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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

TPP 黒い条約

2013-07-31 21:07:52 | 読んだ本
中野剛志・編 2013年6月 集英社新書
きのうから、政治というか外交というか、強引なつながりで。
TPPについては、無関心と言っちゃあ怒られるんだろうけど、ニュートラルな感じで構えてたら、先日、やっぱ問題あるっしょ、みたいに仕事の場で飛び出してきたんで、んー、もうちょっと真剣に考えないといけないかなーと思った次第。
今さら何をどう学ぶってのも分かんないんだけど、とりあえず新しそうなものから読んでみるかなと思ったところ。
本書を選んだのは、編者が、以前テレビに出てて、フツーぢゃないブチ切れ方をしてたのが印象にあったからってことになるかな。
(このときのフ○テレビの偏向っていうか誘導具合は、反対するひとにとっては腹に据えかねるものあったんだろうな。)
当然、反対論ばっかりだろーなとは思うんだけど、まあ、反対のほうがおもしろいだろって意識はあるよね、どうしても。
実際に読んで思ったのは、TPPについては、関税の問題だけぢゃなくて、非関税障壁なるものについて、企業が相手の国家に対して公然と文句言うって世界に入る、ってことへの危惧だなあ。帯にある「『主権』の投げ売りだ」って言葉が当たってるんだったら問題。
どうなるかわかんないけど、いま私が、やっぱ一番気になるのは、マスコミの態度だよね。
中野氏がテレビ出たときも、なんか貿易だか何だか忘れたけど、一部しかクローズアップしてない数字を採りあげてんの見て激怒してたように、どうにも日本の報道って、全容を伝えようとしないよね、どんな考えに基づいてんのか知らないけど。
権力へのチェック機能とかなんとか言うわりには、官僚のいうとおり、大本営発表のものそのまま流すことにためらいない。
本書のなかで注意をひいたものの一つには、自民党が2012年に掲げたTPPに関する条件。
1.政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
2.自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
3.国民皆保険制度を守る。
4.食の安全安心の基準を守る。
5.国の主権を損なうようなISD条項は合意しない。
6.政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。
それぞれのなかみはいいとして、この6条件がセットだという議連に対して、官僚は1の関税のことに関してしか答弁しない。
そりゃ答えられないことは答えないんだろうけど、問題は新聞が「関税のみが焦点だ」みたいな書き方で伝えたってことのほうにあると思うな、私ゃ。
で、それはいいとして、本書はいろんな角度からTPPとりあげてんだけど、私がいちばんおもしろいと思ったのは、第六章にある文化論みたいなものだったりする。
和をもって貴しとする伝統の日本には、こういう交渉向かないんぢゃないのっていうんだが。
アメリカって国は「自分たちのルールや制度ややり方こそ、普遍的であり、それを世界に広げるべきだ」って考えてくるんだけど、日本は「各国ごとにそれぞれのやり方があり、それを互いに尊重すべきだ、そのほうがそれぞれ現地の人々は幸せだ」って言うべきなんぢゃないのって。まあ、そうだよな、相手は自分たちの利潤の追求のために土俵を作り変えようとしてくるんだから。
グローバルスタンダードに呑み込まれちゃうんぢゃなくて、「翻訳」と「土着化」っていうノウハウも大事にしたほうがいいってのは、そう思うなあ。
第一章 世界の構造変化とアメリカの新たな戦略/中野剛志
第二章 米国主導の「日本改造計画」四半世紀/関岡英之
第三章 国家主権を脅かすISD条項の恐怖/岩月浩二
第四章 TPPは金融サービスが「本丸」だ/東谷暁
第五章 TPPで犠牲になる日本の医療/村上正泰
第六章 日本の良さと強みを破壊するTPP/施光恒
第七章 TPPは国家の拘束衣である/柴山桂太
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プリンシプルのない日本

