く~にゃん雑記帳

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<帝塚山大付属博物館> 「瓦アート展―アートな視点からみたKAWARA」

2016年09月29日 | 美術

【作家3人が様々な瓦から自由な発想でジュエリー、絵画、切り絵などに】

 帝塚山大学付属博物館(奈良市)で「瓦アート展―アートな視点からみたKAWARA」が開かれている。同館は日本、中国、朝鮮半島の古代から現代に至る多くの瓦を収集・所蔵しており、それらの瓦を基にアクセサリー作家、日本画家、切り絵作家の3人がそれぞれに自由な発想で制作したまさに〝アートな瓦作品〟が並んでいる。

 

 アクセサリー作家、西村崇則さんの作品「Necklace」(上の写真㊧=部分)は銀・銅・ジルコニア製。朝鮮半島・新羅時代の蓮華文軒丸瓦と日本・現在の緑釉宝相華唐草文滴水瓦のデザインを取り入れて華麗なネックレスに仕立て上げた。「Bangle―唐草文」(写真㊨)は銀製で、デザインの基となったのは統一新羅時代の唐草文軒平瓦。鬼瓦や鯱(しゃちほこ)をデザインしたブローチやかんざしも出展している。瓦の文様の斬新性を改めて想起させる作品群だ。西村さんは2012年、イタリアの国立フィレンツェ美術アカデミー絵画科を卒業。在学中に彫金やレザークラフトを始め、昨年、革小物や貴金属などを使ったアクセサリーブランド「BoTTega Ruan」を立ち上げた。

 

 安藤はるかさんは2000年、東京芸術大学美術学部絵画科日本画専攻を卒業。その後、西村さんと同時期にフィレンツェ美術アカデミー絵画科に入学し卒業している。第25回全日本アートサロン絵画大賞展で優秀賞を受賞。今回の出展作のうち「川原のKAWARA」(上の写真㊧=部分)は日本の奈良時代や安土桃山時代、朝鮮半島の高句麗や統一新羅などの出土瓦20点余を画面の要所に描き込んだP40号(100×72.7cm)の作品。精細な描写で瓦たちが存在感を主張しており、それら1つ1つに目を奪われる。「にらめっこしましょ」(写真㊨)は中国・南朝時代の獣面文軒丸瓦の欠けた部分にしっぽの長い猿を描いた作品。そのタイトルとユニークな組み合わせがつい笑いを誘う。

    

 タナカヒロユキさんの「鬼次と鬼瓦」(上の写真㊧=部分)は浮世絵の大首絵風で、獣面文軒丸瓦のデザインを着物の紋所部分に置き換えた。鬼次の表情に実によくマッチしている。「鯱―SHACHIHOKO」(写真㊨=部分)は大阪城・乾楼鯱瓦を基にした切り絵で、原画は安藤はるかさんが描いた。タナカさんは帝塚山大学の広報課職員。切り絵の制作を始めたのは3年前とのことだが、国内各地や韓国で精力的に展示会に出展しており、昨年、切り絵アートグループの「SAMURAI展 2015年冬大阪の陣」で「Sayaka Imai賞」を受賞したとのこと。「瓦アート展」は10月8日まで。


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