のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

袖の下

2008年05月31日 | 日記・エッセイ・コラム

 役人の腐敗問題が取りざたされる中国ですが、当局がいくらやっきになっても次から次へと出てくるので遅々として進まない状況です。

 四川省大地震支援物資の横流しをする役人が捕まった報道を見て、やっぱりなとあきれる反面、こんなの対外的に取り締まっているふりをしているように見せかけるための報道に過ぎないと冷ややかに見ています。

 腐敗役人の最高刑は死刑ですが、それでも抑止力にはならないものすごさ。もとより公務員の給料が低すぎることも原因ですが、それにもまして問題なのが伝統的な習慣で、高官は下々から金品をもらって財を成すのが歴史でした。

 役人が出世のために上の人間に袖の下を渡し、下から袖の下を集めてさらに上に上納。国家総動員ねずみ講体制。こうして成り上がってようやく元が取れるので、ここまで来てやめられるか!と言う気持ちでしょう。懐は狭くても袖の下が広けりゃこの世は天国。

 内陸から来た中国人の嫁さんに聞いた話ですが、ご両親は党の幹部で彼女も天津で生まれました。ところが、両親の親しかった上層部の大物が権力闘争に敗れ失脚し、親亀こけたら皆こけたとついに一家は中国でもっとも閑散とした内陸の省に転属させられたまま忘れ去られました。

 一応こうした場合でも形上は「出世」と言うことになっているようですが、再び都に戻ってくることもないままになっています。菅原道真なら梅の木が一夜で大宰府まで追いかけていったものですが、失脚した共産党員なんて惨めなもので、今まで取り入っていた人々が掌を返すように引いてしまったとか。

 こうした盛衰は何も中国に限ったことではありませんが、目の当たりに見てきた子供にすれば衝撃は大きいでしょう。機を見るに敏な人間でなければ勝ち抜けませんので、シビアな内部競争です。

 日本人なら長い目で見て何もしないで耐えることが将来への近道と考えるでしょうが、何もしない人間は切り捨てられる対象にこそなれ拾い上げられることはありません。一か八かでどちらかにつかなければならない選択を、人生の中で何度も迫られるのが宮仕えの人生のようです。

 野心と人を見る目があれば出世可能ですが、公の職にあるものとして方向が間違えています。あんな国でも清貧な公職者が少なからずいることもお忘れなく。

 鶏口になるとも牛後となるなかれ。鍋に入れて食うなら鶏のくちばしより牛の尻の肉の方がありがたいのですが、塩焼きで食べるには鶏の首の肉がおいしいです。入手困難ですが、是非チャンスがあったら試してみてください。

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タイフーン

2008年05月30日 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日から梅雨前線とは関係ない雨雲が雨を降らせています。

梅雨は日本の北にできるオホーツク高気圧とフィリピンの被害に出現する太平洋高気圧との間にできる停滞前線です。

 上空を流れるジェット気流がヒマラヤ山脈にぶつかって二つに別れ、一つは南下してインド洋からの湿った空気を巻き込んで、ネパールがモンスーンシーズンになり、東南アジアも雨季になります。
 もう一つはヒマラヤ山脈の北側を乾いた風となって東に向かい、この二つに分かれたジェット気流が再び合流してできるのがオホーツク高気圧だそうです。
 北海道に梅雨がないのはオホーツク高気圧の影響が強いからだそうで、梅雨のジメジメは北に行くほど軽くなるようです。

 7月に入ると台風が梅雨前線を吹き飛ばすので、梅雨明けはするものの、降水量は逆に増えます。

 モンスーン、ハリケーン、タイフーンミャンマーを襲ったサイクロン。これら発生地域が違うだけで同じ嵐の呼び方です。

 台風通過地帯の日本では1956年の日本の伊勢湾台風など、しばしば多大な被害をもたらす台風の襲撃を受けています。こうした台風被害を踏み台に、人智で台風対策をして被害を抑えていますが、それでも毎年どこかの地域で台風被害がでています。

