のすたる爺や

文明の果てなる地からのメッセージ

おくりびと

2009年05月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 映画「おくりびと(Departures)」がアカデミー外国語映画賞に輝き、オスカーを手にしたことは記憶に新しいです。

 昨今は葬儀会社があらかたのことをやってくれるようになりましたが、葬儀社がなかった時代、ご近所の底力だけが唯一の頼みの綱。我が家の界隈なら近所の隣組みの人たちがほとけ様の死に装束を着せたり化粧を施し、お通夜の晩に家族が棺桶に納棺するのが慣わしでした。
 交通事故のほとけ様など出てしまったものなら、見られるような仏様に仕上げるのにご近所は悲惨なものでした。

 20代前半の若者ですが、「おくりびと」前処理をやっている青年います。自動車の修理工場に勤めていましたが、つぶれてしまい、奥さんと子供を養わなければならないので給料優先で選んだのがこの仕事。
 主に病院や警察に遺体処理に呼ばれる仕事が多いようですが、呼ばれれば県内全域に出かけるのだそうです。
 今日の夕方、たまたま顔を合わせたら、前橋方面で2件依頼があって仕事を終えて帰って来たとのことでした。

 「あの映画が出てからこの仕事につきたいと問い合わせの電話が頻繁に来るようになった。」と、競争時代に入った模様です。映画は臭いがしないからねぇ。と笑っていました。

コメント
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