観 察 月 日 2014. 7.16.晴 30℃
観 察 場 所 秦野市 南矢名
ニワトコとよく似て 同じスイカズラ科ニワトコ属 の草本だ。
花がきれい、面白い。
濃い青空に 花が映える。
白い花には 蜜がない。
別に蜜壺があって
クロヤマアリが蜜壺に口を入れて蜜を飲む
不思議が ひしめく。
「これ高山植物ですよね」振り返ると柴犬と散歩途中の男の人であっ
た。「高山植物?」と言われて、即、「違います」と言うのは悪い気がした。
「水気を好む植物の様ですよ」と答えると「この辺りでは、ここしか見ま
せんよ」と返って来た。晴天の日なのに長靴を履いている所は、近所の
農家の人だろう。「ソクズと言う植物なんですよ」と私が続けると、「えっ
・・」と2度3度聞き返し、けげんな顔付きをした。”ソクズ“と言う音が、草
の名として耳が納得出来ない様であった。
今日私がソクズに引き止められたのは、紺碧の青空を背景にして茎
の先端に、平面的に広がった散形花序の美しさに驚いたからだ。
直径3~4mmの白い花が散りばめられているが、その花には蜜が無
く、所々に用意された黄色の壺状の腺体に蜜を貯め、それが芸術品の
様に目に写る。花の集まりにチョウが来たら絵になるのだが、私は見た
事が無い。今日もしばらく立ち止まっていたが、アシナガバチとハラナガ
ツチバチが来たが、余り興味を示さなかった。その点散形花序に何匹も
のクロヤマアリが背の高い茎を登って来ていたが、花によるのではなく
壺状の蜜腺に口を入れ蜜を嘗めている。そのしぐさが、メルヘンチック
な絵画を見ている様だ。
それはそれとして、サクラの様に花外蜜腺を持つ植物は他にもあるが、
花と同じ位置に蜜を出す壺状なものを持つ植物を見た事が無い。アリが
蜜腺に盛んに来ているが、ソクズにとってどんな効用があるのだろうか。
美しくも、面白い花序を眺めていると、不思議がひしめいている植物
に見えてきた。