く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<トウワタ(唐綿)> 熱帯アメリカ原産、種子に白い綿毛

2014年12月11日 | 花の四季

【学名から「アスクレピアス」とも、マダラ蝶の幼虫の食草】

 熱帯アメリカ原産のキョウチクトウ科(旧分類はガガイモ科)の植物。日本には江戸末期の1842年(天保13年)にオランダ船によって持ち込まれたといわれる。和名「唐綿」の「唐」は外国を指し、「綿」は種子に白い綿毛が付着することに由来する。学名から「アスクレピアス」とも呼ばれる。

 常緑性で原産地では半低木に育つが、日本では1年草として扱われることが多い。花期は夏~秋。鉢植えとして室内に取り込んだり温室で栽培すると、晩秋~冬にも咲き続ける。花は反り返った赤や橙色の花冠の上に黄色の副花冠が載るユニークな形。茎を折ると白い乳液が出るため英名では「ミルク・ウィード」と呼ばれる。花後にやや湾曲したサヤができ、熟すと中から種子が飛び出す。

 

 仲間に明治中頃に渡来した「オオ(大)トウワタ」や大正末期に渡来した「ヤナギ(柳)トウワタ」など。オオトウワタはトウワタより葉も草丈も大型で、桃色や紫色の花を付ける。ヤナギトウワタの名は柳に似た葉の形に由来する。花色は明るいオレンジ色で、花の数が多く見映えするため切り花として人気が高い。「フウセン(風船)トウワタ」は南アフリカ原産でトウワタ属とは別属。ハリセンボンのような果実が特徴で、生け花やドライフラワーの花材としてよく使われる。

 トウワタなど旧ガガイモ科の植物はアサギマダラ、カバマダラなどマダラ蝶の食草として知られる。それらの植物に含まれる有毒のアルカロイドを体内に取り入れることで鳥などの捕食から身を守るという。写真のトウワタでもツマムラサキマダラの幼虫が葉っぱを食べているところだった。それにしても、この幼虫がやがてあの輝くような青紫色の羽根の美しい蝶に変身するとは!(写真は橿原市昆虫館で)


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