三重県木本で虐殺された朝鮮人労働者の追悼碑を建立する会と紀州鉱山の真実を明らかにする会

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ネイバーとソフトバンクの交渉難航、反日感情の高揚…「LINE問題」長期化の見通し

2024年05月14日 | 国民国家日本の侵略犯罪
「The Hankyoreh」 2024-05-13 09:52
■ネイバーとソフトバンクの交渉難航、反日感情の高揚…「LINE問題」長期化の見通し
 日本政府の行政指導が引き起こしたLINEヤフーの「資本関係見直し」問題が、さらに複雑な局面に突入している。韓国の政界では「反日感情」をめぐる論争が急速に広がり、韓国政府も遅れて日本政府に「遺憾の意」を表明(10日、科学技術情報通信部)した状況で、韓国のネイバー系列の会社の従業員も動揺している。株式売却交渉の当事者であるソフトバンクとネイバー側も、両社ともに交渉条件が合わず、議論が長期化すると予想される雰囲気だ。LINE開発の主軸である韓国内のネイバー系列会社の従業員は「LINEを奪われるわけにはいかない」として、行動を起こす兆しをみせている。
 最大野党「共に民主党」のチョ・スンレ議員(国会科学技術情報放送通信委員会幹事)とイ・ヨンソン議員(外交統一委員会幹事)は12日、国会で記者会見を開き、「LINEヤフー問題」を「日本のLINE強奪の試み」だと規定し、国会レベルでの対応を求めた。これに先立ち8日から、LINEヤフー・ソフトバンク・ネイバーは「株式売却交渉」を公にして、それぞれの立場発表を続けた。事実上の総務省の圧力と受け止められている「ネイバー保有の株式売却」が、これらの企業の間ではすでに交渉のテーブルに載せられているという事実が確認されたわけだ。LINEヤフーの出澤剛社長は8日、「(資本変更は)ソフトバンクがマジョリティーをとる形での変更が大前提」だと述べ、それに続き10日にネイバーも「株式売却を含めて議論中」だと認める立場を初めて表明した。
 韓国政界が突然論争に巻き込まれ、世論も反日感情が高まる局面のもと、ネイバーとしては選択肢を制約された状態にある。ネイバーは、LINEヤフーの持ち株会社「Aホールディングス」の株式をソフトバンクと正確に50%ずつ分けあっている。共同経営の構造だ。交渉過程でネイバーは、ソフトバンクに「経営権プレミアムが付加された株式売却」を要求しているが、ソフトバンクはプレミアムに消極的だとされる。LINEヤフーにおいてネイバーが保有する株式の価値は、経営権プレミアムを含め10兆ウォン台(約1兆1000億円)だと推算される。日本経済新聞は9日、ソフトバンクの関係者の話を引用して「金額面で深い溝があり、先行きは不透明」だと報じた。
 日本政府の圧力によって、すでにネイバーも中長期的なビジネス戦略まで検討して株式売却関連の交渉に入った状況であるため、ネイバーとしては、最近になって高まってきた反日感情によりますます困難な状況になっている。業界関係者は「ネイバーの立場としては、いい価格で売却したくても、現在のように外交問題化している状態下では、株を売却すれば日本に屈したという非難を受けかねない」と述べた。「資本関係」をめぐる今回の問題が長期化する確率が高まっているわけだ。
 専門家らは、反日感情の広がりを警戒し、日本政府には韓国がよりいっそう断固たるシグナルを送らなければならないと述べた。大邱大学のキム・ヤンヒ経済金融学部教授(元国立外交院経済通商開発研究部長)は12日、ハンギョレのインタビューで「韓国でこの問題を反日感情に結びつけると、むしろ日本の右派の反感を引き起こし、問題を複雑にさせ、ネイバーの助けになるどころかむしろ深刻な被害をもたらすことになる」として、「韓日が『価値と理念を共有する類似国』(like-minded countries)であることを強調し、日本政府が介入して韓国企業にこのような要求をすることは明らかに無理があるだけに、韓国政府が座視できないとするシグナルを強く明確に送り続けなければならない」と強調した。
 ネイバー内部でも、従業員の間でネイバー経営陣と韓国政府に対する不満と不安が高まっている。特に、2011年のネイバーのLINEメッセンジャーアプリの発売と運営に決定的な役割を果たしたシン・ジュンホ最高製品責任者(CPO)が取締役会から退任(8日)したことを受け、LINEプラスなどのLINEの韓国内8社の系列企業の従業員2500人は、会社側から説明(14日予定)を受けることにした。ネイバー労働組合も13日、ネイバーとLINEプラスの経営陣などを相手に、公式の質問書を発送する計画だ。
イム・ジソン記者、パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-12 21:10