2013-07-30 17:56:19 | 読んだ本
白洲次郎 平成18年 新潮文庫版
前から気になってたんだけど、こないだ選挙なんてあったもんだからこの機に(?)、その後で、つい最近読んだ本。
白洲次郎さんというのは、どんなひとか詳しくは知らなかったんだが、戦後すぐの時代に、GHQから日本の憲法の案をわたされて、これ訳して政府案にしろって言われて、面くらいながらも仕事してたチームの一員だったらしい。
ほかの翻訳官に「シンボル」の訳を求められて、辞書ひいたら「象徴」と書いてあるって答えたところが、現在の憲法第1条に採用された所以だそうである。
本書に入ってるのは、1950年代に雑誌に寄せたものがほとんどで、最後の2編だけは1969年に書かれたもの。
でも、いま読んでも、日本・日本人について、言ってることは通用するというか、当たってると思うものが多い。
占領下で憲法をそうやっておしつけられた経験もあるから、著者は憲法改正には賛成している。
なかでも面白いのは、参議院を縮小すべきという意見で、「解散の対象になり得ない国会の一部が、衆議院と殆ど同様な権限を持つことは、二院制ということから考えて見て無意味だ」という理由である。
関連して、首相と内閣の大臣の過半数は「国会議員」でなくてはならない、という条文にも反対。参議院議員が首相になって、参議院議員ばっかりで内閣をつくったら、自分たちは6年間身分安泰で、都合のいい結果がでるまで衆議院を何度でも解散するでしょ、っていう理由。(だから改正案は、首相と内閣の過半数は「衆議院議員」とするのがよいと。)
あと、政局もそうなんだけど、それを取り巻くマスコミも含めて、日本人の論争の仕方とかに疑問を呈してるとこ、とても鋭い。
日本の言葉って、アヤとか含みとかがあるせいで、語るひとによっては表現が正確ぢゃなくなる、「いろんな含みのあるような表現をする。その表現に自分が先に酔っちゃうのだ」と指摘している。ついでに、「そういう言葉の魔術に引っ掛かるのが、日本の読者の低級さ」とまで言ってる。
また、一方では、「日本人は一般的に非常に何でも総括論的の筆法がお好きらしい」として、戦争中は八紘一宇とか一億一心とか簡単に何字かで表現しちゃったように、「複雑な事程簡単に片付けてしまいたいらしい」と言っている。
そういったことは、ただ文章表現だけの問題ぢゃなくて、ものの考え方がそうなっちゃってんぢゃないの、って警鐘を鳴らしてる。はっきりした言い方しないから、問題の本質にいかないで、議論が同じとこグルグル空虚にまわっちゃうんだよね、きっと。
政争に関しては、「この大和民族はどうも政治の論争がアッという間に感情問題に急進展して、ヒステリーの女そっちのけの坊主が憎けりゃケサまでにくい論法に行くことがあまりにも多い様に思う」として、活発な論争とガタガタ(辞めろとかなんとか)反対反対と騒ぐのは違うだろと。
国会議員もマスコミも、議会政治というもののプリンシプルがわかってるのかという一節もおもしろい。
「政府与党が過半数を制している議会においては、政府与党の提出する法案が通過成立することは当り前」であって、反対なら反対意見を堂々と議会で述べるのはいいけど、審議拒否するとか引き延ばして成立を阻止しようってのはダメ。
政府与党がよくないことをしようとしてたとしても、それは間接的にその政府を選出した国民の不明であって、政府を批難することはそれらの人々を選出した国民を批難することである。
「国会議員は主権者たる国民の代表であって、代表が主権者を批判してよりものかどうかじっくり考えてもらいたい」とは、さすが憲法をつくったときに現場にいたひとの意見だね。
「いま反対党のあなた方には、政府の提出する法案を阻止する権限は国民から与えられていないのです」ってのは、時代を問わずいつの世でも日本の野党にはよく言っといたほうがいいように思える。
ぢゃあ、嫌な法案とおっちゃったらどうしたらいいのか。次の選挙に勝って多数を制して、その法律を廃止すればよい、と。非常に明快。
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雨でも乗馬

