箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

家族どうしだからこそ・・・

2015年09月15日 17時27分58秒 | 教育・子育てあれこれ



「家族は親しい者どうしだから、傷つけあうことなんてないです」。
これは思い込みかもしれません。


たしかに、家族はお互いによく知っているので、他人どうしに比べれば、心を開きあっている関係であるといえます。しかし、だからこそ、不協和により家族から与えられる衝撃はたいへん大きなものになるのです。

つまり、家族どうしだから傷つかないのではなく、家族だからこそよけいに傷つくのです。


さらに、もう一点。「家族どうしだから、理解しあっている」というのも一つの思い込みでしょう。

私の家では、家庭で、このようなとき、その家族がどうするかは、だいたい予想がつきます。

たとえば、妻と姑の間で、姑がこのことをやると妻はどういう反応をするかは、私には想像はつきます。

しかし、「なぜ妻がそのような行動をするのか」は、私にはいまだもってわかりません。このことは保護者のみなさんのご家庭でも同じでないでしょうか。

つまり多くの人は、家族の言動が予想できるので「わかったつもり」になっているだけなのです。

長く付き合っているので、いっしょにいる時間が長いので、予測がつくだけで、ほんとうに内面までわかっていることは少ないのではないでしょうか。

この長いつきあいは、それが長い分、不満が長続きし、蓄積され家族の人間関係は、こじれるとお互いの距離が近い分、他の人間関係よりたいへんになると言えます。

では、妻と夫、母と子の間など、家族間で意見などが対立したとき、どのように解決していけばいいのでしょうか。

逃避、あるいは回避するのがいいのでしょうか。これは、私の経験から言っても、問題の解決にはなりにくいと思われます。

やはり、話し合いがいちばん望ましい方法だと思います。とことん話し合うのです。

とことん話し合っても、結局問題の解決にまでたどり着かないかもしれません。しかし関係が少しでも良くなる可能性は高まります。お互いが自分の言い分となぜそう思うのかを伝え、とことん相手の意見に耳を傾けるので、歩み寄りがしやすくなるからです。

とことん話し合えば、相手の言うことにも「なるほど」と思うことがあるかもしれません。
また聴く態度をしめすだけでも効果はあると思います。

みなさん、家族どうしだからこそ、よけいに話し合わなければならないのです。