「The Hankyoreh」 2024-05-13 15:36
■「尹政権、日本政府の嘘をそのまま受け入れ」…韓国の通商専門家がLINE問題を分析
 [インタビュー]キム・ヤンヒ|大邱大学教授・元国立外交院経済通商開発研究部長 
 「野党の反日感情的アプローチも、日本の右派の反感を強めるだけ」 
 日本、海外投資企業の強い関心を認識する必要がある

 日本で圧倒的なユーザー数を持つメッセンジャーアプリ「LINE」の運営企業「LINEヤフー」のデータセキュリティ問題を提起し、日本政府がネイバーの持ち株を売却するよう事実上圧力をかけている問題の波紋が広がっている。グローバル・サプライチェーンと韓日経済関係の専門家である大邱大学経済金融学部のキム・ヤンヒ教授(元国立外交院経済通商開発研究部長)は、この問題の本質は「日本政府が安全保障を名目に自国内の外国の投資企業の経営と資本構造の問題にまで介入することを、どこまで容認すべきか」ということだと指摘する。キム教授は、韓国政府はネイバーの立場を尊重しながらも、日本の総務省が強引に海外企業に関与することは座視できないという立場をもっと明確に示すべきだと述べた。

‐日本は今回の件はデータセキュリティーという「経済安全保障」の問題だと主張しているが。
 「日本側には経済安全保障に対する実際の懸念はある。仮に日本のヤフーが韓国に進出してデータが流出したとすれば、韓国政府はどのように反応するだろうか。まずは、日本のデータ安全保障に対する懸念は理解する、ということを前提にして、対話の出発点としなければならない。
 日本の政府と政界の保守派が、韓国のネイバーと関係しているLINEヤフーが日本の主要インフラを握っていることにかなり以前から懸念していたというのも、問題の根底にある。日本ではLINEヤフーの影響力はきわめて大きい。日本企業46万社が、LINEヤフーを基盤とするLINEワークスをチャット、メール、住所管理、顧客の予約スケジュール管理などに使っている。金沢市、愛知県、大阪市などの地方自治体や地方議会でも使用しているところが多い。日本政府は、韓国企業が日本の重要な基本インフラを握っていることが不安で嫌なのだ」。

‐韓日の安全保障協力が強化されているが、日本は安保において韓国を信じられないという態度ではないのか。
 「韓日と韓米日は『価値と理念を共有する類似国』(like-minded countries)であることを強調して昨年キャンプ・デービッド首脳会議を行い、安保協力を強化することにした。そのうえで、日本政府が介入して韓国企業にこのような要求をするのは明らかに無理のあることだ。日本が韓国をそのようにみるならば、韓米日キャンプ・デービッド宣言は無に帰することになる。同時に、韓国でこの問題を反日感情に結びつけるのも役に立たない。この問題に伊藤博文の例えを持ち込んだり、独島(トクト)訪問などでアプローチする野党指導者(の対応)は、日本の右派の反発を引き起こし、問題を複雑にさせ、ネイバーの助けになるどころか、むしろ深刻な被害をもたらすことになるだろう。日本でLINEヤフーが韓国と関係していることがよりいっそう強調され、これを機にネイバーとの関係を確実に断ち切らなければならないという方向に傾くことになる」。

【写真】科学技術情報通信部のカン・ドヒョン第2次官が10日、政府ソウル庁舎のブリーフィングルームで、日本政府のLINEに対する資本関係再検討の要求に対する韓国政府の立場を発表している/聯合ニュース

‐日本の総務省の措置をどのように評価するか。
 「総務省の措置には無理があることは明らかだ。ネイバーと結びついているLINEヤフーで一部のセキュリティー問題があったとはいえ、総務省の対応は過剰だとみられる。すでにネイバーがLINEヤフーの経営権も持っていない状況で、株式売却でセキュリティー問題を解決できるのか。LINEヤフーは、技術とコンテンツの面でネイバーに依存せざるをえない状況にある。ソフトバンクもそのような理由のためにネイバーと経営統合したのだ。にもかかわらず、総務省がこんなふうに短期間で関係を断ち切れというのは現実的に無理がある」。

