一昨日に続いてデービット・アトキンソン氏(京都の小西美術工藝社社長)の提言「日本人の勝算」の一部をコアジサシの写真と一緒に紹介しましょう。<・・・>が著書からの引用部分
<日本の生産性は世界第28位と低く、そのためにGDPが異常に少ないので、借金が必要以上に多くみえています。これからの企業が今まで通りに人手依存型の構造を継続すると、日本人労働者の減少によって人手不足になる悪循環がおきるでしょう>
<対策として生産性向上を図ればいいのに、現状(古いビジネスモデル)を維持したまま、足りなくなった日本人を外国人労働者で代替えしようとするのが、今の多くの経営者です>
<生産性向上を実行して、最低賃金を引き上げてゆく政策を実施しているのであれば、移民政策も実施する価値はあるかも知れません。しかし、安易に安い賃金で働く外国人労働者を増やす政策は、生産性向上を邪魔する政策になりかねません>
<日本人の所得水準は低いので、さらに賃金が安い労働者を増やせば、価格競争を今以上に激化させて、日本人労働者を苦しめる政策となります。その結果、社会保障のコストは負担できず国が破綻します>
<イギリスでは、1997年に最低賃金引上げを目玉政策としたブレア政権が誕生、当時の最低賃金で労働者を雇っていたイギリス企業は(利益の減少に対して)生産性向上を図って賃金引き上げに対応したことが確認されています>
<また最低賃金上昇による失業率への影響は確認できず、企業の廃業が増えるなどの悪い影響も出ていません。イギリスでは賃上げで失業者が増えるという古い学説は否定されたのです>
<最低賃金引上げは、製造業にはほとんど影響を及ぼしませんでしたが、サービス業の場合は(賃金以外のコストダウン対策で)生産性が1998年から2000年の間に11%も改善しています>
ネットで「世界の最低時給の実態」というサイトを見ると、日本は世界15位、GDPで日本よりも格下となっているイギリスが9位、フランス4位、そろそろ日本も最低賃金引上げの議論をする時期に来ているようです。