く~にゃん雑記帳

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<おん祭御渡り式> 参道で落馬事故! 先頭の「日使」奉仕者?

2023年12月18日 | 祭り

【御旅所祭は半時間ほど遅れて開始に】

 第888回を迎えた春日大社の摂社若宮の祭礼「春日若宮おん祭」が12月17日、奈良市内の目抜き通りで華やかに繰り広げられた。御渡りの行列は予定通り正午に県庁前の登大路園地を出発した。コースは近鉄奈良駅前~JR奈良駅前~三条通り~御旅所。一之鳥居内側の「影向(ようごう)の松」の前では古典芸能を披露する“松の下式”が行われた。ただ参道で行列の騎乗者が落馬する事故があり、御旅所祭の開始が30分ほど遅れるというハプニングがあった。(写真は御渡りの最後尾を務めた大名行列の御旅所入り)

 行列の第1番は黒い束帯姿の「日使(ひのつかい)」。この大役は例年経済界の重鎮が務めており、今年の奉仕者は園潔さん(三菱UFJ銀行特別顧問)だった。市女笠(いちめがさ)・垂れ衣姿の女官や「祝御幣」などに先導されて進む。「日使」は平安時代おん祭に向かう関白藤原忠通が病気になり、急遽お供にその日の使いをさせたのが始まりとのこと。

 2番は巫女列。その後の3~5番は芸能集団の細男座(せいのおざ)、猿楽座、田楽座。さらに馬長児(ばちょうのちご)、競馬列、流鏑馬、将馬(いさせうま)、野太刀、大和士(やまとざむらい)と続き、最後尾の12番は大名行列。

 大名行列を見送って県庁前から、一之鳥居と御旅所間の参道に移動。目の前を長い稚児列(三条通りから参加)に続いて再び第1列の「日使」や巫女列などが通り過ぎていく。「影向の松」の前では様々な芸能を披露する“松の下式”も始まっていた。

 事故が起きたのは午後1時半ごろ。競馬列の周りが急に慌しくなってきた。競馬は参道の馬出橋から御旅所近くまでの間で行われるが、何かの事情でスタートが遅れている様子。先に進むと参道脇で倒れた人を囲むように人垣ができていた。「落馬した」という観客の声を耳にした。

 落馬したのは先ほど目の前を通ったばかりの「日使」の奉仕者かもしれない。取り囲む人が手にする冠は「日使」が被っていたもののように見える。救急隊が到着したのはそれから十数分たってから。急の知らせを聞いて駆け付けたのだろう、春日大社の花山院弘匡宮司が心配顔でストレッチャーで運ばれる男性に付き添っていた。

 午後2時ごろ、ようやく競馬が始まった。その後、田楽座や稚児流鏑馬、大和士などの行列が何事もなかったように御旅所に向かった。しんがりを務めた大名行列は子供列と郡山藩列、南都奉行列。それぞれ道中で奴振りの技を披露した。

 御旅所には正面に若宮様の仮御殿、左右には巨大な鼉太鼓(だだいこ)。午後3時すぎ鼉太鼓が打たれ御旅所祭がスタート。まず若宮様に神饌が供えられた。そして仮御殿前の芝生の舞台(「芝居」の語源とも)では深夜まで様々な芸能が奉納された。

 行列の御旅所入りが終わったころ、参道ではまだ稚児3人による流鏑馬が行われ、「影向の松」の前では武術の柳生新陰流兵法と宝蔵院鎌兵法が披露されていた。“松の下式”が全て終わったのは午後3時45分だった。


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