東京宝塚劇場、2012年11月1日ソワレ。
大劇場での本公演の観劇記はこちら。東京公演も主に原作ファンの知人などを誘って楽しく数回観劇していますが、おそらくちゃんとした形でまとめることはこれ以上ないと思うので、新公の感想だけ先にまとめてしまいます。
ちなみに宙組の新公は『美生涯』と『華日々』しか生では観ていないので、りくくん主演作は初めてでした。思えばあっきー主演も本当に観ておきたかった、でも『クライタ』新公は去年のそれこそ今ごろ、退院当日だったんだよね…(ToT)
進行担当は児玉明子、冒頭のオーベルシュタインの口上はなく、ラインハルトたちの子供時代の回想もカット、オーデインの夜やガイエスブルク戦闘もカット。その他も細かくカットして、でも綺麗につなげていた印象でした。
ルビンスキーとドミニクの説明台詞が増えていて、大変だったかもしれません。
でも全体にとても見やすく、みんな健闘していたと思うし、小粒感も感じなかったし本公演のただのコピーじゃん、という感じもあまりなかった。でも「全然違うものだ!」みたいな『アルジェの男』新公みたいな驚きもまたなかったかな。
というわけでラインハルトはりくくん(蒼羽りく)。調整してくれているはずだと思うんだけどもしかしてマントの長さはテルに合わせたままなのか? それともテルですら最近になって格段に進歩したマント捌きのテクニックの差なのか? 扱いがまだまだでそこはヒヤヒヤさせられました。
が、鬘も軍服姿も素敵でコスプレ度は素晴らしい。美しいということがまず第一かなと思うので、よかったです。
ただ、テルの持ち味である甘やかさがりくくんにはないので、りくくんの方がよりノーブルで、生まれながらの上流貴族の青年に見えてしまったかも。どうしても一本調子で、弱さとかがうまく出せないでいるようにも見えたから、もしかしたら原作のラインハルト象には近いのかもしれないんだけれど、これは@TAKARAZUKAの脚本になっているからねえ…とは思いました。
でも歌とかかなりがんばっていたし、次世代スターとしてさらに輝いていってほしいなあと思います。挨拶もいじらしくてよかったわ(^^)。
ヒルダは花乃まりあちゃん。大抜擢ですがおちついていたのが好印象で、台詞が聞き取りやすく歌も良くて、私はメロメロになりました。
私はみりおんが美人だとは思うんだけれど顔がぜんぜん覚えられなくて、ヒルダもキャラクターがそうだからというにしてもぱきぱきしすぎている気がして、さらに脚本自体にラブが足りないためこの点に関してはけっこうフラストレーションを感じているのですが、カノちゃんの声はもうちょっと湿り気があって女子っぽくて、でもちゃんと聡明さもあって、すごくよかったと思えたのですよ~。
もちろん宙組には下級生の有望娘役がまだまだ他にもたくさんいるので、安易にヒロインの低学年化を進めていってほしくないのですが、それとは別にみんなにいろいろチャンスを与えて上手く育てていってくれればなーと思います。
キルヒアイスはずんちゃん(桜木みなと)。ちなみにテルをリカとかカナメとかは呼べない私ですが姿月あさとは私にとってはあくまでズンコだから「ずんちゃん」は平気(^^;)。
これまた今までの配役から考えると抜擢に近い…でもスカステで見る限りではかなり綺麗になっていたしなー、とけっこう期待していたのですが…それからすると、決して悪くはないんだけれど、フツー…だったかな?