 ハリケーンの被害を受けたミャンマーや地震に見舞われた中国が、この先同じ規模の天災が来ることを想定して復興するのか気になるところです。

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ストリップ

2008年05月29日 | 日記・エッセイ・コラム

 イラン人のアレックス君は大のブラジル嫌い。その理由はフットサルで、彼の所属するイラン人チームがたびたびブラジル人チームに苦杯していることに起因しています。

 「ブラジル人はずるくて生意気で、自分たちがルールだと思っている。危ないファールだって平気。彼ら、スポーツマンの心持っていない。」と憤慨している時は、その前夜にフットサルで負けたとき。
 彼のチームにはサッカーの元ナショナルユースの選手がいますが、40代後半になってもまだ抜きん出たテクニックを持っています。今週はこの選手がいなかったために、悲惨なワンサイドゲームでブラジルチームに負けたようです。

 ブラジル人と言っても日系人でしょう。そんなにフィジカルも強くないし、テクニックだって無いでしょうと問うと、「彼らは昔日本人だっただけで、日本人の心持っていない。だからラフプレーする。」と憤慨していました。

080530  私など、ブラジル人のサンバカーニバルで大喜びしていますが、「あんなのアラブのベリーダンスと比べたら子供の踊り。」と手厳しいアレックス君。

  ベリーダンスといえば、このところウラジオストクでも流行っているようで、あの腰をくねくね動かす動きがウェストを引き締めるダイエットになるのだとかで、ベリーダンススクールに通う女性が多いとか。
 
 どちらもストリップと紙一重と言ってしまえば言葉が過ぎるかもしれませんが、人類史上初めてストリップを生み出したのはほかならぬ日本人で、その昔天照大神が天岩戸に立てこもったさい、アメノウズメノミコトが今で言うところのストリップを踊って、アマテラスをおびき出しました。

 今日私たちがお天道様の下にいられるのも、ストリップがあったからこそ。

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本命

2008年05月28日 | 日記・エッセイ・コラム

 九州南部では入梅した模様。

 女性ならほぼ誰でも臆面なく「あなたきれいの人ね。わたし結婚したなったよ。」と挨拶のごとくプロポーズするファーファイア君ですが、本命の女性には何も言えず、「恥ずかしい」と顔も上げられない。
 お前さんそんなことでは日本女性と結婚できないぞ!と尻を叩いては見ますが、「困ったなぁ」と近くに行くこともできない。そのくせ、用も無いのにその女性の近くを通り過ぎては幸せそうな顔をしている。
 本気で好きになったようですが、寅さんの片思いのごとく終わるのだろうか?

 日本女性はタフですから、ファーファイア君が思いを寄せていると伝えても「あっそう」。「婿になりたければ、離れて見ていないで私の仕事を手伝ってもいいのにねぇ。意外とウブでかわいいじゃない!」とケラケラ笑っていました。

 「日本女性、お金ないは結婚してくれないから、毎月20万円必要。」と、鋭い現実をファーファイア君は指摘しています。ロマンスや愛情よりまずはお金。現実といえば現実ですが、現実過ぎる現実を突いています。
 年金には税金がかからないマレーシア。「老後はマレーシアで生活しましょう!」とプロポーズすればいいのでは?

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サイドビジネス

2008年05月27日 | 日記・エッセイ・コラム

 USAに行った時、ファーストフードの店に制服の警官が入ってきて、談笑しながら食事をする光景に驚きました。
 彼らが言うには、こうして警官が食事しているだけでも治安に役立っているということですが、日本では制服のまま外食する光景など見たことがなかったので違和感がありました。

 90年代半ばのことですが、シベリアのイルクーツクのインツーリストホテルのラウンジバーで、ホテルの警備員と警察官がビールを飲みながら話をしていました。制服着たまま一杯やっているのか?とあきれましたが、警官はそのままパトカー(旧ソビエト製モスコビッチ)を運転して帰りました。

080526  後にロシア人の友人にその話をしたら、「事故を起こしたり、人々に迷惑をかけたわけではないから問題ではない。」と笑っていましたが、「たぶん、警備員はホテルに売春婦を連れてくる役目で、警察はそれを見逃す代わりにリベートをもたっていたのだと思う。」
 なるほど、サイドビジネスの打ち合わせ現場だったのか。それにしても大胆だ。