‐今回の問題におけるソフトバンクの立場はどのようなものか。
 「その点をよく把握する必要がある。現実的に総務省の要求どおりに、短期間にネイバーとLINEヤフーが関係を断ち切ることは不可能だ。ソフトバンクがそもそもネイバーと手を握ったのは、ネイバーのインフラ、クラウド、様々なネットワークから恩恵を受けられるからだ。総務省がこのように強引に全て切れというのは、ソフトバンクにとっても大きな痛手だ。それに、ソフトバンクが資本と技術で一人立ちすれば、LINEヤフーのセキュリティーが強化されるという保障はあるのか」。

‐韓国政府が韓日関係を考慮して日本に過度に弱腰で対応したという批判がある。
 「ネイバー側もこの問題が大きな注目を集めることを望んでおらず、韓国政府にも静かに対処してほしいと要請をしたというのは合っているようだ。しかし同時に、韓国政府が韓日関係を考慮して弱腰で対応した側面もあるとみられる。特に、10日に科学技術情報通信部のカン・ドヒョン第2次官が、遅ればせながらも示した韓国政府の立場は、まったく話にならない。カン次官が『日本政府は、行政指導に株式売却という表現がないことを確認したが』と言った後、それでも韓国企業にとって圧力と認識される点について遺憾の意を表明したことは、状況を深刻に誤魔化したものだ。実質のところ、日本政府の株式売却の圧力はすでに明らかになっており、日本の行政指導の公文書にもはっきりと『資本関係の解消』という表現がある。日本政府が嘘をついたのだ。それなのに韓国の科学技術部次官がこのような基本的な事実さえ確認せず、総務省の言葉をそのまま受け入れたも同然だ」。

‐もはや韓国政府がより積極的に乗りだすしかない局面にある。韓国政府は何をすべきか。
 「韓国政府は、ネイバーの立場を尊重しながらも、日本政府が強引に海外企業に関与することは座視できないというシグナルを強く明確に送り続けなければならない。この問題が、総務省の立場どおりに一方的に処理されてはならない。セキュリティー専門家、IT企業の専門家、市民が集まって公論化し、最善の解決策を見出す必要があり、日本政府がこのような形で企業に圧力をかけることに対して問題提起しなければならない。いまは韓国政府が強く明確に、韓国企業を適切に保護しているというシグナルを日本に示さなければならない。特に、『自由民主主義』を標ぼうする日本という国が、安全保障を名目に、外国企業が出資したLINEヤフーという企業をどのように処するのかがきわめて重要な意味を持っているという点を、はっきりと言及しなければならない。日本に投資した多くの海外企業にとっても焦眉の関心事だという点を、日本政府は重く認識しなければならない」。
パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-12 20:15


「The Hankyoreh」 2024-05-13 09:19
■尹政権「佐渡鉱山の世界遺産登録」でも譲歩か…日本メディア「韓国に変化の兆し」
 「世界遺産めぐる歴史歪曲」への対応には消極的 
 文在寅政権や朴槿恵政権時代の成果から後退

