経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

8月毎月勤労統計に異変

2015年10月06日 | 経済
 速報だから、異変と言うには、気が早いかもしれないが、8月毎勤を季節調整済指数で見ると、給与総額が前月比-1.6にもなっている。若干残るボーナスの撹乱だと良いのだが、確報では、もっと下がる可能性が高い。指数の99.2は、7月の撹乱を除くと、3月以来の低水準である。また、常用雇用は、わずかながらマイナスとなった。マイナスは、3月に2年8か月ぶりの観測をしたが、また起こった。アベノミクスの失速は、賃金や雇用にも現れだしていると考えた方が良かろう。9月の消費は厳しいかもしれないね。

 ちなみに、毎勤は前年比で取り上げられることが多く、季調値で前月比を見ることは少ないが、アベノミクスの特徴を、端的に表す指標だと言えるだろう。すなわち、雇用は着実に増やしてきたものの、給与は横バイの状態であり、実質賃金は、円安と消費増税によって大きく下げ、いまだに低迷から脱していない。煩瑣になるので、図では省いたが、雇用×実質賃金で見ても、2013年平均をなかなか上回れないでいる。

(図)



(今日の日経)
 TPP大筋合意。ノーベル賞に大村智氏。


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1 コメント

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8月確報 (平家)
2015-10-22 13:59:04
8月の確報が出ました。
ご懸念の常用雇用指数の季節調整値は、前月比で0.1%増加になりました。6月は0.3%増加、7月は0.2%増加だったので、拡大の速度は緩んできていますが、なお拡大を続けているのではないかと思います。9月分に注目です。
ご指摘の実質賃金指数×常用雇用指数÷100も、8月は2013年86.8、2015年87.1で、上回りました。6,7,8月の合計では0.5%減なので、これも9月の結果の発表が待たれるという状況です。
税率引き上げの悪影響を脱しつつあるのであればいいのですが。
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