 当時のロシアは経済混乱期で強烈なインフレの時代。警官に限らず、教師や医者などサイドビジネスを持っていて当たり前でしたが、このサイドビジネスがいつのまにかメインになり、材をなすものが出現したのですから、「混乱」とは恐ろしくもあり、面白くもあります。

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文殊の知恵

2008年05月26日 | 日記・エッセイ・コラム

 相撲の場外乱闘?昨日の大相撲千秋楽の横綱朝青龍と白鵬の取り組みで、勝負が決まった後に朝青龍がダメ押ししたことで、ムカッと来た白鵬が朝青龍をにらみつけた事件。
 今日のニュースでは優勝した琴欧州のことより大きく取り上げられていました。

 たまたまリアルタイムでこの取り組みを見ていたので、「ここで殴りあいになるか?」と期待してしまいました。 

 相撲の技や取り組みの面白さよりも、どちらかと言うとゴシップの方が話題になる、というのか、それを話題にして「品格」とのたまうメディアもおかしな気がしますが、もはや時代は相撲ではなくスモウです。地位が品格を作るというのはまやかしなんだろうか?

 相撲は神事と言っても優勝した琴欧州のブルガリアといえば、東方正教会のブルガリア正教のキリスト教圏ですし、、横綱二人はチベット仏教のモンゴル人。なんかちぐはぐしている?

 モンゴルに行った時、ウランバートルの名刹ガンタンテグチンレンロー(ガンタン寺)で、どの仏様が好きですか?と数人に問うてみました。皆一様に「マンジュシュリ(文殊様)」が好きだと答えたのが印象的でした。

080526b  日本では中国東北部をかつて満州と呼んでいましたが、元々は多数の騎馬部族がおさめる地域で、満州族から満州という呼び名が広まりました。
 ロシア語ではマンチョーリ。さらにその語源はマンジュシュリ(文殊様)だそうです。

 3人集まれば文殊の知恵。相撲協会と横綱審議委員とマスコミが目くそ鼻くそを笑うようないがみあいをしていないで、知恵を出し合って、何とかならないものでしょうか?

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農業

2008年05月25日 | 日記・エッセイ・コラム

080520 雨雲が通り抜けると蒸し暑さが押し寄せる季節になりました。
 一見雨が多い日本ですが、人口一人当たりの雨の量は決して多くはないようです。地球温暖化、二酸化炭素削減が叫ばれる昨今、空気のみならず水も重要になるのではなかろうか?

 一見「自然と共に生きる」農業ですが、林を切り開いて開墾して畑にすることそのものが自然破壊そのもので、トウモロコシや大豆が算出する酸素の量など、樹木に比べたらビビたるもの。それでも、トウモロコシだって太陽の光で二酸化炭素を分解して当分として蓄えるのだから、多少は光合成で二酸化炭素を分解しているんじゃないかい?
080520a  ガソリン高騰の代替燃料としてのアルコールを作る目的でトウモロコシが注目されていますが、その結果、家畜の飼料も高騰、のみならず人間の食べる穀物も高騰。自給率が低いからと言って、まだ手に入る日本なんてマシなほうで、食うものが手に入らずに困っている国だってあります。
 農作物を作ることが「世界平和」に貢献しているなんてこれっぽっちも思っていませんでしたが、風が吹けば桶屋が儲かる。
 自然を破壊することによって生み出される農業が、なんか、とてつもなく偉大なことをしているのではなかろうか?

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体格

2008年05月24日 | 日記・エッセイ・コラム

 日本対コートジボワール。サッカーの試合です。
 あまりなじみのない国ですが、FIFAランキングは日本より上。個人の身体能力の高い国に弱い日本の組織サッカー、勝てないだろうなと予測していたら、ホームの強みもあって1-0で日本が勝ちました。
 ボディーアタックも激しいので、日本人選手崖がなく終わったことにもほっとしていますが、ボールを争って並んだ時のアフリカ選手の身長の高さや、足の長さ、身体能力の違いはここから始まる思いでした。
 それにしても、アフリカの国々が力をつけてきたらオリンピックのメダルなど片っ端から持っていかっれそうなほど身体能力の高い人々です。

