経済を良くするって、どうすれば

経済政策と社会保障を考えるコラム


 *人は死せるがゆえに不合理、これを癒すは連帯の志

9/23の日経

2014年09月23日 | 今日の日経
 景気回復の初期に、恩恵が低所得層や大都市外に行き渡らないのは、いつものことでね。問題は、行き渡る前に緊縮財政をしてしまい、成長を弱めたり、終わらせたりすることなんだよ。行き渡らせるには、ある程度のインフレや金利上昇も覚悟しなければならない。これに極めて警戒的な経済思想が格差是正の障害になるし、物価高より資産高が急速に進むことを許す税制などの構造改革も必要だ。

 大した再分配なしに、成長だけで平等を実現したというのは、日本の高度成長期が稀有の例だろう。5~7%の物価上昇率の下で成長を追及するというのは、政治的にも、なかなか難しい。中国は、物価高による民衆の反乱を恐れ、貧困の削減には成功しても、格差の是正までは行き着けなかった。食料価格の抑制という技術的問題も然ることながら、不満を受け止められる民主主義がないからね。

 消費増税を1%にとどめていたら、成長は失速せず、恩恵は徐々に行き渡っていただろう。成長が保たれるから、1年半後に2%、更に1年半後に2%と、難なく追加増税もできていたはずだ。そうすると、自然増収だけで、2025年度にはPBは黒字化していた。こういう財政の見通しも立つから、少子化対策も充実していけるし、それは、出生率を上昇させ、一層、成長率の見通しを高めただろう。

 成長の見通しが高まれば、企業は、法人税率なんか関係なく設備投資をするし、人材確保のために、若者や女性を大事に扱うようになる。人の寄り付かないブラック企業なんて生き残れまい。経営者だって、ROEの数字を追うより、会社を大きくする方がずっと楽しいものだ。度外れた財政運営を放置して、「改革だ、痛みだ」と血道を上げる風潮は、一体、いつまで続くのか。

(今日の日経)
 ダイエーが完全子会社へ。自社株買いが6年ぶり高水準。シニアの共働き広がる、女性の就労増。日銀の株保有7兆円、年内に日生超えも。消費の格差鮮明・都市復調と地方低迷。消費税10%なら社会保障充実に1兆円。海外資金が日本国債に流入。コンビニ5か月連続減。一目均衡・ROE最大化は規模拡大を犠牲、マクロ最適でない・北沢千秋。

※法人減税の成果がこれかい。※シニアの実情を表す良い記事だ。※補正に社会保障と増税派も必死だね。思わず「成長」を差し出したくなるよ。※百貨店、スーパーはまずまずだった。※ROE経営の本質を突いてるよ。

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1 コメント

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Unknown (WATERMAN1996)
2014-09-25 06:18:03
財務省がこらえ性が無く景気が十分に回復する前に増税に走ってしまう習性は、外部からどれだけ数字を出して「拙速である」と言っても通じないのではないでしょうか?
何を言われようと予算が立たなければ話にならんのだという名目で押し切られるだけでは?
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