く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<イチゴノキ(苺の木)> 赤い球形の実と壷状の白い小花が同時に

2014年01月20日 | 花の四季

【地中海地方原産、実は果実酒やジャムなど食用に】

 ツツジ科の常緑低木で、地中海地方から西ヨーロッパまで広く分布する。10~12月頃、アセビやドウダンツツジに似た小さな壷状の白花を下向きに付ける。その花が受粉すると、ほぼ1年かけて果実が緑色から黄色に変化し、11~12月頃に赤く熟す。つまり花期と前年の花の果実の熟期が重なり、秋から初冬にかけて花と実を同時に楽しめるというわけだ。

 英名は「ストロベリー・ツリー」。赤い果実をイチゴに見立てて名付けられた。和名のイチゴノキもそれを直訳したものとみられる。ただ、その実は直径1.5~2cmの真ん丸。表面には小さな粒々が付いてザラザラとした感触。イチゴというより、むしろヤマモモの実に似ている。

 赤く熟した実は果実酒やジャムに利用され、ポルトガルではその実を使って「メドロンホ」という強いブランデーが造られるという。ただ実そのものは味気なく、生食には向かないようだ。イチゴノキは学名から「アルブツス・ウネド」とも呼ばれるが、その「ウネド」は「1回食べる」を意味する。裏返すと「2度と食べたくない」という思いが込められているそうだ。

 

 日本では少し前までなじみの少ない樹木の1つだった。だが、最近では小型の「ヒメイチゴノキ」や赤花系の「ベニバナイチゴノキ」などの園芸品種が出回って人気を集め始めている。花の少ない時期に花と実を同時に楽しめること、比較的暑さ寒さに強く土質を選ばないこと、果実が野鳥を呼んでくれることなどが人気を集めているようだ。(写真上段は昨年11月24日、下段2枚は今年1月17日に京都府立植物園で)

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