのでマルチドの生活は質素そのものでした。それでも内心は欲望でめらめらしています。毎日大富豪になったらと空想ばかりしています。

 夫のロワゼルはそんなマルチドとの生活をとても満足して気に入っており惜しみなく愛情を注いでいます。華やかな場に出て注目を浴びたい妻のために、苦労して舞踏会の招待状を手に入れますが、舞踏会にきて行くドレスがありません。シンデレラなら魔法使いのおばあさんがドレスとかぼちゃの馬車とガラスの靴をレンタル期間限定で出してくれるのですが、ロワベルは安月給の役人です。

 猟銃を買うためにためておいた400フランのお金をはたいて、マルチドのためにドレスを買います。それとて決して舞踏会でひけらかせるほど上等なものではありませんが、彼の親族の中でももっとも高級なドレスでした。

 マルチドには舞踏会につけていくアクセサリーもありません。幸運なことに彼女にはフォレスチエ夫人という富豪の友人がいました。マルチドは彼女からダイヤをちりばめた首飾りを借りることに成功しました。

 着飾ったマルチドは舞踏会に行き、その美貌とエレガントさと愛らしさで舞踏会に出席していた男性諸子はもちろん大臣の注目まで浴びました。マルチドにとってまさに夢の中の出来事のようで、彼女はこのひと時に酔いしれました。夫のロワゼルもそんな可憐な妻を持ったことに満足していました。

 家に帰りドレスを脱いで、マルチドはとんでもないことに気がつきます。先ほどまであったはずのダイヤの首飾りがなくなっています。

 マルチドとロワゼルは弁償のために同じ首飾りを探し回りますがなかなか見つかりません。ようやく紛失したものと同じ首飾りを見つけたのですが、その値段たるや3万6千フラン。

 夫のロワゼルは親から譲り受けた遺産全てとあちこちから金を借りまくり、なくした首飾りと同じ物を買い、フォレスチエ夫人に無事返すことができました。この日からマルチドとロワゼルの赤貧洗う借金返済の日々が始まります。

 夫婦は屋根裏部屋に住み爪に火を灯すつましい暮らしをし、身を粉にして働き続けること10年。美女マルチドは自分の容姿のことや身なりのことなどまったく気にしないたくましい女性になっていました。10年がかりで借金を返し終わり、街の中で偶然にフォレスチエ夫人に会います。

 マルチドは実は借りた首飾りをなくしてしまいよく似たものを買って返したこと、そのために多額の借金を背負い、ようやく返し終えたことを誇らしく告げます。言われたフォレスチエ夫人にも隠していた秘密がありました。マルチドに貸した首飾りは実はイミテーションで500フラン程度のものだったのです。それを聞いたマルチドですが、自分の成し遂げた人生とその誇りを思うともはやそんなことはたいしたことではありませんでした。

 イミテーションの首飾りをなくしたがために全ての財産を失い、10年も質素極まりない借金生活をして本物のダイヤの首飾りを買って返したマルチドの人生は何だったのだろう?という疑問以前に、この艱難で精神的に著しく成長したマルチドもまた印象的です。

 いろいろ考えるべきテーマの多い小説です。会員女性達に読ませて見たい小説です。どんな反応が出るだろう?「ロシア女性を首飾りのように考えている日本男性」などと皮肉を言われるでしょうか?まあ、イミテーション見たいな女性もいますから。

 影が薄いけれども、派手好きな妻の夢のためにあまりにも多くを失った夫のロワゼルも奥深い人間だと思います。

 バブル崩壊以降失われた10年だ20年だと迷走している日本ですが、イミテーションの首飾りの賠償に四苦八苦しているように思えてしまいます。これで人格的に成長できれば良いけれど、ばら撒き手当てを当て込んで人格は単に陥っているような情けなさも感じます。

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いきなり冬

2010年10月26日 | 日記・エッセイ・コラム

 初雪が降りました。
 今年は夏の猛暑が延々続き増したが、急激に寒くなり、いきなり冬に突入したような思いがします。
 秋がなかった?と言うより、夏から冬へのつなぎの一時のようなロシアの秋を思わせる短い秋に思えます。
101026   雪は降ったものの、紅葉シーズンはこれからです。