080523a  大柄なヨーロッパの人たちの中でも、ロシア人は決して体格的に恵まれているわけではありませんが、体の骨格など日本人など比にならぬほど頑丈です。ロシア女性の骨太さときたら、日本の男性といい勝負。こんな人たちと渡り合えるスポーツ選手はすごい!と尊敬してしまいます。

 赤ちゃんの頃から体格差がありますが、日本の赤ちゃんと比べて手足が長く感じられます。

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戒め

2008年05月22日 | 日記・エッセイ・コラム

 女三界に家なしといいますが、儒教の教えにも「三従四徳」という戒めがあります。

 三従とは「在家従父、出嫁従夫、夫死従子」(嫁に行くまでは父親に従い、嫁に行ったら夫に従い、夫が死んだら子供に従う)

 四徳とは「婦徳、婦容、婦言、婦工」(女性らしい道徳、女性らしい容姿、女性らしい言葉遣い、料理屋裁縫の技術)を身につけることを言います。

 三従四徳を守る理想的な女性とは「相夫教子」(子供には良い教師であり、夫には良きサポーターであること)で、「良妻賢母」(中国語でも日本と同じ意味です)であるわけです。

 中国同様に家父長制度の文化をもつ日本や韓国などではこれらの言葉を、あまり違和感も持たずに受け入れられるでしょう。

 三従には前時代的な過去の遺物という気がしますが、四徳の「婦徳、婦容、婦言、婦工」は時代や男女平等に関係なく、女性が女性であるためには大切なことではないでしょうか?

 スローガンの影には満たされぬ現状ありですから、現実にはこういった素養を持った女性が少ないのでしょうか?必ずしもそうではないような気がします。

 「良妻賢母」といいますが、「良妻」の素養がある女性なら「賢母」にもなりうるのではないでしょうか?あらためて「良妻賢母」などとかしこまると敷居が高くなりますが、これは別に特別なことでもなく、普通に家庭を守って子供を育てている女性なら、十分「良妻賢母」ではないでしょうか?何事もなく波風立てずに普通に過ごせるということは難しいことで、賢くなければできないことです。確かな母性を持った女性なら艱難辛苦を乗り越えてくれることでしょう。もちろん夫の協力が何よりも大切なことは言うまでもありません。

 男性に「出世」を求めるがごとく、女性にとっては突きつけられたくない重い言葉かもしれませんが、多少の山谷はあっても、なにごともなく家庭を作り子供を育んでいる方々なr、「良妻賢母」の称号を与えても良いと思います。

 むしろ、昨今メディアをにぎわす児童虐待の母のような、一握りの母性が壊れた女性など「不良妻兼母」と特筆すべきでしょうが、どうやって処理すればいいんだろう?

 人間は日々成長し、変化していくものですから、静止した状態で物事を判断すると見誤ることもよくあります。とんでもないヤンキー娘が良い母親になっていたり、逆に、しつけの行き届いた立派なお嬢さんの家庭ががたがたになってしまったなどということは良くあることです。

 社会的な「ステータス」 と、もっと本能的な親としての資質は別物ですが、「世の中銭が全てやでぇ」という風潮が方向性を狂わせているような気もします。

 話は戻って、「女三界に家なし」。人を馬鹿にした言葉と思う反面、皮肉なことに「安住の地」が無いからこそ「律」を保てるのかもしれません。

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びんぼう草

2008年05月21日 | 日記・エッセイ・コラム

 草刈を怠けていたら雑草が勢力を盛り返してきました。

 私の周辺ではビンボウ草と呼ばれていますが、一般的な名前はハルジョオン(春女苑)やハルシオン(春紫苑)と呼ばれるキク科の植物。
 文字で見るからには文学的な名前ですが、これが家の周りに繁ることは草刈もしない怠け者の証のようなものなので、こんな家には貧乏が訪れると言われたことがありました。

 詩的な名前とは裏腹に生命力の強い草で、いつのまにかトウが立って花を咲かせてしまいます。特に悪いことをする雑草ではありませんが、全然ありがたくない雑草の代表です。

080523  ハルジョオンは大正時代にアメリカあたりから観賞用に入ってきた植物だったようですが、いつのまにか帰化植物として全国に広まり、雑草として確固たる地位を得ています。

