箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

修学旅行が直面する課題とは

2024年01月30日 08時24分00秒 | 教育・子育てあれこれ
学校行事の最大のものは、なんといっても修学旅行です。

人生の一生の思い出に残る一大イベントであるのは、昔も今も変わりません。

しかし、コロナ禍の影響で2020年度、2021年度の中学校、高校の修学旅行の実施は大きく落ち込みました。

その後、2022年度からほぼすべての学校で修学旅行が実施できるようになり、現状に至っています。

実施数としては、コロナ前に戻ったのですが、環境の変化に伴い、さまざまな課題が出てきています。

まずは、観光バス等の値上がりです。ガソリン代の高騰、運転手の問題があります。

2024年4月には、ドライバーの働き方改革で、1日につき従来は継続休息時間が8時間でしたが、11時間に延長されます。

そうなると、一人のドライバーで全行程をこなすことが無理になり、交代が必要になってきます。

加えて、コロナ禍の間に、バスガイドさんもかなり退職しましたので、人件費の高騰はバス代にはね返ってきます。

航空機は、いま機種が中型化、小型化していますので、乗降に時間がかかります。

もちろん燃料代高騰は料金を押し上げるでしょう。

宿泊施設は、物価高のあおりを受け、食事代、光熱費、人件費が上がり、宿泊代が高くなります。

学校が生徒から徴収する修学旅行費のうち、交通費と宿泊費が大きなウエイトをしめていますので、コロナ禍後の修学旅行をとりまく環境の変化は、修学旅行費の値上げにつながるのです。

公立の学校の保護者にとっては、大きな家計の負担になります。

また、いい修学旅行を生徒たちに提供するには、学校と団体旅行業者との連携は欠かせません。

どの旅行業者を選定するかは、学校にとって大きな問題です。

そして、同行してくれる添乗員の動きはかなり大きな役割を担います。

ところが、コロナ禍の間に解雇されたり、退職した人が多く、旅行業者は人手不足であり、教育旅行担当者の経験も豊富ではないのです。

旅行会社から学校にもたらされる情報は大切なのですが、学校は修学旅行に関わる情報が手に入れにくくなってきています。

入札を辞退する旅行会社も出てきているほどです。

このような困難に、学校の修学旅行は直面している、あるいは直面することになるのです。




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