タイトルに惹かれて買いました。
(読んだ感想ですので、これから読もうとしている人はこのブログはスキップして)
「最も遠い銀河」上下
白川道 著
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上535ページ
下470ページ
かなりへヴィー級の厚さです。
ハードボイルドというより純愛小説のようなピュアなもの。元刑事のしつこさが違和感があるがこれがなければストーリーは進まない。
キーにしたいと思われる「詩」は全くインパクトがない。もう少しいい詩が出来なかったものか。
また、会話が独白のように異様に長く、喋りというよりも展開そのものを作者が語っているようでもある。
エンディングは、「最も遠い銀河2」がこのあと書かれても不思議はない。ただ、最後は急ぎすぎた感がなくもない。
どんでん返しはない。
ブライアン・フリーマントルの奇天烈な面白さは無く、内田百閒のような学びたくなる日本語や言い回しはない。ひたすら先に進めていくストーリーが魅力的とはいえる。
下巻の318ページ目、上段左から2行目、
「美里に近づく」
という文は正しくは
「茜に近づく」
だと思われる。
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上下計1000ページの読み物を読み終えた達成感は無い。どっしりとくる手ごたえ感が無かった。
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それでこれがクラシック音楽とどういう関係があるかというと、無い。
マルタ・アルゲリッチの弾くシューマンのクライスレリアーナが車の中で流れる場面があるだけだ。
おわり