箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

親の誠実な態度を子どもは知っている

2017年05月13日 17時09分21秒 | 教育・子育てあれこれ


本日は、授業参観とPTA総会、学年懇談会を行いました。

毎年感じることですが、三中校区は、お父さんやおじいさんといった男性の授業参観が多い傾向にあります。

わたしは、箕面市の中部の学校、東部の学校も勤めてきたのでわかるのですが、西部の三中校区は、じつに男性の保護者の参加が多いのです。

これだけ、教育に熱心で、アカデミックな地域性であるのだと、わたしはつねづね考えています。


PTA総会での最後に、わたしからごあいさつさせてもらいました。
ご紹介します。
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本日は、お忙しい中、PTA総会にご出席いただき、ありがとうございます。

また、総会ではすべての案件を慎重審議いただき、ありがとうございました。

さて、生徒のようすですが、授業参観で見ていただいた通りです。全体には、おおむね安定した状況で学校生活を過ごしています。

ところで、私は校長で着任して3年目ですが、一貫して思春期の子育てのコツについてブログ等で、ノウハウを発信してきています。それほど、思春期の子育ては、難しい面があるからです。

たしかに思春期の子どもへの対応は、ノウハウが必要です。

しかし、それ以上に大切なことがあるのも、また事実です。

そこで、雑誌『ヴァンサンカン』に書かれていた言葉をみなさんに紹介します。

優しいお母さんでいることは大切だけど、お母さんががんばっている姿を見せることも、すごく大切だと思う。」

そうなのです。どんな子育てノウハウよりも、お母さんが日々一生懸命、誠実に生きておられる姿から、子どもは学ぶのです。

美輪明宏(みわあきひろ)さんが「ヨイトマケノ唄」をつくるもとになったエピソードがあります。

少年の母親は脚に障害があり、工事現場で働いていました。よろけると、周囲から「やめちまえ」「ろくでなし」「迷惑なんだよ」などと罵声を浴びせられました。しかし、息子の前では胸を張り、大丈夫だという顔をしていました。

一方、少年は勉強やスポーツができず、ケンカも弱くていじめられていましたが、母に心配させたくないという理由で、いじめを母親にも内緒にしていました。

ところがある日、母親はとうとう、息子がいじめられていることに気がつきました。その時、母親は息子に、次のように語りました。

「喧嘩が強いなら、偉いんじゃなかとよ。
金持ちだから、偉いんじゃなかとよ。
勉強ができんでも、そういうのは 関係なかと。
一番偉かとはね、とにかく正直で、一生懸命働いて、正直に生きる。 それが一番偉かとよ。
だから、お前は偉かと」。


 お母さんが自分がこうして生きぬいてきたという生き方を、そのまま息子に伝えたのがこの言葉だったのです。

これほど、子どもの心に響く母親の言葉はないのではないでしょうか。

保護者の方は日々、忙しくお過ごしかと存じます。「なかなか、子どもにかまってやれなくて」とおっしゃる場合もあるでしょう。

それでも、私は、大丈夫だと思います。親御さんが誠実に正直に生きておられのですから、子どもはその姿からちゃんと学んでいくと確信しています。

親御さんだけでなく、学校の教職員も、誠実に正直に、一生懸命教職に勤しみたいという決意をもって、PTA総会のごあいさつとさせていただきます。

今日は、ありがとうございました。
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さて、学年懇談会にもたくさんご出席くださり、ありがとうございました。

3年生は、内容の一つが、6月6日〜8日の修学旅行の説明でした。

今回は、保護者の方への説明を、先生ではなく、修学旅行実行委員の生徒がしてくれました。写真三段のいちばん上の段が、3年学年懇談会のものです。

さすがに3年生です。三中が大事にする生徒による自主活動の一つとして、うれしく思いました。

120名程のお家の人に説明できるまで、生徒が成長していることを思うと、感慨ひとしおの気持ちになります。