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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

うたかたの日々

2011-02-28 16:39:01 | 岡崎京子
岡崎京子 2003年 宝島社
『CUTiE』1994年8月号~1995年7月号に連載されてたらしいですが、2003年に単行本が出るまで、その存在は知りませんでした。
原作は、ボリス・ヴィアンの小説らしいけど、私は読んだことない。
だいたい私はヴィアンを読んでない。「北京の秋」というのを買ったことがあるが、結局読まないで、どっか押入れに放り込んだままになってるはず。
んで、予備知識なしで、このマンガ読んだときは、アタマんなかクエスチョンマークが浮かび回っちゃいました。
いまだに、そうだって言えば、そうなんだけど。謎めいた話なんで。
22歳の金持ちで何もしていないコランが、美人のクロエと結婚するんだけど、やがてクロエは肺の中に睡蓮が巣食う奇病にかかっちゃう。
コランの友人のシックは、パルトル(これがどんな人物なのかはいまいちわからないが熱狂的なマニアが多い)の著作を集めることに夢中で、すべての金を使ってしまっている。
と、登場人物がみんな不幸になってく話なんだけど、珍しくヲカザキが「あとがき」もなんも書いてないもんだから、いったいどうしてこれをマンガとして描こうと思ったのか謎なんである。

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ユダの山羊

2011-02-26 19:50:05 | 読んだ本
ロバート・B・パーカー/菊池光=訳 昭和62年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
スペンサー・シリーズのつづき、シリーズ第5作。
ストーリーは、ちょっと毛色が違ってて、大富豪からの依頼は、ロンドンで爆弾テロを起こした犯人9人の捜索。ひとり二千五百ドル、全員で二万五千。生死は問わず。
バウンティ・ハンターである。どこでどう探したのか知んないけど、スペンサーのタフさを見込んでの依頼。
最初、引き受けるときにスペンサーは、「あなたのために、その連中を見つけます。(略)しかし、わたしが金のためにやらないことは、金のためにやることより、はるかにたくさんあります」と例によって自分の方法を守ることを宣言する。
でも、結局、テロ組織との戦闘は、考えてるひまもなく、自分の身を守るためにも、激しいものになる。
途中で、相棒のホークを呼び出して、二人でロンドン、コペンハーゲン、アムステルダム、モントリオールと、敵を追って転戦する。(時代はモントリールオリンピックの頃。)
スピーディーな展開は思わず一気に読み進んぢゃって、まるでアクション映画だなって思わされる。探偵ものとしては異色だけど。
きのうの「約束の地」とこれを立て続けに読めば、ま、とりあえずスペンサーシリーズはわかった気になれるな、って思った。すげえ久しぶりに読んだくせに。
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約束の地

2011-02-25 20:29:24 | 読んだ本
ロバート・B・パーカー/菊池光=訳 昭和62年 ハヤカワ・ミステリ文庫版
きのうの谷口ジローの短編集にも「約束の地」ってのがあったんで、それつながり。
ってのは偶然で、ひさしぶりに読み返してみたスペンサー・シリーズのひとつ。
なにか文学賞を受賞したらしく、文庫版は3番目に出版されたようですが、オリジナルの発表順としては、「ゴッドウルフの行方」「誘拐」「失投」に次いで第4作。
第2作で知り合ったスーザンと、事件解決方法(っていうかスペンサーの生き方の方法か)について話し合う、ってスタイルは「失投」で本格的に始まったようなんだが、この本でもういきなり極まっちゃってます。
ふたりの仲は急速にヒートアップして、またそれがゆえに派手に喧嘩もしちゃいます。事件のことよりスペンサーとスーザンのディスカッションのほうがメインみたいに。
事件のほうは、家出した妻の捜索を依頼されて、わりと簡単に見つけちゃうんだけど、それで引き渡しておしまい、ってなんないのが、スペンサーらしいとこ。
それより何より、この作には、以降も主要登場人物のひとりとなる、ホークが登場します。
スペンサーの古くからの知り合いで、タフで、派手なカッコして、スペンサー同様口が減らない、フリーで雇われると人も殺しかねない、“筋肉がピンと張っているような感じ、バネをぐっと縮めていて今にも跳躍しそうな感じを発散している”禿頭で頬骨の高い長身の黒人。
今回偶然に同じトラブルで出くわして、敵味方に分かれての立場になるけど、ホークのスペンサー評は、>「自分でわざわざ人生を複雑にしているんだ、スペンサー。おまえは、いろんなことを考えすぎるよ」と的確です。
それに対するスペンサーの答えは、「それが、おれとおまえが違う理由の一つなんだよ、ホーク」なんだけど。
このあたり、そのすぐ後で、スーザンに「今のこの瞬間、わたしは、あなたを愛している、といって、なんらかの答えを待ってるの」と言われて、「問題はそれほどかんたんじゃないんだ、スーズ」と答えてケンカになっちゃうんで、スペンサーはやっぱ自ら人生を複雑にしているとみて間違いないでしょう。
ちなみに、ケンカして彼女が出てっちゃったあと、スペンサーは泣くわけにはいかないって独り言つと、筋トレをガンガン(150ポンドでプルダウン15分、90ポンドで上腕三頭筋プレス15回、ベンチプレス300ポンド、とかを4セット)、パンチングバッグを本格的にバシバシ叩いて、身体をいじめます。いい考えが浮かばないとき料理をするのと同様、このへんがかっこいいですね。
で、そんなこんなで事件解決に危ない橋を渡る段になって、またもやスーザンから、なんでそんなことをするのか、こわくないのか、そういうのが好きなのかとか問われたときに、スペンサーは「おれという人間は、おれのすることによって決まるんだ」という私の好きな科白を吐いてくれます。
ちなみに悪党に雇われてるホークのほうも、スペンサーを叩き出せと命令されたときに、「おれは自分のやりたいことしかやらない。いわれたとおりには、絶対にやらない」ってカッコよく拒絶します。
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犬を飼う と12の短編

