珍しくコサギの水浴び姿が撮影できましたので、万葉集のサギの和歌と一緒に紹介しましょう。
万葉集にあるサギの和歌として知られているのは「白鳥の 鷺坂山の 松蔭に 宿りて行かな 夜も更けゆくを」です。
「白鳥の」は鷺坂山の枕詞なのでサギ(コサギかも)のことでしょう。作者は、三十六歌仙の一人で万葉集第一の歌人とも言われる柿本人麻呂(660~724年)。
意味は「夜道を歩いていて気が付いたら鷺坂山まで来てしまった。夜も更けてきたので旅の宿は鷺坂山の松陰で取ることにしよう」
京都府城陽市久世、現在の久世神社の東側にある坂道が当時の鷺坂山なので、鷺坂山の松陰とはこの神社のこと、柿本人麻呂の時代には既に存在していたのかも知れません。
この久世神社の祭神は、日本武尊(やまとたけるのみこと)です。
熊襲や東国征討をした英雄、日本武尊は、亡くなったあと大和を目指して白鳥(白鷺)となって飛び去ったとされています。
その白鷺が最初に留まった地がこの鷺坂山だったため、この地に日本武尊を祀る神社が創建されたと久世神社に伝わっています。
柿本人麻呂も、この伝承(日本武尊が鷺となってこの地に留まったこと)を知っていて、この神社の軒先に宿を取ることで日本武尊が守ってくれると考えたのかも知れません。・・・コサギの足の指は黄色