足立直義の丹沢・大山山麓だより

生き物との出会いを楽しみに今日も山麓を歩いています

No.1257 ~ ソクズ は 不思議一杯 ~

2014年07月25日 | 植物

観 察 月 日  2014.  7.16.晴 30℃

観 察 場 所  秦野市 南矢名

ニワトコとよく似て 同じスイカズラ科ニワトコ属 の草本だ。

花がきれい、面白い。

濃い青空に 花が映える。

白い花には 蜜がない。

別に蜜壺があって 

クロヤマアリが蜜壺に口を入れて蜜を飲む

不思議が ひしめく。

 「これ高山植物ですよね」振り返ると柴犬と散歩途中の男の人であっ

た。「高山植物?」と言われて、即、「違います」と言うのは悪い気がした。

 「水気を好む植物の様ですよ」と答えると「この辺りでは、ここしか見ま

せんよ」と返って来た。晴天の日なのに長靴を履いている所は、近所の

農家の人だろう。「ソクズと言う植物なんですよ」と私が続けると、「えっ

・・」と2度3度聞き返し、けげんな顔付きをした。”ソクズ“と言う音が、草

の名として耳が納得出来ない様であった。

 今日私がソクズに引き止められたのは、紺碧の青空を背景にして茎

の先端に、平面的に広がった散形花序の美しさに驚いたからだ。

 直径3~4mmの白い花が散りばめられているが、その花には蜜が無

く、所々に用意された黄色の壺状の腺体に蜜を貯め、それが芸術品の

様に目に写る。花の集まりにチョウが来たら絵になるのだが、私は見た

事が無い。今日もしばらく立ち止まっていたが、アシナガバチとハラナガ

ツチバチが来たが、余り興味を示さなかった。その点散形花序に何匹も

のクロヤマアリが背の高い茎を登って来ていたが、花によるのではなく

壺状の蜜腺に口を入れ蜜を嘗めている。そのしぐさが、メルヘンチック

な絵画を見ている様だ。

 それはそれとして、サクラの様に花外蜜腺を持つ植物は他にもあるが、

花と同じ位置に蜜を出す壺状なものを持つ植物を見た事が無い。アリが

蜜腺に盛んに来ているが、ソクズにとってどんな効用があるのだろうか。

 美しくも、面白い花序を眺めていると、不思議がひしめいている植物

に見えてきた。

 


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