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2010-10-26 07:31:37

2010年10月26日 | 日記・エッセイ・コラム

 一日ダラダラと雨が降りっぱなしで、急激に寒さを感じる日曜でした。
 体が寒さになれていないこともありますが、この季節の雨は異様な冷たさを感じます。
 寒さと湿気で腰やひざが痛くなり、ホッカイロを貼って患部を暖めながらも”冬が来るぞ!”と、季節の変わり目を感じてしまいました。

 10月にハルビンに行ったときのことですが、空港の建物から出るなり真冬のような空気感に「なんだこの寒さは?」と驚いたものですが、わずかな秋から急激に冬に移行する北の台地の季節感を感じました。
 ハルビンの友人に電話をかけ、「もう冬になった?」と聞いたら「まだ秋です。」彼にとっては氷点下10℃を超えたら冬なんだそうです。

 中国各地で起きている反日暴動について聞いたら、そういう報道もほとんど目にしないし、国内で何が起きているのかぜんぜん気にしていないそうで、「政府がプロパガンダでやっていることでしょう。私たちは問題にしていません。」
 中国人民もしたたかですから、政府が裏で糸を引く反日デモが、いつの間にか共産党政府批判に摩り替わっているなんてことも十分考えられます。まさに点に唾吐く行為になりかねません。
 
 中国のレアメタル出し渋りにたいしても世界的に対抗する動きが起きていますが、日本が中国からの輸入に頼っているのはレアメタルばかりではありません。割り箸があります。
 もし中国政府が割り箸輸出を中止したら?
 日本の山に捨てられている間伐材が有効利用されるかも?と期待してしまいますが、困るのはこのハルビンの友人。日本に向けて割り箸の輸出を生業にしています。

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氷雨

2010年10月24日 | 日記・エッセイ・コラム

 一日ダラダラと雨が降りっぱなしで、急激に寒さを感じる日曜でした。
 体が寒さになれていないこともありますが、この季節の雨は異様な冷たさを感じます。
 寒さと湿気で腰やひざが痛くなり、ホッカイロを貼って患部を暖めながらも”冬が来るぞ!”と、季節の変わり目を感じてしまいました。

 10月にハルビンに行ったときのことですが、空港の建物から出るなり真冬のような空気感に「なんだこの寒さは?」と驚いたものですが、わずかな秋から急激に冬に移行する北の台地の季節感を感じました。
 ハルビンの友人に電話をかけ、「もう冬になった?」と聞いたら「まだ秋です。」彼にとっては氷点下10℃を超えたら冬なんだそうです。

 中国各地で起きている反日暴動について聞いたら、そういう報道もほとんど目にしないし、国内で何が起きているのかぜんぜん気にしていないそうで、「政府がプロパガンダでやっていることでしょう。私たちは問題にしていません。」
 中国人民もしたたかですから、政府が裏で糸を引く反日デモが、いつの間にか共産党政府批判に摩り替わっているなんてことも十分考えられます。まさに点に唾吐く行為になりかねません。
 
 中国のレアメタル出し渋りにたいしても世界的に対抗する動きが起きていますが、日本が中国からの輸入に頼っているのはレアメタルばかりではありません。割り箸があります。
 もし中国政府が割り箸輸出を中止したら?
 日本の山に捨てられている間伐材が有効利用されるかも?と期待してしまいますが、困るのはこのハルビンの友人。日本に向けて割り箸の輸出を生業にしています。

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仕分け

2010年10月21日 | 日記・エッセイ・コラム

 全国各地に熊が出没して、田畑のみならず人身にも被害が出ている報道が毎日のように流れています。私の近隣の村でも造園業の男性が熊に襲われて怪我をする事件があったようです。

 春から初夏までの寒さや、夏の異常な暑さで。確かに山の中の樹木が実をつけていません。
 昨年はブナをはじめ、山の樹木の実が豊作でしたが、こういう年の翌年は不作になることが多いようです。餌が大量にある歳に増えた動物たちは不作の歳に淘汰されて適正な数に調整される自然の生業です。
 昨年の今頃、森林管理署のおじさんが「来年は山の動物たちの生き残り合戦になるぞ。」と予測していましたが、山の動物たちにとって今年は生存競争の年になったわけです。

