足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No. 1627 ~ 玄倉だより3月 ~

2019年03月22日 | 植物

観察月日  2019.3.10.晴 10℃

観察場所  山北町 玄倉

富士山頂から少し離れた右上にレンズ雲があり、それが富

士の山腹にねずみ色の薄い影を落としている。

 湖に目をやると、左岸近くにオシドリの群れがいて、近くに

いる釣り人を気にしていない。それなら〝少しは、近付けるか

“と車道を急ぎ足で行ったが、オシドリはいち早くそれを感じ、

岸を離れて泳ぎ出した。

 元センターの庭のミツマタは花盛りだ。「もう花に、ワカバグ

モが来ているわ」Rさんが呟く。まだ花に来る虫は見掛けない

のに、落葉の間で越冬していたワカバグモは、ミツマタの春を

感じ木枝を登って来たのだろうか。

 バス停の前には、いつも見慣れている山があり、季節によっ

て、桃、若葉、濃緑、赤、焦げ茶と衣替えをするのを楽しみにし

ている。

 「あら、山頂付近が黄色に染まって見えるが、何かしら?」O

さんが見上げている。

 来月になると、ヤマザクラが点々と咲き、山肌を桜色に染め

るのだが、今は焦げ茶一色で、山頂付近が黄色に染まって見

えるのは不思議な事だ。今まで一度も話題に登った事がない

“出来事”と、双眼鏡で皆がそこへ“ピント”を合わせた。

 「ミツマタの花だ」「高木のない所が、黄色よ」「いつ、あの山頂

に登ったのかしら」「・・・・・・」皆それぞれに驚きの声を上げた。

丹沢ではミツマタが急速に増えている様に思えるのだが、これ

も自然の成り行きというものだろうか。

 林道を詰めると「ウオん、グウウ、・・・」の鳴き声が岩間にする。

タゴガエルだ。今年の産卵期は雨が少なく大変だったろう。卵塊

も見え、卵径3.0mmとカエルとしては大きく、45卵と数は少な

かった。

オシドリは岸から離れた。

ワカバグモ

目の前の山

山頂の ミツマタ。

フサザクラ 咲き始める。

タゴガエルの卵塊。

3月の 仲間たち