ただの好青年になってしまっていたかもしれません。そもそもラインハルトより少し年長じゃなかったっけ?(もともとがアキレウスに対するパトロクロスだからさ) それでいて親友でかつ一番の忠臣、と補佐役に徹する大きさ、包容力までは…望みすぎとはいえ、なかったかな。
歌はあたたかでよかったと思うし、さらに研鑽してください。
オーベルシュタインは愛ちゃん(愛月ひかる)。私はひかるんとか勝手に呼んだりもしていますがわかりづらいのでここはこれで。
好きだから、というのも大きいのですがにまにま見守ってしまいました。本役とはまた違った妖しさ、厭らしさがあってよかったと思うなー。あとちゃんと慇懃無礼な感じもあってよかった。
鬘はともちんのものをそのまま借りたりするものなのかな? 今ひとつフィットしていなかったようにも見えて残念だったけれど…
あと歌声のかましが在りし日のユリちゃんと同じタイプのもので、もういっそ愛しいです。ガンバレ!
ミッターマイヤーはカケル(風馬翔)、やはりホットでしたね。
ロイエンタールはいよいよきましたクールビューティー春瀬央季、低い声も渋くてよかったです。
ドミニクはれーれ(すみれ乃麗)。3回も噛むはドレスにつまづくはでヒヤヒヤしましたが、演技はさすがに達者で本役以上に色っぽく悪そうでとても良かったです。さすが長。
ルビンスキーの美月悠もとてもしっかりしていました。
ブラウンシュヴァイクのじゅまちゃん(月映樹茉)、リヒテンラーデのまっぷー(松風輝)も悪そうで一癖ありそうなおじさまっぷりがさすがでした。
さらにリッテンハイムの夢月せらちゃん、知らない下級生さんでしたがこれまた綺麗で悪そうでよかった!
ダブルプリンセスが元帥任命式典でラインハルトに絡むくだりはちょっと本公演と違っていて、それも楽しかった。
ベーネミュンデのアリサちゃん(瀬音リサ)は押し出しがいいし綺麗だし後半の狂乱っぷりはことに素晴らしかった。
アンネローゼのゆうりちゃん(伶美うらら)はさすが綺麗で、りくくんとの美形姉弟っぷりが素晴らしい。さすがにタラちゃんほどのたおやかさ、はかなげさはなくて、宮廷でもしっかりやっていそうにも見えるけれど(^^;)、出番も減っているし問題ない感じでしょうか。
ヤンのりんきら(凛城きら)がまた、期待していただけにフツー…だったかなあ。キタさんが上手くヤンを造形していただけに、難しかったかなあ。
ジェシカの彩花まりちゃんは、歌えるのは知っていたけど芝居も上手い! せーことはまた違った感じにしっかりしつつ女らしくて、とても素敵でした。
ユリヤンは秋月光くん、凛々しい美少年。
そしてトリューニヒトの留依蒔世、これまた歌えるのは知っていましたが堂に入った悪徳政治家っぷり、よかったです!
逆に皇帝とグリーンヒルに回ったモンチ(星吹彩翔)は、まあ手堅かったかな。
アンスバッハは和希そら、もう少しクールさが欲しかったけど、これまた美形でした。
ヴェスターラントの蜂起が娘役ちゃんメインで、みんながんばっていて胸打たれました。
***
結局、東京宝塚劇場での観劇は新公を除いて、2012年10月25日ソワレ、30日ソワレ、11月6日ソワレ、11日ソワレ。
「オーディンの夜」場面での歌がだんだんマシになっていって(オイ)よかったです。
テルンハルトはどんどん激情っぷりを出すようになったように私には見えて、最初のうちはシスコンぶりや悩める美青年の風情に美しくていいわぁさすが宝塚版、とうっとりしていましたが、この剛毅さもそれはそれで原作に近くていいなと思いました。
「おまえは俺のなんだ」は大劇場では怒鳴るように言っていて、「ただの部下だろう、黙ってろ」というニュアンスに聞こえましたが、東京では苦しげにささやくように言っていて、「親友だろう、わかってくれよ」と聞こえました。
そこに「あなたの忠実な部下です」と答えてしまう、答えざるをえないキルヒアイス…泣けますね。
東宝でも大きな改変はなかったわけですが、博多座ではさてどうなるのかなあ? 番手的にオーベルシュタインの出番を減らしてヤンの出番を増やす…みたいな姑息なことはしてもらいたくないのですが…
とりあえず遠征はしてきます(^^)。
