神が去った後でも、レニングラード・フィルは来日を重ねる。
クレイジーな回数であった。
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9.28群馬県民会館
9.29千葉県文化会館
10.1神奈川県民ホール
10.2聖徳学園川並記念講堂
10.4名古屋市民会館
10.5長野県民文化会館
10.6金沢市観光会館
10.7富山市公会堂
10.9神奈川県民ホール
10.10オーチャードホール
10.11オーチャードホール
10.13福岡サンパレスホール
10.14佐賀市文化会館
10.15熊本市民会館
10.16鹿児島県文化センター
10.18下関市民会館
10.19姫路市文化センター
10.20フェスティバルホール
10.21フェスティバルホール
10.22ザ・シンフォニーホール
10.24柏市民文化会館
10.25オーチャードホール
10.26オーチャードホール
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うーーん。
素晴らしい。
日本の箱もの。
どこにいってもド素晴らしいホールがあるのだ。
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約一か月で23回演奏しまくってしまったレニングラード・フィル。
今なら一度の来日で、普通6~10回程度の演奏会だろう。
一回しか演奏しなかった某団体もあった。
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この年のレニングラード・フィルに神はもういない。
ユーリー・テミルカーノフとマリス・ヤンソンスが振り分けた。
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両方の棒を一回ずつ聴いた。
最初はこれ。
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1989年10月11日(水)7:00pm
オーチャードホール
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ショスタコーヴィッチ/祝典序曲
チャイコフスキー/
くるみ割り人形、第2幕全曲
ムソルグスキー/展覧会の絵
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ユーリ・テミルカーノフ指揮
レニングラード・フィル
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断然素晴らしかったのが、ナッツクラッカー。
分厚いサウンドで、バレエ音楽というよりは、ほとんどシンフォニーの世界。
チャイコフスキーの堰を切った流れる音楽がとまらない。
それでも横に流さず、深く切り込んでいくレニングラードの音。
筋金入りのコントラバスはロシアのオーケストラの特徴だが、ブラスを圧倒するこのバスの音はほかのどのオーケストラからも聴くことはできない。
この曲、チャイコフスキーの数ある曲の中でも絶対必聴。
クリスマスの軽い音楽では、決して、ない。
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ショスタコの祝典序曲は、ブラバン的にはこれまた必聴。
なにしろレニングラード・フィルがやる演奏だぜ。これを聴き逃す手はない。
出だしのブラスによる三拍子のファンファーレの音色の光輝くグレーな色彩。
そして二拍子にはいるやいなや、クラリネットのほとんどサーカスのような離れ業。
これ、本当に、指、使ってるの?
唇の運動だけでは?
そして、グリンカのルスランとリュドミラを思い起こす全く乱れぬ弦。唖然。茫然。
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展覧会の絵は、ほぼ、爆発状態。
平然と吹きまくるブラス・セクションはそら恐ろしい。
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テミルカーノフの棒は、以前書いたときと同じような印象。
127 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -1-
128 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -2-
129 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -3-
130 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -4-
131 昔、テミルカーノフはニューヨーク・フィルにデビューした -5-
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