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証券会社の提示する米国債金利について 2  アメリカの実例

2018年02月20日 | 米国債への投資

「証券会社の提示する米国債金利について」という2月18日の記事に関して、昨日Puffinさんからアメリカの証券会社の具体例を使い、詳細なコメントが寄せられました。

  みなさまにも参考になると思われますので、そのままこちらの本文に転載させていただきます。

Puffinさん

いつもこうした具体例に関して詳細かつ有意義なコメントをお寄せいただき、誠にありがとうございます。このブログの有力サポーターに、感謝させていただきます。

ブログの読者のみなさんにお願いです。

このブログはみなさんからのご質問はいつでも大歓迎ですし、回答の投稿も大歓迎です。

お願いとは、Puffinさんの今回のコメントのように、とても手間暇がかかり、かつ有意義な情報をいただいた場合、是非ともお礼の言葉を寄せていただきたいのです。Puffinさんも一読者の方で、貴重なお時間を使って書いていただいています。

Puffinさんに限らず、こうした善意で寄せていただいた情報に対して、返礼はどうか忘れずにお願いいたします。


では、実例の転載です。今回は「訂正と捕捉」を加え2つの投稿がありますので、その点にご注意ください。

 

米国債券市場における債券価格 (Puffin)

2018-02-18 22:45:59

こんばんは。

米国債券市場での債券価格の推移についてです。
米国証券会社の口座で板・チャート情報を見られるのですが、株式と同様に売り・買いが膨大な数量交錯するので、日々大きな変動があります。
例えば、2018年2月16日(金)は、2029年2月15日償還のPrincipal(ゼロクーポン)の場合、始値72.7090、高値72.8925、安値72.7040、終値72.7080、となり、どのタイミングで買いを入れているかでかなり利回りが変わります。これが更に日々全く違った値動きになる(15日の場合は、始値72.2505、高値72.5990、安値72.2505、終値72.4625)為に、日本の証券会社がいつの時点でその債券を仕入れているかや仕入れ全体の平均値などで、償還日が短い方が一時的に最終利回りが高くなる逆転現象が生じる事もあります。

日本の証券会社での購入の場合は、直近営業日の米国市場での債券価格やその債券を仕入れた時の債券価格、為替の動き、会社の利益・手数料などのマージンを取って一本値で債券価格を提示するため、どうしてもパフォーマンスは悪くなります。
米国証券会社で最安のIB証券の場合手数料は、1注文当たりの購入額の0.02%で、最低手数料額が5.00ドルと公表されているので明朗会計です。2月16日の終値で1単元の償還価格1,000ドル分を購入した場合は、手数料5ドルが加わって債券価格は73.2080になります。100単元100,000ドル分購入ならば、手数料14.5416ドルが加わり債券価格は72.7225となり、大口取引ほど一単元当たりの手数料が安くなって購入債券価格の低下→利回り上昇、となります。
因みに、日本の証券会社の一本値の提示価格は一日遅れとなる為、同一条件での大和での債券価格は、金額の大小にかかわらず、73.83でした。

ご参考までに。

 

訂正 と 補足 (Puffin)

2018-02-19 00:18:06

米国のIB証券と日本の大和証券の比較ですが、1日delayがある為、IB証券の債券価格は15日(木)の債券価格を用いて16日(金)の大和証券の提示価格と比較すべきでしたので、訂正します。

IB証券で2月15日の終値で1単元の償還価格1,000ドル分を購入した場合は、手数料5ドルが加わって債券購入価格は72.9625になります。100単元100,000ドル分購入ならば、手数料14.4925ドルが加わり債券価格は、72.4769になり、大口取引ほど一単元当たりの手数料が安くなって購入債券価格の低下→利回り上昇、となります。
因みに、同一条件での大和証券での債券価格は、金額の大小にかかわらず、73.83でした。

あと、補足ですが、日本からIB証券への送金も裏技があって、IB証券は、個人のリテール部門からは既に日本から撤退している Citi Bank の法人部門口座を日本国内に保有しているため、三菱UFJと三井住友の都銀からならば、高い手数料の国際送金システムのコルレス銀行システムを使うことなく、送金金額に関わらずに送金手数料800円だけで日本円のまま送金可能です。そして、IB証券口座内で円からドル転を行う場合は、FXレートでの為替交換となり、1ドルあたり3銭ほどのスプレッドで交換できます。但し、デフォルト設定のままでは交換した米ドルはキャッシュではなくFX証拠金となってしまう点に注意が必要です。詳細設定で、「日本円を担保に米ドルのFXポジション(IDEALPRO)」ではなく、「日本円を米ドルに両替をする(FXCONV)」を選択する必要があります。米国人の一般投資家は、世界の基軸通貨である米ドルを敢えて他国通貨に交換する必要が無いので、外国人である日本人にはちょっとわかりにくいかもしれません。
こうして手に入れた米ドルのキャッシュは、ACHシステムを設定しておけば、保有する米国内銀行口座を介することで、別の証券会社にも無料で自由に資金移動が可能になる為、私は資金移動の国際トンネルとしても利用しています。

 コメント欄からの転載は以上です。

コメント (22)
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