2013-07-29 19:53:27 | 馬が好き
乗馬にいく。
雨模様であるが、屋根ある環境なんでありがたい、行こうかサボろうかなんて迷わなくてすむ。
気温の予想は28度、猛暑ぢゃないのは助かるが、どーせ馬乗ったら私は大汗もん、晴れてくれたほうが、馬洗ったあと乾いてくれていいんだけどな、なんて思いながら出かけてく。

きょうの馬は、栄燐、「えいりん」と読むらしい、私ははじめて。
こういう漢字の馬名の馬は、内国産の乗馬ウマに決まってんだが、はてさて遠野ッコか標茶ッコか、どっちだろって気になったんで、馬房の前のネームプレート見に行く。
ほら、乗ってるときに、東北弁で話しかけるか、北海道弁使うか、扱いが違うからね、生まれによって。
そしたら、中標津産だって、北海道だ。日本スポーツホース種っていうんだけど、それって要するに雑種だと聞いたことがある。
平成15年生まれだから10歳、牝馬。牝馬ってどうなんだろうねえと思いつつ、敷料まみれのシッポの処理に時間をくいながら、馬装して、またがって馬場へ。

雨にぬれるのは地下道へ入るまでのわずかな間だけど、それだってヤだよな、人がいやなら馬もいやだろ。
幸い栄燐は落ち着いたもんで、サクサク進んでく。ただゴム手綱が濡れて滑るよ。(私はたいがい最初は手袋しないで素手で乗る。)
馬場入ったら、常歩。わりと簡単にゆずってくれる、よしよし、わかりやすいの好きだ。

小さめの輪乗りで適当にまわる。回転ふつうにできる、よしよし、乗りやすいの好きだ。
簡単にゆずってくれるので、そこで引っ張りっぱなしになんないように、ラクにすること心掛けて、ゆるーい感じで速歩から駈歩までひととおりやる。20分経過、5分休憩。

手袋(ゴムつきの軍手タイプ)する、これでもう簡単に手綱さらわれないぞ、って馬に宣言する。
そしたら、速歩を少し詰め伸ばししようと思い、最初輪乗りで。左右やったら、蹄跡に出て広いとこでやってみる、やっぱ左右で。
そしたら、駈歩で詰め伸ばし、やっぱ最初輪乗りで、なんとなく反応に問題なければ広いほうに出てって。

隅角をはさんで蹄跡上に横木が置いてあったので、ときどきまたぐ。
最後、駈歩で、ノーマル、伸ばす、詰めるの3速でそれぞれ跨いでみる。
伸ばしたとき、一歩少なくなんない、残念。っていうか直線ぢゃないんで、内回っちゃえばなるんだけど、そうなんないように気をつけてたんだが。
伸ばすの難しいよな。歩度を伸ばすっていうよりも、ただ単に馬がノビちゃってるよ、正直なところ。ウケてる感がなくなって、ただ手綱放しちゃってるだけに近い。次回の反省点としとく。

速歩10分、駈歩10分したとこで、暑いし、おわり。腹帯ひとつゆるめて、適当に常歩したあと、小雨のなか厩舎へ帰る。

手入れしてると、なんかお肌がデリケートな気がする箇所があるので、私にしてはちょっと丁寧に拭いてみる。でも、やりすぎると毛が抜けちゃうので、結局テキトーなとこで終わっちゃうんだけどね。
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深夜勤務

