ベランダ越しの雨上がりの明るい夕方。
仕事の片手間に基地内のカレッジで数学のコースを取っているダニー。
始めたばかりの頃、家でやっていた宿題をチラ見したあたしが「あー、これやったやった。まるで意味不明だったけどまだ覚えてるわ」みたいなコメントをしたのよ。
大した金勘定も出来ない嫁が高校で済ませた内容を、自分が今カレッジで学んでいるという事実を突きつけられたのがショックだったんだと思うわ。
授業が進む毎「コレやった?じゃコレは?」といちいち見せに来て確認を取るのよ。
でも、あっという間に追いつかれて今じゃ意味不明なグルグル曲線とマニアックな電卓を駆使して勉強しているダニーが果物片手に台所のあたしに寄って来て言ったの。
「僕はこのオレンジがどれくらいのスピードで投げられたらどんな弧を描いてどの辺りに着地するのか事前に算出することができるんだよ」
「・・・」
「すごいと思わない?」
いいえ、まったく。
外があまりにも気持ちが良かったので、テーブルを移動させた夕飯
・生春巻き
以上
ごっちー
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