大劇場での本公演の観劇記はこちら。東京公演も主に原作ファンの知人などを誘って楽しく数回観劇していますが、おそらくちゃんとした形でまとめることはこれ以上ないと思うので、新公の感想だけ先にまとめてしまいます。
ちなみに宙組の新公は『美生涯』と『華日々』しか生では観ていないので、りくくん主演作は初めてでした。思えばあっきー主演も本当に観ておきたかった、でも『クライタ』新公は去年のそれこそ今ごろ、退院当日だったんだよね…(ToT)
進行担当は児玉明子、冒頭のオーベルシュタインの口上はなく、ラインハルトたちの子供時代の回想もカット、オーデインの夜やガイエスブルク戦闘もカット。その他も細かくカットして、でも綺麗につなげていた印象でした。
ルビンスキーとドミニクの説明台詞が増えていて、大変だったかもしれません。
でも全体にとても見やすく、みんな健闘していたと思うし、小粒感も感じなかったし本公演のただのコピーじゃん、という感じもあまりなかった。でも「全然違うものだ!」みたいな『アルジェの男』新公みたいな驚きもまたなかったかな。
というわけでラインハルトはりくくん(蒼羽りく)。調整してくれているはずだと思うんだけどもしかしてマントの長さはテルに合わせたままなのか? それともテルですら最近になって格段に進歩したマント捌きのテクニックの差なのか? 扱いがまだまだでそこはヒヤヒヤさせられました。
が、鬘も軍服姿も素敵でコスプレ度は素晴らしい。美しいということがまず第一かなと思うので、よかったです。
ただ、テルの持ち味である甘やかさがりくくんにはないので、りくくんの方がよりノーブルで、生まれながらの上流貴族の青年に見えてしまったかも。どうしても一本調子で、弱さとかがうまく出せないでいるようにも見えたから、もしかしたら原作のラインハルト象には近いのかもしれないんだけれど、これは@TAKARAZUKAの脚本になっているからねえ…とは思いました。
でも歌とかかなりがんばっていたし、次世代スターとしてさらに輝いていってほしいなあと思います。挨拶もいじらしくてよかったわ(^^)。
ヒルダは花乃まりあちゃん。大抜擢ですがおちついていたのが好印象で、台詞が聞き取りやすく歌も良くて、私はメロメロになりました。
私はみりおんが美人だとは思うんだけれど顔がぜんぜん覚えられなくて、ヒルダもキャラクターがそうだからというにしてもぱきぱきしすぎている気がして、さらに脚本自体にラブが足りないためこの点に関してはけっこうフラストレーションを感じているのですが、カノちゃんの声はもうちょっと湿り気があって女子っぽくて、でもちゃんと聡明さもあって、すごくよかったと思えたのですよ~。
もちろん宙組には下級生の有望娘役がまだまだ他にもたくさんいるので、安易にヒロインの低学年化を進めていってほしくないのですが、それとは別にみんなにいろいろチャンスを与えて上手く育てていってくれればなーと思います。
キルヒアイスはずんちゃん(桜木みなと)。ちなみにテルをリカとかカナメとかは呼べない私ですが姿月あさとは私にとってはあくまでズンコだから「ずんちゃん」は平気(^^;)。
これまた今までの配役から考えると抜擢に近い…でもスカステで見る限りではかなり綺麗になっていたしなー、とけっこう期待していたのですが…それからすると、決して悪くはないんだけれど、フツー…だったかな?
ただの好青年になってしまっていたかもしれません。そもそもラインハルトより少し年長じゃなかったっけ?(もともとがアキレウスに対するパトロクロスだからさ) それでいて親友でかつ一番の忠臣、と補佐役に徹する大きさ、包容力までは…望みすぎとはいえ、なかったかな。
歌はあたたかでよかったと思うし、さらに研鑽してください。
オーベルシュタインは愛ちゃん(愛月ひかる)。私はひかるんとか勝手に呼んだりもしていますがわかりづらいのでここはこれで。
好きだから、というのも大きいのですがにまにま見守ってしまいました。本役とはまた違った妖しさ、厭らしさがあってよかったと思うなー。あとちゃんと慇懃無礼な感じもあってよかった。
鬘はともちんのものをそのまま借りたりするものなのかな? 今ひとつフィットしていなかったようにも見えて残念だったけれど…
あと歌声のかましが在りし日のユリちゃんと同じタイプのもので、もういっそ愛しいです。ガンバレ!