 人間様の都合で異なる環境に連れてこられた挙句、その土地に馴染んで勢力を広げれば「雑草」ですから不憫といえばそれまでですが、こうした帰化植物の中にはセイタカアワダチソウもその一種。
 元々は養蜂のための花として北米から持ち込まれたようですが、いつのまにか駆除に苦慮する雑草の王様格になってしまいました。

 少子高齢化の日本。介護ヘルパーを外国からの労働力に頼る方針になりそうですが、はたしていかがなものか?その後のことまで考えているのだろうか?
 介護保険をナンタラ会館建設につぎ込む予算はあっても、介護ヘルパーの給与は低くなんて事を是正すれば解決するような気もしますが。

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2008年05月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 「恋」の旧字体は「戀」と書き、「心」の上は糸と言葉が絡み合う「乱れる」と言う意味です。「心が乱れて恋になる」と中学のときに先生が教えてくださりました。かく申された先生は心が乱れることなかったようで、生涯独身です。

 万葉集などその多くが「恋の歌」で、源氏物語にいたっては今で言うなら総理大臣にあたる左大臣の光源氏が女のケツを追い掛け回す恋物語で、政治のことなどこれっぽっちも出てこない。

 かように古の昔から心を乱してきた人類ですが、日本に「愛」なる言葉が認識されるようになったのは明治以降。欧米から持ち込まれた「Love」には日本で言うところの「恋」も「慈悲」も含まれているので「愛」をあてがってみたものの、その「愛」が浸透する目で数十年要しました。現代では安っぽい歌謡曲の決まり文句で「人畜無害な無難な言葉」に成り下がっている感もありますが・・・

 かの二葉亭四迷はトゥルゲーネフのアーシャ(日本では「片恋」)のヤー・リュブリュー・バス(I love you)を翻訳するに当たって、「愛しています」では唐人の日本人には意味が通じないからと、あの名文句「死んでもいいわ!」をひねり出しています。

 「愛」と「恋」の違いは、なにものかに心奪われ愚かしくも自らを見失う魔性に魅入られる人のサガで、心乱れぬ境地に達したお釈迦様やキリスト様には「愛はあっても恋はない」ようです。

 波風立たぬ「愛」と異なり「恋」は暗中模索の闇の波間に突き落とされるのですから、穏やかであろうはずがありません。どちらかと言うと自らが自らの心を傷つけて自滅行為に走っているものですが、これほど人として愚かしく尊いものはないでしょう。尊さは何も高い台座の上にあるばかりではなく、素朴なところにこそ多く存在しているもので、わが子のために他人の目も顧みず身をすり減らす母親の情など、愚かしくもありますが、尊いものです。

 たった一人の小娘の前に大の男がなんて脆いのだと、自分の弱さを発見できるのも「恋」のなせる業で、決して恥ずかしいことではありませんし、こうした感情があまりに薄っぺらになった昨今を思えば、これは尊いものだと思います。

 おじさんのやっかみと聞き流してもらえば幸いですが、昨今、繁華街に集まる日本の若者の恋愛遊戯など眺めていると、「道徳」は乱れているけれど、「心」は乱れていません。しっかり下半身の一点に心は定まっています。「恋」ではなく「発情」に近いものがあると思います。

 しかるに、「恋」と「発情」の違いは「倫理による抑制」と「性の衝動」の葛藤があるかないかの違いかもしれませんが、ここがヒトと人間の分かれ目のような気もします。

 「誰か」のためにここが乱れて、心が揺らぐ事は尊いことだと思います。恋路は長く曲がりくねっていますが、何が辛いといわれても「待つ」ことで、万葉集の防人の歌など今で言うなら単身赴任の国境警備兵の「待つ」情念がよく歌われています。

 「待つ」を含めて娑婆のしがらみなど様々な感情が入り乱れて心乱れるから「恋」で、それがなければただの「発情」。

 杓子定規で味気ないご時世ですが、私たちはコンピューターで制御できるアンドロイドではありません。心も乱れますし、恋もします。感情が動くから感動もあります。頭で考えることと心が求めるこことが食い違うから悩みもします。だから自分の意思で突き進むことも踏みとどまることもできるのです。