 景気の良いときに意味もなく増えた天下り外郭団体も、不作の年に淘汰されるのも自然の生業で、人間界でおきている事業仕分けが山の中でも起きているようです。

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猛威

2010年10月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 フィリピンを直撃した超大型台風13号の影響で、記録的豪雨に見舞われている奄美大島。1日の降雨量が600mmを超える信じられない量の雨にみまわれています。日本を直撃しない台風でもこれだけ影響をもたらすのですから、自然の猛威を考えさせられます。
 自然災害の多い日本を改めて考えさせられる大雨ですが、日本列島がなければ大陸や半島にどれだけの被害が出ることか?反日暴動する前に感謝しろと言いたくなります。
 
 今の時期になって13号と言うのですから例年に比べて台風の数が少なかったことを感じますが、被害をもたらす台風が多かった1年だと思います。
 
 この冬はどうなるのか?雪の状況を気にかけながら冬支度をしています。

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底力?

2010年10月18日 | 日記・エッセイ・コラム

 日本の底力は工業製品ばかりではありません。

 モーニング娘のフランスでのコンサートのライブ映像について、日本撮影スタッフの驚異的なチームワークや、完璧なテクニックについて、フランス人カメラマンが絶賛しています。

 私たちが何も気にせず普通に見ているテレビの映像なども、実は日本の撮影スタッフの驚異的なテクニックが満載されているんですね。

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暴動?

2010年10月17日 | 日記・エッセイ・コラム

 中国各地で尖閣問題への反日暴動が起きているようです。中国でこういう騒ぎが起きるときには、中国の内政になんら問題が起きているときで、そのカムフラージュに日本叩きをやるのが毎度の手段。
 ハルビンの友人に聞いてみたところ、反日暴動のことは知りませんでしたし、尖閣諸島の逮捕劇のことさえ知りませんでした。時期中国指導者に内定したについてさえ、「政府のやることなど人民には関係ない。気にする必要もない。」と興味の対象外。自分たちの生活は自分たちで守る。国に頼らないのが勝ち抜く者の条件だとか。
 
 林業関係のおじさんたちとのお茶のみ話で面白い話題になりました。「中国もレアメタルの輸出止めるなんてセコイことしないで、いっそ割り箸の輸出を停止する大英断をしたほうが良いのにな。」
 ほぼ中国からの輸出に頼っている日本の割り箸ですから、輸出が止まれば日本の材木が売れるかも?が目論見。
 その材木。環境荒廃著しい中国では伐採が禁じられているため、材木は輸入に頼っています。
 安定供給ができないと言う利用で二束三文の同然の日本の間伐材が中国に輸出されています。商社が間で利益を得ているようですが、現場では「仕事がないよりはまし」程度。
 住宅建設には国内産木材をあるパーセンテージ以上使用する法律を作れば山林の荒廃も改善されるはずですが、”日本の政府がやることも国民を守ってくれない?”

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育樹祭

2010年10月03日 | 日記・エッセイ・コラム

 育樹祭のため皇太子殿下が来ているので山の中まで物々しい警備です。
 めったにないお祭り騒ぎなので見に行きたかったのですが、招待された人たちしか会場に入れません。会場に行ってきた人に話を聞いたら、午前中に皇太子殿下は会場を離れ、招待された人たちには昼食に弁当が支給されたそうです。それも、6000人ほどの人たちが集まったため、大型トラック2台で弁当が運ばれてきたそうです。
 すごい経済効果だと感心しました。
 このところクマが頻繁に出没しているので、テロリストよりも警備にあたっている警官たちがクマやイノシシに出くわさないかを心配してしまいましたが、こうした事故もなかったようです。

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風邪気味

2010年10月01日 | 日記・エッセイ・コラム

 暖かかったり寒くなったり、雨に降られて体が冷えたりで、やや風邪気味です。

 むっちゃ風邪ひいてん。

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