ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

「自分は例外だ」なんて考えないほうがいいのかもしれない(米国スポーツ選手の浪費と困窮について)

2018-01-19 00:00:00 | Weblog

数か月前こんな記事を書きました。

金をためられる人、財産を残せる人は、けっきょく金にシビアなのだと思う

この記事でご紹介したのは、質の悪い男と知り合ったために全財産を失ってしまった女性の話ですが、こちらの記事は極めてすさまじいですね。

>大金を稼いだのに破産…米スポーツ選手の“異常”な金銭感覚

杉浦大介2018.1.14 16:00dot.

 メジャーリーグ(MLB)をはじめ、米国のスポーツ界は近年、年俸高騰が著しく、毎年オフになるとスター選手が大型契約を結んだことが日本でも報道されることが少なくない。しかし、一般人には考えられない大金を手にしている選手が多くいる一方で、そのお金を散財し、破産する選手があとを絶たないことが問題となっている。

 昨年6月には、米メディアのMSNが「自己破産した元スポーツスター」という特集を配信したことがあった。米プロフットボール(NFL)のビンス・ヤング、テレル・オーウェンス、MLBのジャック・クラーク、米プロバスケットボール(NBA)のデリック・コールマン、ボクシングのマイク・タイソンといったビッグネームが数多く含まれていたことに驚いた人もいるかもしれない。

 2012年には、ESPNが引退後に自己破産するプロアスリートのドキュメンタリーを放送して話題になったことがあった。番組のタイトルは「破産(Broke)」。そんなフィルムができてしまうこと自体が、米国のスポーツ選手たちが身を滅ぼすケースがいかに多いかを物語っていると言えよう。

 2009年にスポーツ・イラストレイテッド誌が伝えたところによると、NBAプレイヤーの60%が引退から5年以内に自己破産するという。また、NFL選手の78%は引退後2年を持たずに破産するか、経済的に困窮する。

 統計によると、NFLプレイヤーは平均3.5年のキャリアを過ごし、年俸約190万ドル(約2億円)、生涯報酬は665万ドル(約7億円)。NBA選手は平均4.8年のキャリアで1年約550万ドル(約6億円)を稼ぎ、生涯報酬は約2640万ドル(約29億円)強に及ぶ。一般人には想像もつかない巨額を稼ぎながら、多くのアスリートたちはなぜ破産の末路を辿るのか。

 一般的な散財の原因はやはり浪費、離婚、投資の失敗など。中でも特筆されるのは、“アメリカンドリーム”を叶えた選手たちの遣いっぷりの激しさである。

「ヨット、マンションに加え、何台かの車を買った。それだけで700万ドル(約7億7000万円)は使ったな。つまり、俺は稼いだ金をすべて吐き出したんだ。また、家族や友人たちも平気で金をせがんでくる」キース・マッキャンツ(NFLプレイヤー)

「ジュエリーだけで100万ドル(約1億1000万円)は使ったと思う」アンドレ・リソン(NFLプレイヤー)

 前述の「破産(Broke)」というドキュメンタリーの中では、元選手たちが多くの赤裸々な証言を残している。これらのコメントにある通り、プロスポーツ選手としてのキャリアの短さを自覚せず、まるで“宵越しの金は持たない”とでも言うように派手な散財を続ける選手は今も昔も珍しくない。

 中でも有名なのは、現役時代に稼いだ約1億1000万ドル(約122億円)をすべて遣い切ってしまったアントワン・ウォーカーのケースだ。1996年にNBA入りしたウォーカーは、オールスターにも3度選出。しかし、ギャンブルで負けを積み上げただけでなく、ベントレー2台、ベンツ2台、レンジローバー、キャデラック・エスカレード、ハマー、マイバッハなど盛大な車のコレクションに多額をつぎ込んだことが喧伝された。さらにビジネスの失敗、取り巻きへの気前良すぎるサポートなどが重なり、2010年についに自己破産。そんなウォーカーのアップ&ダウンに溢れたライフストーリーは米国内で盛んに語られてきた。

 こうした失敗談はスポーツ界には他にも溢れ返っているにもかかわらず、破産するアスリートはそれでも後を絶たない。破滅を避けるためのスポーツ選手向けのセミナーなどは数多いが、大きな効果を発揮しているとは言い難い。

「若くして大金を手にしたプロ選手が金銭面での謙虚さを保ち続けるのは容易ではない。ロッカールームはミリオネアばかりで、そんな同僚たちと付き合えば支出も自然と大きくなる。特に彼らはもともと負けず嫌いの性分だから、散財の面でも張り合おうとしたがるんだ」

 NBAの某チームで働く職員のそんな言葉は真実を言い当てているようにも思える。アメリカンドリームを成就させたヤング・アスリートは、手に入れた金を使うことで成功を噛み締めようとする。選手としての向上を助けた負けず嫌いの精神が、ここでは良くない方向で発揮されてしまう。遊びにしろ、投資にしろ、金の費やし方を学習しているわけではないから、減っていくのも早い。こんな真実は、華やかな米スポーツの闇の部分を示していると言えるのだろう。(文・杉浦大介)

日本でも例えば清原和博は、莫大な金を女(さすがに覚せい剤ではないでしょう)につぎ込んで今はろくに金がないなんて話もあるし、小室哲哉は詐欺で逮捕されて有罪判決をもらいました。犯罪で大金を得た連中は、往々にしてその金を使い果たします。死刑判決を受けた連中を例に挙げると、