 「心の時代」とよばれて久しいけれど、絵画も音楽も文芸もその断面しか描けません。もっと偉大なものをそれぞれが持っているのですから、人間て面白い。

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天災

2008年05月19日 | 日記・エッセイ・コラム

 「村八分」が十分ではない理由。村八分にされていても火事と葬式は別物で、どんなに嫌われている人であっても、この災難?は協力をするために二部を省いているのだそうです。

 「日本は中国と仲良くないのに、なんで支援するの?」コンビニに中国四川省の地震の募金箱があるのを見て、シリア人のマホメッド君の問いかけ。

 シリアといえば隣接するイスラエルと犬猿の仲。最近もイスラエルからダマスカスにミサイルのプレゼントがあったばかり。
 もしイスラエルに大地震が起きたら?と聞くと、「このチャンスに攻める!」

 隣接する国と仲がよかったら国境は存在しないわけで、右手で握手して左手で相手の腹にナイフを突きつけているのが国際関係。攻め込んだり攻め込まれたりで、国境線が行ったりきたりするのが歴史。日本の隣国問題などまだマシなほうかもしれません。

 相手がいるミサイルと違って、自然災害は手におえません。何を偉そうなこと言っても、自然のなすがままにいいように翻弄されるしかありません。

 マホメッド君は最近震度3の地震を経験しました。3回日本に来ていて初めて体験する地震だったそうで、今まで赴任していた九州では地震を経験したことがなかったそうです。その代わり、台風を経験して「雨が恐ろしいと思った。」と語っています。
 「アレッポなら建物がすべて壊れたかもしれない」と震度3を振り返っていますが、地震の少ない国から来た外国人が体験する日本の地震は異様かもしれません。

 「震度2か3かな?」とこちらが落ち着いて、何事もなく振舞っている横で、外国人が右往左往している姿を見て「どうしたの?」と逆に聞きたくなることもあります。

 ミャンマーのサイクロンなど「東アジアは自然の災害が多い」と砂漠のアラブ人に言われても、どちらかって言うと中東のほうが自然環境が厳しいと我々は思うのだけれど。

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芸術点

2008年05月17日 | 日記・エッセイ・コラム

 久し振りに東京在住の同級生が帰省して来たので会いに行ってきました。
 シンクロナイズドスイミングの教室に通っている中学生の娘さんの話題になり、進学のことで頭を痛めているようです。シンクロの本場は大阪だそうで、この世界で名をはせるには大阪に行かせるしかないのだとか。娘を単身大阪留学させるのは心配なんでしょうが、娘の希望もかなえてやりたいしと迷っているようでした。

 シンクロの大国といえばロシアですがその歴史は古くなく、小谷美香子が活躍した頃のロシアなどまだメダル争いに絡むようなレベルではありませんでした。
 国内の混乱期だった時代でもありましたが、いつのまにか世界のトップに君臨しています。

 女の子が生まれたらとりあえずバレエをやらせてみるというようなお国柄なので、体操やフィギュアスケートなども下地が違います。各地の優れた選手をさらに絞り込んで、国を代表する選手に仕上げていくシステムができています。
 日本の場合、厳しい言い方をすれば「趣味の延長」なので、支える側が先に息切れしてしまうような気がします。かの、同級生も娘のシンクロの糧にと日舞やバレエまで勉強させているそうで、もちろんその費用はお父さんの小遣い削減によって捻出されています。

 元水球の選手だったアレクサンドル氏は「シベリアレベル」の選手で、国家レベルには遠く及ばなかったものの、環境が整った職場に配属され、外国旅行がままならぬ時代に中国や東欧に遠征しています。
 ノボシビルスクといえばレスリングのグレコローマンスタイルの無敵王者、アレクサンドル・カレリンの出身地ですが、この人類最強の王者はノボシビルスクに体育館を寄贈したり、一時は国会議員も勤めました。
 カレリンと面識のあるアレクサンドル氏が言うには「とても紳士で温和な男。トップアスリートとしての責任を持っている。」ただ強いだけではなく、地位にふさわしいマナーも備えていないと「選手」にはなれないのだとか。

080516  話はバレエに戻りますが、ロシアのお家芸のバレエも元はフランスから入ってきて、ロシアのスタイルを確立するまで試行錯誤を繰り返してきました。

 楽しくなればイタリア人は歌い、ロシア人は踊ると言う民族性なので、ロシアの伝統舞踊にも下地があるのでしょうが、ロシアに限らず「芸術点」に強い東ヨーロッパ。伝統芸を下地に持っていると強い?

