【もう5歳、イノシシの「ウリ坊」は体重80キロに】
幼いイノシシの背中にロデオのようにしがみ付くサルの赤ちゃん。その微笑ましい様子がニュースで流れるや、福知山市動物園(京都府)の名前は一躍全国区になった。それから5年。サルの「みわ」ちゃんもイノシシの「ウリ坊」も元気に同じ小屋で生活していた。餌を食べるときも寝るときも一緒という。(写真㊨は福知山市動物園の今年のカレンダーから)
この2匹は5年前、親とはぐれたり親が事故死したため、この動物園に保護された。「みわ」の名前は福知山に隣接する三和町からやって来たことに因み、「ウリ坊」はイノシシの幼い時の愛称がそのまま名前になった。2匹が一緒に暮らすのは園内に入ってすぐ左手にある大きな園舎。「みわ」は元気に走り回り、「ウリ坊」は奥の方で横になって昼寝していた。「ウリ坊」の体重は今や80キロほどもあるそうだ。
福知山市動物園は市街地北東の三段池公園の一角にある。飼っている動物は70種約350匹。本格的な動物園とは比べるべくもないが、動物と触れ合うことができる身近な動物園として近隣のちびっ子たちの人気は絶大。自由に出入りできるふれあい広場があるほか、ツキノワグマやマントヒヒなど多くの動物に入園者が特製の餌やり器を通して直接餌を与えることもできる。
同園は全国有数のシロテテナガザルの繁殖施設にもなっている。国内にいるシロテテナガザル90頭のうち12頭が同園で生まれたそうだ。昨春には女優の瀧本美織さんが生後間もないシロテテナガザル「桃太郎」の母親代わりとして子育てに挑戦する様子がテレビで放映された。昨年から今年にかけて新しくレッサーパンダのオスとメスも相次いで仲間入り。2歳のオス「キャラ」は後ろ足で立って一躍人気者になった「風太」の孫に当たるという。
園長の二本松俊邦さんは入口そばのふれあいコーナーのベンチで「1、2、3……」と数えながら、大きなシロテテナガザルの肩や手足を揉んでいた。これがテナガザルのストレス解消になるそうだ。それまで二本松さんの頭をたたくなど暴れていたが、肩を揉み始めるとすっかりおとなしくなって気持ちよさそう。「桃太郎」のほうはまだオシメをしており、二本松さんが外れたオシメを付け替えるなど世話を焼いていた。
二本松さんから帰りに「いい顔・い・ろ・い・ろ☆2015☆」というタイトルが付いたカレンダーを頂いた。今年の写真の主役はシロテテナガザルの「桃太郎」とレッサーパンダの「キャラ」だが、その下に準主役級として巨漢の「ウリ坊」の背中にしがみ付く「みわ」の写真が載っていた。そこには「まだまだ健在、ウリ坊とみわ」というコメントが添えられていた。