【写真】新潟県佐渡市の佐渡鉱山内にある代表的な遺跡地「北沢浮遊選鉱場」の様子。日本で初めて鉱石から金や銀などを採取する浮遊選鉱法という工法を導入した=キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 日帝強占期(日本による植民地時代)に朝鮮人の強制動員が大規模に行われた日本の新潟県佐渡鉱山(「佐渡島の金山」)の世界遺産登録と関連し、これまで反対していた韓国政府の態度に変化が現れたという日本メディアの報道が出た。強制動員賠償や福島原発汚染水、LINE問題など日本との懸案に対して特に消極的な対応を取ってきた尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が、露骨な「歴史歪曲」を含む佐渡鉱山の世界遺産登録についても譲歩するのではないかという懸念が高まっている。
 産経新聞は11日付で、「世界遺産委員会の審議は、通例では全会一致で決まる。焦点となるのは、委員国を務める韓国」だとし、「一昨年5月に日韓関係改善に前向きな尹錫悦政権が誕生したのを機に、韓国側の態度に変化の兆しが生まれた」と報道した。そして、ユン・ドクミン駐日韓国大使の最近の発言を取り上げた。
 12日、駐日韓国大使館と日本メディアの報道によると、ユン大使は先月4日、新潟県で花角英世県知事と面会し、佐渡鉱山で朝鮮人の強制動員が行われたという事実に触れ、「マイナス(否定的)の歴史もある。全体の歴史をそのまま表示する必要がある」と述べた。その一方でユン大使は現地の日本の記者団に、佐渡鉱山の世界遺産登録について「絶対反対ではない。ウィンウィンとなれる解決策に知恵を出す必要がある」とし、「(佐渡鉱山は)世界遺産に登録しても良いくらい非常に立派なところ」だと強調する場面もあった。
 産経新聞は、自民党の関係者が「今回(佐渡鉱山の登録に)失敗するわけにはいかない。登録は今をおいてほかない」と強調したとし、「今後の改選で中国が委員国入りすれば、登録に反対する可能性も指摘されている」と報じた。日本では、佐渡鉱山の世界遺産登録に韓国は大きな影響を及ぼさないと認識されているということだ。
 日本で「韓国の態度変化」が取り沙汰されているのは、尹政権が前任の文在寅(ムン・ジェイン)政権だけではなく、2015年の朴槿恵(パク・クネ)政権に比べても世界遺産登録問題をめぐる対応が消極的であるからだ。
 文政権時代は政府レベルで「日本の世界遺産における歴史歪曲」に問題を提起し、強硬な対応を取ることでかなりの成果をあげた。ユネスコ世界遺産委員会は、日本が2015年7月「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を世界遺産に登録した当時、端島(軍艦島)など23カ所のうち7カ所で朝鮮人の強制動員があったが、このような歴史をきちんと知らせていないとして「強い遺憾」を表明した決定文を2021年7月に採択し、誠実な履行を求めた。文政権は2022年2月、日本の佐渡鉱山の世界遺産登録推進についても歴史歪曲を明確に指摘し、「直ちに撤回すべき」、「ユネスコなど国際社会と共に断固として対応していく」と強硬姿勢を示した。保守政権である朴槿恵政権も、軍艦島など世界遺産登録問題に死活をかけて対応した結果、2015年7月に日本政府が初めて「韓国人等の強制労役」を認め、「犠牲者を記憶にとどめるための適切な措置を取る」という約束まで取り付けた。
 ところが、尹政権が発足してから雰囲気が変わった。日本政府がユネスコで公におこなった約束を9年間守らず、むしろ「歴史歪曲」を強めたにもかかわらず、尹政権の消極的な対応で、昨年9月の世界遺産委員会の勧告文からは日本に対する批判がほとんど削除された。

【写真】ユン・ドクミン駐日韓国大使は先月4日、新潟県で花角英世県知事と面会し、佐渡鉱山の世界遺産登録について話し合った=駐日韓国大使館のホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 佐渡鉱山が世界遺産に登録されるかどうかは、7月21日から31日までインドのニューデリーで開かれるユネスコ世界遺産委員会で決まる。日本の与党自民党は、佐渡鉱山のユネスコ登録に向け、各国に対するロビー活動を強化している。自民党は「佐渡島の金山世界遺産登録実現プロジェクトチーム」を設置し、すでに16カ国の駐日大使館に協力を要請した。各国の大使は「しっかり本国に伝達する」と返答したという。新潟県の花角知事は昨年11月に続き先月、ユネスコ本部があるパリで広報に乗り出した。
 尹政権はユネスコの規定が韓国に有利に変わったにもかかわらず、積極的に活用できずにいる。2021年7月に新しく導入された世界遺産条約履行のための作業指針には、他の国との潜在的対立を避けるため、十分な対話を求めている。韓国が日本の歴史歪曲を問題視して最後まで反対すれば、対話が十分になされなかったとみなされ、登録が見送られる可能性がある。特に韓国は昨年、世界遺産委員会の委員国に選出され、登録過程で積極的に発言できるチャンスも得た。日本も2021年に選出され、来年まで活動する予定だ。
 日本政府は昨年1月、佐渡鉱山の世界遺産登録を申請する際、日帝強占期の朝鮮人強制動員問題を避けるため、対象期間を戦国時代(1467~1590)末から江戸時代(1603~1867)に限定する姑息な手を使った。だが、佐渡鉱山では1939年2月から約1500人余りに達する朝鮮人が強制動員され、過酷な労働に苦しめられたという事実が具体的な資料と証言で立証されている。
 韓国外交部は12日「日本の佐渡鉱山の世界遺産登録推進と関連して、韓国政府は強制動員された韓国人労働者に対する事実を反映せよという一貫した要求を伝えてきた」という立場を示した。
 外交部当局者は「日本が佐渡鉱山を世界遺産に登録するためには、強制動員を含め全体の歴史をきちんと表示しなければならないというのが(韓国の)一貫した立場であり、それは全く変わっていない。日本が佐渡鉱山全体の歴史の中で一部だけ切り離して登録しようとすることには同意できず、強制動員の歴史を含めてきちんと明らかにすれば反対しないという立場にも変わりがない」と述べた。
 日本が2015年に端島(軍艦島)を世界産業遺産に登録し、強制動員の歴史をきちんと明らかにすると国際的に約束したことを守っていない状況で、佐渡鉱山の登録を推進することも問題だ。これに対して外交部当局者は「その部分は引き続き解決していくために、韓日間で協議を行っている」と述べた。韓国政府が韓日関係を優先して、佐渡鉱山の登録を支持する方向に立場を変える可能性については、「韓日関係の改善と関係なく、歴史問題や独島(トクト)、教科書などの懸案に対する韓国の原則を変えたり譲歩したりするつもりはない」と強調した。