080516a まあ、なんと言っても、現代のロシア舞踊といえば隣の写真のようなものなので、優雅な日舞が逆転の期待も無きにしも非ず。

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価格高騰

2008年05月16日 | 日記・エッセイ・コラム

 昨日に引き続きお好み焼きについてですが、ウラジオストク情報によると、お好み焼き店がウラジオストクに出現?
 ウラジオストク郊外、市街地から離れて空港に近い地域にお好み焼きの店ができるようです。

 ホテルやレストランのは法外な税金がかけられているウラジオストクなので、はたしてどのくらいの価格になるのかわかりませんが、庶民が気軽に食べに行けるような価格ではないことは予想できます。

 大方、このお好み焼きやも法外な値段の高級料理になってることでしょうが、ここに屋台のお好み焼きで価格破壊を仕掛けるのも一考かも?

 ウラジオストクで最も高級といわれているヒュンダイホテル。あの韓国のヒュンダイ自動車の資本で作られたホテルです。
 一説にはこのホテルで焼肉を食べると、一皿1万円もするといわれており、私の身の回りにここで食事をしたリッチな人は皆無です。

 世界的に「値上げ」が叫ばれる昨今ですが、ロシアの値上げと来たら90年代経済混乱期のインフレ並みで、その違いといえば、現代の値上げは「金持ちがいくらまで出せるか?」と価格の腹を探っているような感もあります。

 80年代末の日本のバブル期にも似たような現象がありましたが、反面、円高で安く手に入るものも増えたメリットがありました。
 なんだかんだ言っても日本の場合は「富の分配」が良く行き渡っていたと思いますが、諸外国を見ると日本の貧富格差など物のうちではないような思いがします。

 ロシアの場合、リッチになったらリッチになったで、命を付けねらうものが現れたりと身の回りの危険がどっと押し寄せるので、これはこれで大変だと思います。
 90年代にロシアで「マフィア」と呼ばれた人たちの中には、日本で言うなら「実業家」の類も含まれていましたが、少なからず法の網をくぐって財を成していた人たちで、法に従っていたら成功ができない状態でもありました。
 エリツィンがお札と一緒にわけのわからない税金をやたらと連発したので、まともに税金を計算すれば、稼いだ所得より国や地方に支払う税金のほうが大きな金額になるといわれていました。

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お好み焼き

2008年05月15日 | 日記・エッセイ・コラム

080515  物価高のウラジオストクのレストランではアサヒのスーパードライ350ccがおよそ1000円。

 「ウラジオストクは物価が高いから生活も大変だよ。それに比べればシベリアは暮らしやすい。」と主張するのは、ノボシビルスクから来たアレクサンドル氏。
 ちなみに、先のアサヒのスーパードライは500ccでおよそ800円。「日本はビールが安い」とビールばかり飲んでいますが、ロシアにははるかに経済的なボーチカビールがあります。
 
 そのアレクサンドル氏はまだお好み焼きを食べたことが無いというので連れて行きました。

 広島ふうお好み焼き、神戸風ソバメシ、大阪風お好み焼き。
0805151  「これはうまい!ビールにもあう。こんなうまい食べ物があったのか!」と大喜びでした。
 ソバメシに魂を抜かれたセルゲイ君に話は聞いていたようですが、「この料理のことだったのか!」と納得したようです。
 「妻に紹介する。いつか日本に連れてきたら食べさせたい。」とデジカメで写真を撮っていました。
 お好み焼きはロシア人の味覚に合うから、素材確保も大変なスシバーを作るよりも、屋台でもいいからお好み焼き屋をやれ!とかねてから申していましたが、ウラジオストク人のみならずシベリア人でも大丈夫。
 ロシア人はマヨネーズ大好き民族ですから、マヨネーズにあう料理はだいたい口に合うと思います。
 スシやテンプラは国際的に知られているけど、意外なほどにお好み焼きは知られていないので、逆に考えれば将来性があるかも?

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