河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

624‐ ジョン・サザーランド ショー アルフレッド・クラウス ショー 連隊の娘 メト1983.10.01

2008-06-19 00:14:52 | 音楽

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624 ジョン・サザーランド ショー アルフレッド・クラウス ショー 連隊の娘 メト1983.10.01

また昔話に戻ります。

19831984シーズンです。

エイヴリー・フィッシャー・ホールと角を突き合わせた、歩いて20歩の目と鼻の先にあるメトの1983-1984シーズンは926日にトロイアの人々でオープニングをむかえた。

このシーズンはメトができてから100周年。記念のシーズン。

月曜のオープニング・ナイトからこんな感じで始まった。

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1983

9.26ベルリオーズ/トロイアの人々

9.27ドニゼッティ/連隊の娘

9.28ヴェルディ/運命の力

9.29ベルリオーズ/トロイアの人々

9.30プッチーニ/ラ・ボエーム

10.1ヴェルディ/運命の力

101日は土曜日なので、運命の力はマチネー

夜がこれだった。

10.1ドニゼッティ/連隊の娘

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926日からの豪華キャストについては次回にでも書くとして、とにかく101日の夜公演

1983101() 8:00-10:25pm

メトロポリタン・オペラハウス

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ドニゼッティ/連隊の娘

(メト47回目公演)

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Sandro Sequi 演出

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マリー/ジョン・サザーランド

トニオ/アルフレッド・クラウス

ベルケンフィールド公爵夫人/グウィン・コーネル

       (レジーナ・レズニックがキャンセル)

ホルテンシウス/アンドレア・ヴェリス

シュルピス/アラ・バーベリアン

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リチャード・ボニング指揮

メト

アンビリーヴァブル・イヴニング。

出し物のストーリーはほぼ全く関係ない。

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マリー役のジョン・サザーランドが自分の役どころででてきた。

まだ、歌い始めていない。

メト4000人の超絶叫。

嵐のような拍手と絶叫がやまない。

やまなければはじまらない。

でもやまない。

927日公演の布石があったかもしれない、いや、むしろ、メトデビュー以来の見事な活躍を知っている聴衆たちの敬意の見事な表現だろう。

いつやむのだろうか。この超絶叫。

拍手、絶叫、床鳴らし、板叩き。

大変な夜だ。。

サザーランドが長身から下界を睥睨するような雰囲気で第一声を出す。

そのビロードのような柔らかな声。そして正確なスコアの読み。強弱の類を見ない幅。どれもこれも、なにもかもがメトの全聴衆を黙らせる。

土間、ドレスサークル、ファミリーサイクル、オペラハウスの隅々まで、清くてやや太めでシルキーな声が響き渡り、ありとあらゆるものを黙らせる。素晴らしい高音の伸びと安定感。とんでもない歌い手だ。

ウィットにとんだアリアは年齢を忘れさせるキュートさ。ときたま夫君の棒を信頼しきってみるその姿がピュアだ。

そして、だ。

このタイトルロールにぶつけるのはこの人しかいない。超絶ハイC9回を神風のごときすさまじさで歌いきったクラウス。渾身の力を込めて出し切ったトニオ壮絶な表現。

独特な少し鼻にかかったようなそれでいてラテン的透明さを備えたモスグリーンな美しい声、気品そのものといった歌う姿勢。あまりの見事さにのけぞる。

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レズニックはキャンセルとなったが、とにかくこの二人さえそろえばなにも言うことはない。ストーリーなんてどうでもいい。

メトの天井からつるされたシャンデリアが光を少しずつ失いながらその天井にすいこまれるとき、ホールは全くの暗闇となり、序曲の始まる前から別世界に連れ去る。

オーケストラの弦がすごく重みのある音でホールをつつむとき、本当に中世ヨーロッパの雰囲気がありその世界へ浸れば良いのだろう。

金管でもそうなのだが、このオーケストラは全体のバランスがよく、ものすごい強奏といった曲想があるような曲でもないのだがホールが素晴らしくよく鳴る。

このまえのパルジファル(*これは前シーズンの話。別の機会に。)の時に多く感じたが、ステージのセットの奥行きは特筆すべきものであり、さらにステージ席から上まで上下の広がりも大きく立体感がリアル。

このなかで、華やかな衣装を着た人々がまるで中世のごときふるまうその姿をみていると、たとえば、この音楽はたいして興味のあるものではないとか、ポピュラリティーをもつにはいたらない理由がよくわかったとか、そのようなことはどうでもよくなってしまう。

ここには音楽があり、素晴らしい視界がある。ただそれだけでよくなってしまう。オペラは全く現実離れした夢のような世界だ。

聴衆の幸せそうな顔。ここには有り余るものがある。一番印象に残ったことかもしれない。

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