「罪を憎んでも、人を憎まない」は、博愛主義的な言葉ですが、じつは子育てや教育にも通じる真理です。
次の二つの親からの言葉の例で、考えてみます。
🔵「中学生だけで、キャンプに行くって髪 ? そんな子にロクな子はいないのよ。そんな子は不良よ」
🔵「あなたのような物わかりのいい子が、子どもたちだけでがキャンプに行くって? それはお母さんは認められないね。よく考えてくれたらうれしいんだけど」
この2つの言葉は、よく似ているようですが、意味がまったくちがいます。
前者の言葉は、子ども自体を否定します。しかし後者は、その子の行動のみの否定です。
🔵前者の言葉を言われた子どもは、自分自体が否定されていると感じるでしょう。そうなると受け入れられていないと思い、自己肯定感(自分が大事という感情)を下げ、自信をなくしていきます。
このように、おとなは、とかく子ども自身を否定する話し方やしかり方をしてしまいがちです。
まして、いまの子は傷つきやすくなっています。かりにおとながその子自身を否定するつもりがない言い方をしたとしても、子どもは自己を否定されたと捉えてしまいがちです。
思春期の子どもの問題行動は、このような子ども自身を否定する言葉により始まり、増幅されることを、おとなはもっと自覚する必要があります。
🔵一方、後者は、まず最初に、「いい子であると思っているよ」と伝え、その上で「~すると(私は)うれしい」という気持ちを添えています。
同様に「~してくれてありがとう」「~すると悲しい」などのおとなの感情を添えることも、行動を評価する伝え方になります。
また、後者の言い方で、おとなが行動そのものを評価して、感情を添えることにより、子どもはどのようにすればまわりの人が喜んでくれるか、どのようにしたら悲しませるのか、何をすることで相手から感謝されるのかという、微妙な感情への働きかけを学ぶこともできるのです。
罪を憎んで(行動を否定して)、人を憎まない(子ども自身を否定しない)というのは、子育て・教育において実行すべき、大切な心得です。
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