2011-02-24 20:31:39 | マンガ
谷口ジロー選集 2009年 小学館
久住昌之つながりで。
「孤独のグルメ」にハマッたことから、谷口ジローを読みたくなって。
そしたら、かの有名な「犬を飼う」(1991年)は読まなきゃダメだろって、誰に言われるでもなく改めて思ったもんだから、こないだこの短編集を手に入れました。
「犬を飼う」は、“なんか普通に犬を飼ってる日常のヒトコマを、ほわんと描いたもんかなー”なんて漠然と想像してたんだけど、これが大違い。
老犬の最期を看取る、その日々を克明につづってて、けして愉快な話ぢゃないんだけど、静かでいてそれはそれは壮絶なマンガで、グーッと引き込まれる。
収められている13編は以下のとおり。

「犬を飼う」(1991年)
「そして…猫を飼う」(1991年)犬を飼うのつづきで、隣人から頼まれて捨て猫のペルシャ猫を飼うことになる話
「庭のながめ」(1992年)猫を飼うのつづきで、仔猫の話
「三人の日々」(1992年)庭のながめのつづきで、家出してきた親戚の中学一年生を夏休みにあずかる話
「約束の地」(1992年)かつてアタックしたヒマラヤ(で会ったユキヒョウ)をふたたび夢みる話
「海へ還る」(1994年)クジラの墓場の話
「松華樓」(1998年)昭和45年、天井に窓のあるアパートに住むマンガ家をめざす青年の話(これ、前に読んだ記憶があるんだが、いつどこで読んだか忘れてしまった)
「山へ」(2002年)昭和初期、息子のカタキである熊を追う老マタギの話
「凍土の旅人」(2003年)1897年のアラスカ付近で凍土を旅する老人と出会ったジャック・ロンドンの話
「白い荒野」(2003年)アラスカのユーコン河流域を犬ぞりで進むうちに、狼の群れに襲われる話
「貝寄風島」(2004年)昭和33年、両親の離婚に伴い漁村の親戚を訪れた8歳の少年が、近所の子と海に行って沖に流される話
「秘剣残月」(2008年)1899年、金鉱をめぐる争いで亡くなった兄を追ってアラスカにやってきた日本人・剣の達人カミヤ慎之介の話
「百年の系譜」(2009年)明治の終わりから太平洋戦争をまたいで、同じ血統のシェパードを代々飼い続けた家の話

全部で500ページ、読み進むたび引き込まれて止まらなくなり、一気に読んぢゃった。
だんだんと、珍しく感情が昂ぶってきて、最後の「百年の系譜」で、不覚にも泣いてしまった。
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ズミラマ

2011-02-23 19:23:16 | マンガ
泉昌之 1988年 双葉社
1日あいたけど、久住昌之つながりで、「久住昌之文案・泉晴紀画工」による、「泉昌之」の4コママンガ。
ずっと探してて、こないだ手に入れた。
これ、「アクション」に連載されてたんだっけ? 泉昌之を本格的に読み始めたときは「ダンドリくん」が始まってたんだけど、その前かもしれない。
「オニガシラ・オニガシリ兄弟」っていう、着ぐるみみたいなヘンなキャラが、ヒョコターンって意味もなく登場する4コマがあるんだけど。
それが何だったのか、あいまいな記憶しかなくて、でも、それがすごく気になってたんで、ようやく単行本で読めてホッとした。
マンガは、なんかテキトーな感じ。そういうのが不条理とか何とか肯定されてて、あのころ相原コージとか吉田戦車とかがウケてたと思うけど、傾向としては同じかもしれない。
「豪快さん」に似た頑固そうなオヤジが出てきて何ごとにも妙に憤ったりするとこもあるし、「ズミラマン」とか「怒りを表面に表わさないブタイヌ」とか謎のキャラも出てくる。
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