日々の覚書

MFCオーナーのブログ

虹色の扉

2022年04月02日 17時23分16秒 | 音楽ネタ

もう4月なので結構前だけど、当ブログでイアン・マクドナルドの訃報をお伝えしたが、その一週間程後にプロコル・ハルムのゲイリー・ブルッカーも亡くなっていたらしい。全く知らなかった。イアン・マクドナルドより1歳上。同じく癌を患っていたようだ。特にプロコル・ハルムのファンというのではないが、時々聴きたくなるバンドであり、『ソルティ・ドッグ』は好きなアルバムでもあったので、やはりショックである。謹んでご冥福をお祈り致します。

たとえファンではなくても、いやプロコル・ハルムを知らなくても、「青い影」は誰でも知ってるはずだ。いや、タイトルではピンとこなくても、曲を聴けば「あ、これ知ってる」となるはず。とにかく、ロック・ファンのみならず誰もが知ってるスタンダード・ナンバー、それが「青い影」なのである。こういう、誰もが知ってる名曲を世に残す事が出来ただけでも、ゲイリー・ブルッカーは幸せだったのでは、なんて思ってしまう。誰にでも出来る事ではないしね。そんなプロコル・ハルムだが、以前レコード・コレクターズでプチ特集が組まれた時、とあるライターが「プロコル・ハルムは不思議なバンドである。いわゆるテンポの早い曲はあまりなく、どの曲もゆっくりとしたテンポの曲ばかり。けれどバラードなのかというとそうでもない。不思議なバンドだ」という意味の事を書いていて、なるほどと思った記憶がある。だからなんなのだ、と言われればそれまでだが(苦笑)

とにかく、ゲイリー・ブルッカーまでも逝ってしまった。淋しいものだ。

という訳で、最近買ったCDから(は?)

Physical Deluxe Edition/Olivia Newton-John

永遠の歌姫オリビアの大ヒット作のデラックス・エディションが出た。去年の夏頃出たような気がするのだが、カートに入れておいたら、いつの間にか在庫なし、再入荷も不明になってて、やはり売れたのだろう。今年に入ってから、再び在庫あり状態になったので、ようやく買う事が出来たのであった。

清純派美人カントリー歌手としてブレイクしたオリビアだが、清純派からオトナの歌手へ、カントリーからコンテンポラリー・ポップスへ、の2つの路線変更は『グリース』の後のヒット「愛は魔術師」あたりから始まっていて、「マジック」の大ヒットを経て本作で一応の完成を見たと言っていいだろう。ベスト盤を聴いてるとよく分かるが、「愛は魔術師」の頃から曲調もサウンドも歌唱法も、グッとオトナの雰囲気になっている。ジャケ写のイメージも変わった。安易にセクシー路線に走る事なく、イメージチェンジに成功した訳で、オリビアも凄いがスタッフもなかなかだと思う。特にプロデューサーのジョン・ファーラー。オリビアのカントリー時代からプロデューサーを務めているが、優れたソング・ライターでもあり、「そよ風の誘惑」「たそがれの恋」「マジック」等のオリビアを代表する名曲たちの作者でもある。彼がいなければ、オリビアの成功はなかっただろう。美人の影には男あり、なんである(意味不明)

この『フィジカル』、タイトル曲は全米No.1を10週キープする超特大ヒットだった訳だが、アルバムの方も、なかなか素晴らしい。当時、友人に録音して貰ったのだが、曲も粒よりだし、セクシーではないが肉感的な音や歌にも魅せられ、ほんとよく聴いてた。アダルト路線とはいえ、AORやブラコン系に走ってないのも良い。

今回のデラックス・エディションは、『フィジカル』のリマスターに、「ハート・アタック」「タイド・アップ」といった後にシングル・カットされた曲、「運命のいたずら」他の映画『セカンド・チャンス』の挿入曲等々及び、これらの曲のバージョン違い等も収録されたCD2枚とDVDのセット。毎度の事ながら、バージョン違いってあまり必要ないな(笑) 音を聴く限り、「ハート・アタック」あたりは『フィジカル』と同時期に録音されたもののように感じるが、『セカンド・チャンス』の曲は明らかに違うと思う。デビッド・フォスターのプロデュースだが、いかにも80’sって感じの音だし。『フィジカル』と比べると、凄く時代を感じたりする(笑)

それにしても「フィジカル」ほんと流行ったなぁ。あまりに聴き過ぎてギターソロ(ちなみにスティーブ・ルカサーです)まで覚えてしまったくらい(笑) いまでも口コピ出来るもんね(爆) 

続いては

Exit ...Stage Left/Rush

ラッシュがプログレ・ハードロック・トリオだった時期のライブ盤。1981年発表。当時の邦題は『神話大全』。70年代終わりから80年代初めにかけてのラッシュは、重厚長大でドラマチックなプログレでありながら、ギター中心の血湧き肉躍るハードロックでもあった。芸術性と娯楽性が見事にブレンドされていたのだ。アルバム・ジャケットやタイトルにも、そのアート志向や文学性が反映され、『神話大全』はそんなラッシュのイメージを具現化した名邦題と言える。もちろん名盤である(笑)

実は、僕自身は意外とラッシュは聴いてなくて、この時期では『ムービング・ピクチャーズ』と『神話大全』だけしか聴いてない。けど、どちらも名盤であり、よく聴いてた。「トム・ソーヤー」なんて、今でもめまいがするくらいの名曲と思う。前述したように、超絶技巧のプログレで、そのテクニックに圧倒されているにもかかわらず、何故かコピーしたくなるという大衆性もあり、曲の方も隙なく構築されていながらもメロディアスで、意外と親しみやすく覚えやすい。『神話大全』にも、クイーンみたいに観客が一緒に歌う場面があり、アートとエンタテインメントの共存がラッシュの持ち味だった事が分かる。

あれから時は流れ、名ドラマーであるニール・パートも2年程前に亡くなってしまった(ちなみにニール・パートは、僕が選ぶ“こいつら人間じゃねぇ”ドラマー3人のうちの一人である。あと2人は、スティーブ・ガッドと神保彰)。今でもふとラッシュが聴きたくなる時があり、『ムービング・ピクチャーズ』しか手元になかったので、最近『神話大全』を買った訳だが、聴いてると、ラッシュに熱中してた頃を思い出してしまう。若かったな、あの頃は。そして、やっぱりラッシュは凄い。

The world is the world is 
Love and life are deep 
Maybe as his eyes are wide


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