のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

蛍雪の功罪

2009年06月27日 | 日記・エッセイ・コラム

 旧月夜野町のホタル祭りに行ってきました。ホタルの数より人の数のほうが多かった。

 私が子供の頃は国道沿いの田んぼがホタルの群生地で、団扇で扇いでホタルを落とせるほど飛び交っていたものですが、いつのまにか環境が変わり姿を消してしまいました。近年、その田んぼも住宅地になったものの、またホタルが戻ってきています。

 英語教師のアンソニー君も一緒にホタル鑑賞に来ました。彼の故郷のカナダでもホタルは生息していますが、発光する色がもっと緑色に近いそうです。

 苦学して見事に合格することを「蛍雪の功」と言いますが、高校時代に漢文で勉強したことがあります。雪の反射光で勉強したのが康と言う人で、ホタルの明かりで勉強したのは車と言う人物。ホタルと雪それぞれ別の人が発案したようですが、ホタルの明かりの元で本を読めるほど光度があるかというと、暗くて読めたものではありません。

 「孫氏世録曰、康家貧無油。常映雪讀書。少小清介、交遊不雜。後至御史大夫。」”孫子世録に曰く、康、家貧にして油無し。常に雪に映して書を読む。少小より清介にして、交遊雑ならず。後に御史大夫に至る。”

 「晉車胤字武子、南平人。恭勤不倦、博覽多通。家貧不常得油。夏月則練囊盛數十螢火、以照書、以夜繼日焉」”晋の車胤字は武子、南平の人なり。恭勤にして倦まず、博覧多通なり。家貧にして常には油を得ず。夏月には即ち練嚢に数十の蛍火を盛り、以て書を照らし、夜を以て日に継ぐ”

 最近興味があるのは、こうして苦学して科挙合格して偉くなった人物が、その後どうなったのか?ということで、世のため人のためになったのなら良いが、鼻持ちならない袖の下役人や政治家になっていたら大笑いしそうです。

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