5年ほど前、ある砂防事業の委託業務で林道の支間約12mのコンクリート橋を設計した。河川左右岸に1本づつのボ-リング調査結果では下部工を直接基礎で計画できる程度の深度に凝灰角礫岩の岩層が確認でき、ここを支持層とする直接基礎の橋台で橋梁詳細設計は難なく済ませた。
その翌年、工事に着手し掘削を始めると「岩が出ない」と発注者から詰問の電話を受けた。現場では、既に下部工の準備を始めている左岸は問題なく、 . . . 本文を読む
正月の二日は人が街に溢れていた。そんな光景を私は嫌いではない。市街地の百貨店を目指し自転車を転がし私は家を出ていった。
母は今日も頭が痛いと云ったきり寝床に入っている。母が風邪で寝込み始めたのは、私が正月休みに入る少し前からである。父が鬼籍に入ってもう三年になる
正月前は私も仕事で忙しかった。休みには文字通り休みたいと思った。独身の身軽さで、どこかへ行こうかと思ったが、何となく母の咳き込む声 . . . 本文を読む
来年度から、ゆとり教育の一貫で学校が週五日制(週休二日制)に移行するが、これはただ無為に休みを与えたのではなく、地域活動や世代間の交流などをしなさいという指導が含まれているという。
しかし、その強制力はなく、誰が何を計画するのか、学校施設を使っていいのか、特に小学生の管理を誰がするのか、負担費用は?、この「休日」の責任は誰にあるのか、成果の評価はどうするのか、などなど課題はまだ山積していると聞 . . . 本文を読む
今シーズンからプロ野球のストライクゾーンが変わる。今回は従前より高めにボール二つ分広くなり、高めをストライクに採ることになり、投手に有利になった。
投手、特に速球派投手には、ストライクゾーンが高めに設定されていれば有利である。しかし、打者を有利にし打撃戦の華やかさを演出するという狙いで、米国野球に習ってここ何年かでストライクゾーンは相当低めになってしまった。これは結果的に相当力量のある投手しか . . . 本文を読む
十五年前、私は新潟県の北陸自動車道の現場にいた。海岸線に橋を造る現場だった。ここで何度か遭遇した雪は凄まじかった。海面から二〇mの場所にいた私達は空から降る雪だけでなく、雪は海から吹き上げられ、上から下からの挟み撃ちになる。寒さの前に恐ろしささえ感じた。
こんな日は作業責任者のオヤジさんも一通りの作業に目途がたつと、諦め顔で私のところに来て「今日は上がりだ」となる。そして宿舎に帰っての風呂が何 . . . 本文を読む