く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<アンビリバボー> 春日大社参道に「下駄渡世人仲間」銘の燈籠!

2014年06月24日 | アンビリバボー

【「焼酎蒸溜業」や「越中富山売薬業」「全国文明会」「日丸講」…】

 春日大社には約2000の石燈籠と約1000の釣燈籠があるそうだ。最も古い石燈籠は1136年に関白藤原忠道から寄進されたと伝わる「柚木(ゆのき)燈籠」。石燈籠としては奈良・当麻寺にある白鳳時代のものに次いで2番目に古いという。寄進された燈籠は形も大きさも様々。先日、「一の鳥居」から東に伸びる参道を社殿に向かっていた時のこと、右手に並ぶ2つの燈籠に目が吸い寄せられた。

 目を凝らして見ると、どうも『下駄渡世人仲間』とある(上の写真)。えっ、渡世人。その下には十数人の名前。側面に建立した年月日が刻まれているが、残念ながら「○年」だけが読み取れない。「渡世人」というと、つい「任侠」や「やくざ」という言葉を連想し、番場の忠太郎や国定忠治や木枯らし紋次郎を思い浮かべてしまう。しかし、この燈籠の「渡世人」は「生業(なりわい)としている人たち」という意味に違いない。それプラス「仲間」で、今風に言えば「履物組合」と勝手に解釈して納得!

   

 最も大きくて目立つのは『砂糖商 大阪伊藤茂七』が建立した2つの燈籠(上㊧)。検索してみると、あった! 110年近く前の1898年(明治31年)の「砂糖税法新設ヲ非トスル意見書」の末尾に「大坂砂糖商組合 上京委員 伊藤茂七」とあった。伊藤氏は当時、輸入砂糖を取り扱う指折りの有力者だったらしい。『全国文明会 文明農機具』と刻まれた燈籠(上㊨)の文字も目を引いた。燈籠とのつながりは不明だが、鹿児島県日置市に「文明農機株式会社」という農機製造販売会社があった。創業は1919年(大正8年)で、取扱製品はサトウキビやたばこ、サツマイモなどの作業機械。まもなく100周年を迎える老舗だ。

 

   

 『越中富山 売薬業』(上の写真上段㊧)や『焼酎蒸溜業』(同㊨)『御免綿問屋』(下段㊧)などと刻まれた燈籠もなかなか風格がある。中には瓢箪(ひょうたん)が1つ浮き彫りになった苔むした燈籠も(上の写真下段㊨)。『日丸講』(下の写真㊧)が建立した燈籠は別の場所にもあった。『奈良そごう』の燈籠(同㊨)もなかなか堂々として立派だが、その行く末からか、少し寂しげに見えた。奈良そごうが長屋王の邸宅跡に開店したのはバブル絶頂期の1989年。だが、僅か11年後の2000年には閉店に追い込まれた。今はイトーヨーカドー奈良店が入っている。燈籠の1つ1つにも栄枯盛衰の歴史が刻まれていることを痛感!

     


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