東京/キム・ソヨン特派員、パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-12 20:25
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ロシア、ウクライナ北東部へ地上軍戦闘を拡大…重大局面を迎えるか

2024年05月14日 | 国家・社会
「The Hankyoreh」 2024-05-13 15:28
■ロシア、ウクライナ北東部へ地上軍戦闘を拡大…重大局面を迎えるか 
 ロシア「ハルキウ州の5つの集落を占領」…ウクライナ「激しい戦闘続いている」

【写真】ロシア軍が進撃し激しい戦闘の繰り広げられているハルキウ州北部の国境沿いのボルチャンスクで、燃えている建物の前を通るウクライナ警察=ボルチャンスク/AP・聯合ニュース

 ロシア軍がウクライナ北東部の国境を越え、ハルキウ州に地上軍を進撃させ、地上戦線をウクライナ東部と南部から北東部まで拡大した。兵力と武器で押されるウクライナ軍をあちこちに所に分散させながら地上戦で優位を確実にする一方、この地域を「緩衝地帯」として確保しようとする作戦とみられている。
 ロイター通信などの報道によると、ロシア国防省は11日(現地時間)、自国軍が10日にウクライナ国境沿いのベルゴロドからハルキウ州に進撃したのに続き、国境付近の5つの集落を占領したと発表した。ロシア軍はハルキウ市から北東に70キロメートルほど離れたボルチャンスクを狙った大規模空爆を行った後、地上軍を投入した。ロシア国防省は、プレテニウカ、オヒルツェベ、ボリシウカ、ピルナ、ストリレチャなど国境沿いの5つの集落を解放した」と主張した。これらの集落は国境から3~5キロメートルほどの距離だ。
 ウクライナ側は、国境沿いの集落周辺で激しい戦闘が2日間続いたと述べた。ハルキウ州のオレグ・シネフボウ知事はこのように明らかにし、今後「戦闘がさらに拡散して圧迫が増大し、駐留軍隊が補強されるだろう」と述べた。だが、人口130万人のウクライナ2大都市であるハルキウ市から住民が避難すべき状況ではないと付け加えた。