長崎・佐賀連続保険金殺人事件

この事件では、

>約9000万円の保険金を騙し取った。

(中略)

ギャンブル依存症だった愛人Hには多額の借金があり、資産家だった女の資産や女の夫の保険金がギャンブル費用に消えていった。またHは女のことを「金づる」と第三者に言っており、女への愛情がなかった。

といった具合です。またこれも何回も書きましたが、

夕張保険金殺人事件では、

1981年(昭和56年)10月に発生した北炭夕張新炭鉱ガス突出事故である。この時も、服役中のHに代わって妻が会社を経営していたが、H班が現場に派遣していた作業員7人が事故で死亡し、作業員にかけられていた多額の死亡保険金が会社に振り込まれた。作業員の遺族に支払われた分を除いても、夫婦の手元に残った金は1億円以上に上ったという。思いがけず大金を手にした夫婦は、夫が刑務所から戻った後、夕張市南部青葉町の夕張川を望む地に白亜2階建ての自宅兼事務所を新築。子供たちにポニーを買い与えたりするほか、妻が経営するスナックの改装やアクセサリー店・ダイエット食品店の開業、さらに高級車リンカーンをはじめとする数々の奢侈品を買いあさるなど浪費を重ね、わずか2年足らずで保険金を使い果たしてしまった。

(中略)

保険会社はこの認定に基づき、全焼した宿舎にかけられていた火災保険金および死亡した作業員4人にかけられていた死亡保険金の合計1億3,800万円をH興業の経営者であるH夫婦に支払った。これにより再び多額の保険金を得たH夫婦であったが、夫婦はこれらの保険金もわずか1か月ほどでほとんど使い果たしたという。

という始末。これではどうしようもないですね。ただどのようなことに金を使ったのかは非常に興味のあるところですが、たぶん

>浪費、離婚、投資の失敗

が極端だったんでしょう。離婚でなく、男(女)に金を使ったということでしょうが、この夫婦はめでたく同じ日に同じロープで吊るされてこの世を去っています。

こういう連中は、犯罪者でしかも殺人犯ですから同情には値しませんが、しかしいくら何でも

>NBAプレイヤーの60%が引退から5年以内に自己破産するという。また、NFL選手の78%は引退後2年を持たずに破産するか、経済的に困窮する。

というのはひどいですよねえ。もちろん

>破滅を避けるためのスポーツ選手向けのセミナーなどは数多い

のですが

>大きな効果を発揮しているとは言い難い。

わけです。

>取り巻きへの気前良すぎるサポート

日本でもそうでしょうが、MLB、NBA、NFLの選手には、驚かんばかりの数の取り巻きがいますからね。連中は、日々おこぼれを狙っています。前長谷川豊が

>内部にいた私は、そもそもあの局が「支払わなくてもいいお金」を支払いまくっていることを存分に知っているので、これでいい感じに支出を圧縮できるはずです。このニュースはネガティブなものではなく、ポジティブに受け取っています。

フジテレビは儲かりすぎていたのです。なので、色んな人々が群がってきました。その結果、本来であれば支払う必要のないお金が山ほどあるのです。今回のニュースでフジテレビは「こういう訳で赤字ですから…」と言ってそれらの金を切ることが出来るでしょう。

書いていましたが、まさにフジテレビも、産経新聞あたりから金をたかられているわけです。赤字の会社がそのような背任めいたことをしていいのかです。

で、スケールの違いは多々あれ、けっきょく後先のことを考えないで金を支出するからそうなるんですよねえ。

>若くして大金を手にしたプロ選手が金銭面での謙虚さを保ち続けるのは容易ではない。ロッカールームはミリオネアばかりで、そんな同僚たちと付き合えば支出も自然と大きくなる。特に彼らはもともと負けず嫌いの性分だから、散財の面でも張り合おうとしたがるんだ

確かにスポーツ選手や芸能人というのはそういうところがあるんでしょうが、しかしこれではお話になりませんよね。もともと素行や素質の悪い人間が大金を持つと、そういう風に狂うという部分があるのでしょう。日本の宝くじも、1等賞をあたった人間には注意書きを渡すそうですが、つまりはトラブルがおきてどうしようもなくなった人間が少なくないわけです。

さて、ここで参考になるのがケーリー・グラントです。グラントのWikipediaより。

>スターでありながら大変な倹約家で、レストランではなく撮影所内の食堂で食事をした。また、撮影でホテル住まいになると、会社が用意した高級ホテルをキャンセルし、格下の普通ランクのホテルに滞在。その宿泊料の差額を正確に要求した。

そう、これぞまさに金を残せる人間の行動です。これだけで私は、グラントを尊敬します。これからは「グラント先生」と彼を祀って、彼を見習って同じように倹約しようかなとも思うくらいです。

そのあたりはともかくとして、こういうことでは、自分は大丈夫なんて考えないほうがいいと思います。前の記事でご紹介した医者の未亡人も、たぶん自分がそんな男のために全財産をはたくなんて、その直前まで想像もしなかったはずです。キャバクラ嬢に莫大な金を貢いだ横領犯だってご同様。彼(女)らと私たちには、たぶんそんなに大きな溝はありません。

なおこの記事は、Jazirat_Sinaのブログの下の記事からも触発をうけました。jazirat-sinaさんに感謝を申し上げます。

ある知人との会話及び東芝社員家族の悲劇を読んで思ったこと

コメント (2)
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