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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

ゴダールと女たち

2011-08-25 17:56:48 | 四方田犬彦
四方田犬彦 2011年8月 講談社現代新書
きのうのつづき。もういっちょ、四方田犬彦。
だいたい、先週末も仕事で出かけるのに、飛行機や電車のなかもヒマだし、夜も遅くまで出歩かなくて(←疑われるけど、これはホントだ)退屈だろうからって、単行本一冊(きのうの「旅の王様」)と文庫二冊をカバンに入れてったんだが、行った先でフラッと入った本屋で、「お、なにこれ、面白そう」なんて新書二冊買っちゃったりするんだから、荷物は重くなる一方である。
私の荷物は私が自分で持つんだからいいとして、さて、この出たばっかりの本。
私は四方田犬彦の書くものが好きなんだけど、映画ってのはどうにも理解できないので(基本的に私が観るのは、2時間退屈しないで、スッとして後には何も残らないエンターテイメントものに限る)、肝心のっていうか本職のっていうかの、映画に関する著述はほとんど読んでない。
なので、この新刊も通り過ぎようかと思ったんだけど、手にとってパラッと1枚めくったとこに、「岡崎京子と一九九〇年代の思い出に」って献辞が目に入ったから、もうそれだけで買った。
あとがきにあたる「結びに」っていうとこの最後のほうに、「わたしはこの小さな書物を、わたしの友人であった一人の漫画家に献げたいと思う。わたしたちは今から二〇年ほど前、ゴダールをめぐってとりとめもないお喋りばかりしていた。」って書いてある。
本書のなかに、二か所ほど(同じもののひとつは帯にもだけど)岡崎京子がチラッと現れる。ジーン・セバーグの似顔絵と、アンナ・カリーナの似顔絵である。うん、それだけで、たまらないな。
ヲカザキは、ゴダールが好きだったんだ? 私ははっきりとは知らなかった。「万事快調」ってタイトルのマンガがあるけど、それってゴダールの映画のタイトルだったんだ、ってのも初めて知ったくらいだし。
で、肝心のなかみのほうは、著者がゴダールについて何か軽いもの(ってのは芸術論を語る大著作を目指すんぢゃなくてって意味なんだろうな)を書いてみたくて、ゴダールの足跡を、もっぱら彼のミューズであった女性たちの物語を通して描き出そうと試みたエッセイってことだそうで。
その女性たちとは、登場する順に、ジーン・セバーグ、アンナ・カリーナ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、ジェーン・フォンダ、アンヌ=マリ・ミエヴィル。
でも、ゴダールの映画、全然観てないから、やっぱ話通じないんだ、私。背伸びしたかった学生のころに、観たのは、たしか「勝手にしやがれ」をレンタルビデオで、それから「右側に気をつけろ」は公開当時(1987年)どっかの映画館を探し出して観た。そのくらい。もうひとつくらい何かビデオで観たかもしれないけど、おぼえちゃいない。

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2 コメント

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Unknown (ほしの(i-Okazaki))
2011-08-30 06:49:48
四方田さんは1993年の著書『ドルズ・ハウスの映画館』で岡崎さんにイラストを描いてもらっています。たぶんふたりでゴダールを見まくって、遅くまで話し込んでとても楽しかったんだと思います。
リンクさせていただきました。よろしくお願いいたします。
ヨモタくん (kanagawa_kun)
2011-08-30 07:43:04
ほしの(i-Okazaki)さん、コメントありがとうございます。
トップページからリンクいただいて光栄です。
ところで、岡崎さんは作品中に「ヨモタくん」というメガネのキャラを登場させたことがあるそうです。
私は「え?あったっけ、そんなの?」って、すぐ思い当りません。
これからボチボチ探します

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