【地図】ハルキウに対するロシア軍の攻勢//ハンギョレ新聞社

 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同日夜、クラスネなど他の地域でも戦闘が起きたとし、「わが軍の将兵たちが2日連続で反撃し、ウクライナ領土を守っている」と述べた。
 現地政府関係者らは、ロシア軍の攻撃後、1700人ほどの住民が安全な場所に避難したと明らかにした。AP通信は、自社の記者たちが住民避難支援チームに同行しているとし、多くの建物が破壊され、道路から人影が消えたと報道した。ロシアの戦闘機が空爆を続け、黒い煙が立ち上る中、道路のあちこちに爆撃で大きな穴ができ、燃える建物も多かったとも報じた。
 ボルチャンスク地域の軍政庁責任者、タマズ・ハンバラシビリ氏は「(ロシア)国境沿いの集落の状況が非常に悪い」とし、「空爆が続きミサイル攻撃や砲撃も続いている」と語った。
 ロシア軍は2022年2月に始まったウクライナ侵攻戦争初期にウクライナの首都キーウとハルキウ市周辺まで進撃したが、4月以後ウクライナ軍の激しい反撃に遭い、両地域から撤退した。特に、同年9月以降はハルキウ州から兵力を完全に撤退させ、東部のドンバス地域と南部ヘルソン州などにのみ地上軍を配置してきた。その後、ハルキウ州と国境近くのロシアのベルゴロド地域は、ウクライナ軍の主な攻撃目標になった。
 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今年3月、ウクライナ軍の攻撃を阻止する緩衝地帯を自国の国境に近いウクライナ地域に作るよう指示した。この指示以後、ロシア軍がハルキウ州に対する空爆を強化し、この地域を緩衝地帯として確保しようとする作戦が差し迫ったものとみられてきた。
 米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は、ロシア軍がハルキウ州で戦術的に相当な成果を上げたと分析した。
 ニューヨーク・タイムズ紙などの米国メディアは、今回の地上軍作戦がロシア軍の「春の大攻勢」につながった場合、2年以上にわたるウクライナ戦争が重大局面を迎える可能性があると指摘した。
シン・ギソプ先任記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-12 23:48


「AFP」 2024年5月11日 17:14 発信地:キーウ/ウクライナ
■ウクライナ、東部国境付近から1775人避難 ロシアが地上攻撃

【写真】ロシアの侵攻を受けるウクライナ東部ハルキウ州の集落で、住民の避難を手伝う志願兵(2024年5月10日撮影)。(c)SERGEY BOBOK / AFP
【写真】ロシアの侵攻を受けるウクライナ東部ハルキウ州の集落からバスで避難する住民(2024年5月10日撮影)。(c)SERGEY BOBOK / AFP 

【5月11日 AFP】ウクライナ東部ハルキウ(Kharkiv)州のオレグ・シネグボウ(Oleg Synegubov)知事は11日、同州のロシアとの国境付近から住民計1775人を避難させたと明らかにした。
 ロシア軍は前日、同州への地上攻撃を開始した。シネグボウ氏はソーシャルメディアで、過去24時間に30集落がロシア軍の砲撃を受けたと明らかにした。
 ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は11日、ハルキウ州で「激しい戦闘」が行われていると明らかにし、「われわれはロシアの攻勢を阻止し、主導権をウクライナに取り戻さなければならない」と訴えた。(c)AFP


「The Hankyoreh」 2024-05-11 07:09
■ウクライナのドローン「1500キロ飛行」、ロシア本土最大の石油化学団地を打撃
 ロシア本土に対する最長の「ドローン飛行」 
 ポンプ施設ある建物が一部損傷 
 「後方の施設も安心できない」

