【追う神村学園、興譲館、立命館宇治、西脇工、薫英女学院……】
京都・都大路で繰り広げられる師走恒例の全国高校駅伝まで1週間を切った。男子は65回目の記念大会。女子は26回目で、都道府県予選で優勝した47チームが出場する。2連覇・5回目の優勝を目指す豊川(愛知)や、県予選・地区大会で出場校中ベストタイムを出した常磐(群馬)、優勝争い常連の興譲館(岡山)、九州勢を牽引する神村学園(鹿児島)、立命館宇治(京都)・西脇工(兵庫)・薫英女学院(大阪)の近畿勢などを中心に激しい駆け引きが繰り広げられそうだ。
都道府県予選の成績
(1.10.00台以上、後ろのカッコ内は地方大会の順位とタイム)
1.常 磐(群馬) 1.07.54(関東① 1.07.16)
2.豊 川(愛知) 1.08.29(東海① 1.09.06)
3.神村学園(鹿児島)1.08.58(九州① 1.08.26)
4.市船橋(千葉) 1.09.29(関東⑧ 1.10.08)
5.西脇工(兵庫) 1.09.43(近畿④ 1.12.00)
6.青森山田(青森) 1.09.44(東北④ 1.12.44)
7.花 輪(秋田) 1.09.55(東北① 1.10.21)
8.薫英女学院(大阪)1.10,02(近畿② 1.09.26)
9.山梨学大付(山梨)1.10.15(関東③ 1.09.01)
10. 荏 田(神奈川) 1.10.17(関東⑤ 1.09.42)
11. 興譲館(岡山) 1.10.19(中国① 1.09.57)
12. 埼玉栄(埼玉) 1.10.21(関東⑦ 1.09.52)
13. 北九州市立(福岡)1.10.23(九州② 1.09.48)
14. 長野東(長野) 1.10.26(北信越①1.10.05)
14. 諫 早(長崎) 1.10.26(九州④ 1.10.43)
16. 西 京(山口) 1.10.30(中国④ 1.11.53)
17. 仙台育英(宮城) 1.10.44(東北② 1.11.08)
17. 山 田(高知) 1.10.44(四国① 1.09.39)
19. 立命館宇治(京都)1.10.45(近畿① 1.09.07)
19. 白鴎大足利(栃木)1.10.45(関東⑥ 1.09.44)
21. 旭川龍谷(北海道)1.10.59(北海道は地区大会なし)
常磐は県予選で1.07.54と初めて7分台の大会記録を出した。冷雨という決してコンディションに恵まれない中での好タイム。さらに関東大会では1.07.16とさらに約40秒も縮めた。都道府県予選、地区大会を通じて7分台を出したのは常磐だけ。常磐は入賞候補の常連で、昨年も7位だったが、今年は記録から見る限り優勝候補の最右翼といえそうだ。
豊川は過去6年間に優勝4回、2位2回。昨年の大会では優勝回数を単独最多に伸ばした。今年も県予選のタイムは全国で2番目、地方大会でも9分台前半の好タイムを出しており、優勝争いに加わるのは間違いない。神村学園も県予選、九州大会でいずれも8分台と安定している。過去4年間、優勝→2位→3位→2位と豊川と競ってきた興譲館も中国大会で9分台を出しておりV候補の一角だろう。
近畿勢では立命館宇治が近畿大会で9分台そこそこの好タイムを出し、全国大会に向けて調子を上げてきた。兵庫県予選で須磨学園の21連覇を阻んで男女アベック出場を果たす西脇工は県予選で全国5番目のタイムを出した。1昨年5位、昨年8位と連続入賞の薫英女学院も県予選の1.10.02を近畿大会ではさらに36秒縮めてきた。千葉県予選で大会記録を出した市船橋、関東大会で1.09.01を出した山梨学院大付属、青森山田、花輪(秋田)、荏田(神奈川)、埼玉栄、北九州市立(福岡)、山田(高知)なども入賞争いに加わりそうだ。
優勝2回・19年連続入賞という実績を持つ須磨学園が全国大会で見られないのは残念。近畿大会では兵庫県予選で負けた西脇工を上回り、立命館宇治、薫英に次いで3位だった。千葉県予選で1.09.47の好タイムを出したものの市船橋に敗れた柏日体は、関東大会では1.08.49で常磐に次いで2位だった。5年に1回の記念大会だったら出場は確実だったのだが……。福岡県予選で過去に3回の全国制覇を誇る名門、筑紫女学園(福岡)がライバルの北九州市立に大差をつけられ、まさかの6位に沈んだのも意外だった。