2013-07-25 21:06:19 | 読んだ本
スティーヴン・キング 高畠文夫訳 昭和61年 サンケイ文庫版
何冊か持ってるスティーヴン・キングの文庫、これ、全集の「4」ってなってるけど、出版順だと2番目。(カバー裏に「2・3・5は続刊」って書いてある。)
冒頭に「紹介のことば」ジョン・D・マクドナルド(←読んだことない、私)があって、次にキング自身による「はしがき」がある。
このなかでキングは、なんで気味悪い小説を書くのかと訊かれることにうんざりしながらも、人間って自動車事故を見かけたらスピードを落として様子をのぞいていきたい気持ちを抑えられないものだ、なんて言っている。
まあ、そうなんだけど、私はあまり気持ち悪いものは見たくないねえ。
「地下室の悪夢」
 地下室の掃除の仕事を引き受けたが、光のない地下室では、突然変異したネズミが増殖していた。
 これは、かなり気持ちわるい。
「波が砕ける夜の海辺で」
 海辺でやるかたなく夜を過ごしてる若者たち、彼ら以外の人間はもしかしたら流感でほとんど滅びてしまったのかもしれない世界。
「やつらの出入口」
 金星から帰ってきた宇宙飛行士だが、指が尋常ではなく痒くなった。何かを宇宙から持ち帰ってしまったのかもしれない。
「人間圧搾機」
 クリーニング工場の機械が暴走をはじめ、人が巻き込まれる事故が続発する。はたして何かに呪われているのか。
 これは、わかりやすくて、スピーディーで傑作な短編。
「子取り鬼」
 立て続けに3人の幼いわが子を亡くした男の語る話。子どもにしか見えない「子取り鬼 Boogeyman」のしわざだという。
「灰色のかたまり」
 うちでビールを飲み続けてる親父に命令されてビールを買いにきた少年が語るところによれば、親父の姿は恐ろしいことになっているという。
「戦場」
 殺し屋のジョン・レンショウが仕事に成功して帰宅すると、荷物が送られてきていた。ターゲットであった玩具会社の役員からの報復。
「トラック」
 なぜかすべてのトラックが意志をもって、無人のまま走りまわる。理由の説明なんかなしに、そういう世界になっちゃってて、逆らう人間は轢き殺されちゃう。
 ドタバタだなあ、怖いという感じではない。
「やつらはときどき帰ってくる」
 幼いときに兄を殺されたという暗い過去をひきずってる高校教師。その犯人だった不良たちが、いま自分の目の前に生徒として現れる。
「呪われた村(ジェルサレムズ・ロット)」
 相続したか何かの理由で、急に田舎の村の邸に住むことになった男の書く手紙形式の話。その邸は不吉がられているんだが、どうやら先祖は悪魔を呼び出すことができたような。
 この話はよくわからんなあ。
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ジャスト・ラヴァーズ

2013-07-24 21:02:46 | マンガ
桜沢エリカ 1989年かな? マガジンハウス
昔っからの蔵書をひっくりかえしたりすることが増えてきてんだけど、最近、マンガについて採りあげてねえな、と思った。
さすがに底をついた感もあるんだけどね、私のコレクションなんて、そんな幅が広いもんでもないし。
そう思って、ゴソゴソ探してたら、まだこんなものが出てきた。
うーん、当時、岡崎京子にイレコミはじめてたころだし、雑誌「パズラー」の4コマとかでも馴染んでたから読んでたのかな、桜沢エリカ。
いま読み返すと、なんということもないんだけど、当時は、こーゆーの、女性心理のアヤっていうの?おもしろいと思って読んでたんだよね、きっと。(柴門ふみとかも、そう。)
長いつきあいの恋人よりも、ある日たまたま出会った男のほうに惹かれてっちゃうとか。
彼氏がちゃんといるんだけど、合コンで出会った大学生にフラフラと寄ってきそうになる、女子高生の心理とか。
男なんかもうまっぴらだって思いながら、ひとりファミコン(古っ)に傾倒してるOLとか。
間違い電話から始まった新たな出会いにドキドキしちゃったりとか、夜遊びしてても基本的に信頼してて変に詮索してこない年上の恋人に対する理不尽といっていいようないらだちとか。
まあ、とにかく、そんなのがいっぱいなんだけど。
読んでみりゃあ、そこそこ面白いんだから、困ったもんだ。
「ジャスト・ラヴァーズ」
「くせになるかも」
「ゲームを続けよう」
「悲しき街角」
「ダイヤルMを廻せ」
「とらわれの姫君」
「金の鈴ものがたり」
「遠くで光ってる」
「フレンズ」
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