秋のコンサートシーズンが近くなりました。
外国の来日オーケストラばかり聴くのはどうかと今更ながら最近思うようになってきて、ちょっと距離を置いているところです。
芸術の秋がはじまる前に、また例によって昔のコンサートから。
1977年演奏会感想を途中まで書いておりましたのでその続きです。
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1977年11月30日(水)、6:30pm
東京文化会館
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ベルリオーズ/宗教裁判官、序曲
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ブリテン/フランク・ブリッジの主題による変奏曲
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ブラームス/ピアノ協奏曲第2番
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ピアノ、ブルーノ=レオナルド・ゲルバー
ルイ・フレモー 指揮 東京都交響楽団
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それでは当時の感想をそのままどうぞ。
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しかし、東京都響は面白い音を出すオーケストラだ。乾燥したかすれた音で、枯れすすきみたいだ。オーボエとか、フルートなどまで同じような調子なのだ。一概に悪いとは言えないが音色が同一だとすぐ飽きてします。特にベルリオーズなど。
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今日はまず配置が面白かった。いつもトランペットがいるところにホルンがならび(台あり)、向かって右のほうにトランペット、トロンボーン、チューバーがならんでいた。(台なし)
金管はあれぐらい抑えられれば聴きやすい。これはフレモーの指示だろう。
彼の指揮は非常に明快だ。歯切れのいいフレーズは明確に、滑らかなフレーズはオーケストラをなでるように指揮する。また、おそいフレーズは16分音符まで明確に振る。
ただ、このオーケストラにかかっては音色の変化は望むべくもない。
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ブリテンの曲は弦だけの曲だが、ゴミにもならない曲をいかにうまくフレモーが指揮してもどうしようもない。(ブログ注:問題発言か)
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ブラームスの曲はゲルバーのスケールの大きさに圧倒された。迫力のある音でブラームスを弾きまくる。しかし、微妙なニュアンスも大したものだ。そして、第3楽章までの重厚な音楽が第4楽章にきて、はたと軽く明るく飛び跳ねて、春になったような錯覚に襲われた。
それにしても都響はどうしたんだろう。
一例、第3楽章の最後の音、考えられないほど超絶的にピッチがあっていた。そして、第4楽章へピアノが入るタイミング。
フレモーはひょっとしてかなり厳しい指揮者かもしれない。
おわり
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