近所の公園に渡来したアオアシシギ(全長35cm)が葦原の上を飛ぶ姿と一緒に各国の野鳥図鑑に記載されたアオアシシギ(green shank)を紹介しましょう。
日本の図鑑(日本の野鳥590・平凡社)にはその大きさを35cmとだけ表記しています。・・・横から見ると、背中、腰、尾羽の白色部がよく目立ちます。
英国の野鳥図鑑には、大きさ30~34cm、翼開長55~62cmと、翼を広げたサイズまで記載されていました。・・・アオアシシギの眼は進行方向右下を見ているようです。
さて、オーストラリアの野鳥図鑑ですが、全長の記載は無く、翼長174~198mm、クチバシ長48~62mm、重さ170~250gと細かく記載されています。・・・斜め前方から見た飛行するアオアシシギ。
この翼長とは、止まっている野鳥の翼先端部(小雨覆)から末端部(初列風切先端)までの長さをいいますが、他国の図鑑にはその記載がありません。・・・キリッと前方をみながら、斜め後方からの日差しを受けて。
ちなみにアジサシの全長はアオアシシギと同じですが、その翼長は268~288m、アオアシシギの174~198mmと比べると90~94mm長いのです。・・・右翼上面、雨覆後縁部の淡褐色部が曲線となって見えています。
オーストラリアにおけるアオアシシギとの遭遇確率は、5段階の上から4のeasyとされていますので(越冬期に)普通に見られる野鳥のようです。・・・こちらは左の翼に見られる雨覆羽縁の淡褐色模様。飛行中か地上で翼を広げた場面でしか見ることができません。
ニュージーランドの図鑑では、アオアシシギの全長32cm、重さ170g、目撃確率はuncommonとあるので、珍鳥とされているのでしょう。・・・右の翼の雨覆の模様と、尾羽にある淡褐色の斑点。背景の葦原と距離があったのでグリーンバックとなっています。
一方米国の図鑑には、ユーラシア大陸に分布するシギで、米国領アリューシャン列島やアラスカでは迷鳥とありました。・・・これも背景がボケて飛行するアオアシシギだけが浮き上がったような画面となりました。