【写真】ウクライナ東部戦線に駐留したウクライナの軍人がドローン調整装置を扱っている=ドネツク州/AP・聯合ニュース

 ロシアの第2次世界大戦の戦勝記念日である9日(現地時間)、ウクライナ軍がロシアの内陸の奥深い場所にある石油化学複合団地をドローンで攻撃した。今回の攻撃は飛行距離が1500キロメートルに達するもので、ウクライナのロシア本土に対する最長距離飛行攻撃と言える。
 ウクライナ情報当局筋は同日、自国軍がドローンを利用してロシアとクライナの国境から1400キロメートル離れたロシア西南部バシコルトスタン共和国内の石油化学・肥料複合団地を攻撃したことを明らかにした。ロイター通信が報じた。同筋はこのためにドローンが1500キロメートルを飛行し最長距離飛行記録を立てたとし、「ロシアの軍事施設を供給先とする製油所や石油貯蔵施設は、(前線から)遠く離れた後方にあっても安心できない」と述べた。
 この日攻撃を受けた施設は、ロシアの巨大エネルギー企業ガスプロムの子会社が運営する精油、石油化学、肥料生産施設が集まっているロシア最大の複合団地だ。
 ロシアの災害対応当局もこの複合団地のポンプ施設の建物がドローン攻撃で損傷したことを確認したと、RIAノーボスチ通信が報じた。バシコルトスタン共和国の首長のラディ・ハビロフ氏は、ソーシャルメディアへの投稿で「ドローン攻撃を受けたが、この団地は現在正常に運営されている」と述べた。
 ウクライナ軍は同日、ロシアの黒海沿岸都市アナパにある石油貯蔵施設2カ所もドローンで攻撃し、この施設に大規模火災が発生したと主張した。同貯蔵施設には、クリミア半島に駐留しているロシア軍に供給する燃料を移し替える施設があると、消息筋が伝えた。
 ウクライナ軍のドローン攻撃は、ロシア軍がキーウ、リビウなどウクライナ全域の電力施設7カ所を集中打撃した翌日に行われた。ウクライナ軍は今年初めからドローンを利用し、ロシア本土内のエネルギー施設への攻撃を続けている。ロイター通信の報道によると、北大西洋条約機構(NATO)のある関係者は、この影響で3月末現在のロシアの精油処理容量の約15%程が運営に支障を来たしたものと推算した。
 地上軍戦闘が繰り広げられているウクライナ東部戦線では、ロシア軍が少しずつ占領地を広げ、ウクライナ軍がますます窮地に追い込まれている。
 ロシア軍が人口1万2千人規模のドネツク州中部都市トレツクの北部と南部からこの都市に向かって接近したことを受け、住民たちは避難した。同地域の緊急救助隊のある関係者は「住民たちが家の中にいることさえますます危険になっている」とし、これまで救援物資に依存して持ちこたえてきた高齢層などが都市から脱していると伝えた。この都市は戦前の人口は6万6千人だったが、最近は営業中の商店や病院を探すのも難しい状況だと住民たちは話した。
 AP通信によると、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領も、東部戦線の状況が非常に厳しいことを認めた。ゼレンスキー大統領は同日、ロベルタ・メツォラ欧州議会議長との会談後、共同記者会見を開き、東部戦線で自国軍が「本当に厳しい状況」に直面しているが、米国の大規模軍事支援が入ってきており、今後は状況を変えることができると述べた。
シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-10 22:11


「The Hankyoreh」 2024-05-11 09:56
■ロシア、ウクライナ第2の都市ハルキウに侵攻…地上戦で住民数千人避難
 ロシア、国境の安全のため「緩衝地帯」占領を狙うか 
 ウクライナ、追加兵力を急派…ロシアの戦争計画転換と判断

【写真】10日(現地時間)ウクライナ北東部ハルキウにある住宅がロシアの攻撃で被害を受け、ウクライナの救助隊員が消火活動をしている=ハルキウ/EPA・聯合ニュース

 ロシア軍は10日(現地時間)、ウクライナで2番目に大きい都市である北東部のハルキウを狙って攻撃を開始した。ウクライナ軍はロシアの戦争計画が転換されたと判断し、これに対抗して追加兵力を急派するなど、この地域での地上戦は続くもようだ。
 ハルキウ州のオレグ・シネフボウ知事は、前日夜から続くロシア軍の攻撃で、少なくとも住民1人が死亡、5人が負傷し、州当局は住民3000人を避難させた状態だと明らかにした。AP通信が報じた。ロシアは、国境から5キロメートルも離れていないボルチャンスクを狙い、誘導爆弾やS300などの地対空ミサイルを利用した大規模爆撃を行い、装甲車で防衛ラインを突破しようとした。ロシアの「偵察兵力」も進入したと、英国BBC放送は明らかにした。今回の攻撃は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がベルゴロドなどのロシア国境地域に対するウクライナからの攻撃を防ぐために構想した「緩衝地帯」を形成しようとする動きとみられる。
 これに先立ち、ウクライナ軍当局はハルキウやスミ地域などの北東側の国境に数千のロシア軍兵力が集結していることを確認したとして、ロシアに対して警告している。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はこの日、記者団に「この方向で激しい戦闘が繰り広げられている」として、「撃退する準備はできている」と述べた。ウクライナの公共放送「ススピーリネ」が明らかにした。
 ハルキウは、2022年2月のウクライナ戦争開戦直後に戦闘が行われたところだ。ウクライナ軍は、ロシアの侵攻を受けた2022年9月ごろにハルキウを奪還した。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
韓国語原文入力:2024-05-10 23:09
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