積雪による道路面の凍結防止を目的に、山間部の急カーブ部、急勾配部、橋梁部では塩化物系の凍結防止剤を撒布する。凍結温度を下げ、発熱を期待するからで、融雪パイプの配置より安価だからだ。
平成三年のスパイクタイヤ禁止法の前に比べ、この二〇年間で凍結防止剤の使用量は十倍以上になり、これらは植物の枯渇、植物環境の変化、農地・渓流汚染、コンクリート構造物の劣化、車体の腐食などの塩害が起きている。コンクリート . . . 本文を読む
台風九号で考えたこと
去る平成十九年九月七日の台風九号は私の住む群馬県にも甚大な被害をもたらした。私は仕事柄、台風の後、数渓流に入った。山肌が剥がされ崩落し、県道、林道が崩落し寸断され、橋の高欄が飴のように捻じ曲げられ橋の上には土砂が乗り、道路の擁壁のコンクリートが五〇mも下の谷底に吹っ飛んでいる、直径五〇センチものスギの大木が百本以上折り重なるようにして散らばる姿を目の当たりにした。この倒木 . . . 本文を読む
私のよく行く散髪屋さんの店主(理容師)は前橋市の永明町の出身である。永明町は県道・前橋館林線の松並木から伊勢崎側である。ここは梨と桃の生産で有名で、昔は梨の収穫が終わると、子供達も念願のお買物ができ小学校高学年になると高崎問屋町(当時は西口市街地)に行き、服をあつらえてもらえたそうだ。五〇年以上前の話だ。
農業と一言でいっても土地との関係で何でも作れるものではない。県内で梨や桃で有名なのはほか . . . 本文を読む
少し前、実家の父親が大きな柿の木を切った。毎年多くの実が成っていた木だ。父の言い分はこうだ。寄ってくる害虫を退治しないと実はできないが、農薬の噴霧作業も大変だし、人体に害があると聞いた。そこで、いっそのこと、木を根元から切ったという。
この後、農薬のない昔だって、柿の実は成っていたんだから、今までもいらなかったのではないか、と母と口論になり、父は今までの苦労とその空しさのやり場がないようだ。
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知人からイヌワシがいると言われている上野村の奥に行ったときの話を聞いた。イヌワシは絶滅の危機にある動植物を定めたレッドデータブックに取り上げられているワシである。当然、生息地は禁猟区にはなっている。しかし、その尾根にいく途中で、知人は車を進めると、ドーンという発砲音を聞いた。
小道の先には猟師さんの集団が休憩していた。聞いて見ると、そこは禁猟区ではないという。猟師さんもイヌワシのことは承知して . . . 本文を読む