ミッターマイヤーはカケル(風馬翔)、やはりホットでしたね。
ロイエンタールはいよいよきましたクールビューティー春瀬央季、低い声も渋くてよかったです。
ドミニクはれーれ(すみれ乃麗)。3回も噛むはドレスにつまづくはでヒヤヒヤしましたが、演技はさすがに達者で本役以上に色っぽく悪そうでとても良かったです。さすが長。
ルビンスキーの美月悠もとてもしっかりしていました。
ブラウンシュヴァイクのじゅまちゃん(月映樹茉)、リヒテンラーデのまっぷー(松風輝)も悪そうで一癖ありそうなおじさまっぷりがさすがでした。
さらにリッテンハイムの夢月せらちゃん、知らない下級生さんでしたがこれまた綺麗で悪そうでよかった!
ダブルプリンセスが元帥任命式典でラインハルトに絡むくだりはちょっと本公演と違っていて、それも楽しかった。
ベーネミュンデのアリサちゃん(瀬音リサ)は押し出しがいいし綺麗だし後半の狂乱っぷりはことに素晴らしかった。
アンネローゼのゆうりちゃん(伶美うらら)はさすが綺麗で、りくくんとの美形姉弟っぷりが素晴らしい。さすがにタラちゃんほどのたおやかさ、はかなげさはなくて、宮廷でもしっかりやっていそうにも見えるけれど(^^;)、出番も減っているし問題ない感じでしょうか。
ヤンのりんきら(凛城きら)がまた、期待していただけにフツー…だったかなあ。キタさんが上手くヤンを造形していただけに、難しかったかなあ。
ジェシカの彩花まりちゃんは、歌えるのは知っていたけど芝居も上手い! せーことはまた違った感じにしっかりしつつ女らしくて、とても素敵でした。
ユリヤンは秋月光くん、凛々しい美少年。
そしてトリューニヒトの留依蒔世、これまた歌えるのは知っていましたが堂に入った悪徳政治家っぷり、よかったです!
逆に皇帝とグリーンヒルに回ったモンチ(星吹彩翔)は、まあ手堅かったかな。
アンスバッハは和希そら、もう少しクールさが欲しかったけど、これまた美形でした。
ヴェスターラントの蜂起が娘役ちゃんメインで、みんながんばっていて胸打たれました。
***
結局、東京宝塚劇場での観劇は新公を除いて、2012年10月25日ソワレ、30日ソワレ、11月6日ソワレ、11日ソワレ。
「オーディンの夜」場面での歌がだんだんマシになっていって(オイ)よかったです。
テルンハルトはどんどん激情っぷりを出すようになったように私には見えて、最初のうちはシスコンぶりや悩める美青年の風情に美しくていいわぁさすが宝塚版、とうっとりしていましたが、この剛毅さもそれはそれで原作に近くていいなと思いました。
「おまえは俺のなんだ」は大劇場では怒鳴るように言っていて、「ただの部下だろう、黙ってろ」というニュアンスに聞こえましたが、東京では苦しげにささやくように言っていて、「親友だろう、わかってくれよ」と聞こえました。
そこに「あなたの忠実な部下です」と答えてしまう、答えざるをえないキルヒアイス…泣けますね。
東宝でも大きな改変はなかったわけですが、博多座ではさてどうなるのかなあ? 番手的にオーベルシュタインの出番を減らしてヤンの出番を増やす…みたいな姑息なことはしてもらいたくないのですが…
とりあえず遠征はしてきます(^^)。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます