箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

ワクチンの接種は個人の判断で

2022年02月15日 08時27分00秒 | 教育・子育てあれこれ


そもそも、新型コロナウイルスのワクチン接種は任意です。

任意であるということは、他者が本人に強制することができないのです。

「ワクチンを打ちなさいよ。なぜ打たないの」と直接的に強制することができないのはもちろん、接種しないことで本人が間接的に不利益を受けることもあってはならないのです。

しかし現実はそうなっていません。


「ワクチンを接種していないなら、仕事をやめてもらいます」(解雇)

「ワクチンを受けていない人の入店はお断りします」(拒否)

「接種していないのなら、実習へは行かせられません」(脅迫)

実際に、このように勤務先や学校からワクチン接種を強制されたという相談が、相談機関に寄せられています。

ワクチン接種が任意であるのにもかかわらず、有効な対策がとられていないのにはいくつかの事情があるように思います。

まず、公正であるはずの自治体が予防接種を奨励しており、かつて例のなかった予防接種を大規模ですすめてきました。


また、ワクチンを接種しないことで、上記の被害を受けたときの救済方法が限られています。その結果ワクチンを打たないことで被害を受けた人が救済されず、問題が顕在化しにくい状況が生まれます。


くわえて、ワクチン接種を強制することは不当なものではないと見なされがちです。
「非接種の人が感染したら、まわりの人に迷惑をかけるでじゃないか。なんでワクチンを打たないのだ」という同調圧力がはたらくのです。

もっといえば、「自分が接種するかしないかをきめているのだから、不利益な扱いをうけても当然だ」という主張が正当化されやすい危険もあります。
このような考えをする人は、少なくて特別にかわった考え方ではないようにも思います。




しかしながら、新型コロナウイルスワクチンの接種についてとりまとめた予防接種法の改正(2021年9月)の付帯決議では「接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものである」と明文化されているのです。

したがって、打たない自由も認められるべきなのは明らかであり、打たないことで非難されたり、不利益を受けたりすることはあってはならないのです。