現在は極端な円安で、どこかでこの異常な為替レートは崩れる。
夏に向かって、もう一度ドル安の局面が現れ1ドル90円程度に下落するであろうが、マーケットは往々にしてオーバーシュートするので80円になってもおかしくない。
本日、日経ホールで開かれた「日経シニア・ライフ・シンポジウム」で、榊原英資教授は、こう言い切った。
対ドルとの購買力平価においても、過去10年アメリカの物価上昇は年率2.5%だが日本は0%で、これを考えても30%もドルは減価している。
大きく開いていた金利差が、アメリカの場合、サブプライム問題や経済不況回避策などの為に大幅に金利が引き下げられており、更なる引き下げによって1%台にまで下落すると予想されるので、殆ど、金利差がなくなってしまう。
そして、更に、現状では、政府が為替介入出来ない状態に陥っている。
これらの要因によって、今後円安局面に入ることは有り得ないと思われる。
日本の政局不安定が、円安要因だとする見解もあるが、誰も日本の政治事情など考えていないし信頼もしていない。
それよりも、アメリカ経済が不況局面に突入していることは間違いなく、実質的に金融崩壊に近い状態で大きく揺れており、夏にもう一度更にダウンする心配があるので、更に円高が進行する、と言うのである。
ヨーロッパの場合は、インフレ不安があるため金利を引き下げられないので、対円に対してユーロが異常に高くなっているが、英国は既に金利を引き下げる方向に行っており、このような為替レートは何時までも続かないであろう、とも言う。
ただし、為替レートの予測などは無理で、これは現時点で言えることであって、事情が変われば為替レートも変わるので、毎日為替予測を変えている。夏になって1ドルが90円に下落しなくても榊原の奴と言わないで欲しいと釘を刺す。
確かに、ミスター円と言われて外為のエキスパートである筈の榊原先生の為替予測が当たったためしは、これまで、殆どない(?)ような気がする。
株については、08/3期が企業業績のピークで、来年は減益となるので、下落する。
世界経済の更なる悪化も考えられるので、円高株安が当分進行するであろう。
ただし、シンガポールのSWFなどは、適当に下がれば日本株買いに向かうと言っており、日本株への投資は好機だと言う。
興味深いのは、シニア・ライフに関するシンポジウムなので株投資について語り、自分はやっていないが、奥方の株投資に指南をしており、株が下落している時こそ、株を買う好機だと言う。
絶対に潰れない一部上場の優良企業の株を、下落局面で下落の状況を見極めて買うのが一番良い。
それに、売るだけ買うだけだと多くのリターンを期待できないので、売り買いを繰り返さないとダメである、と言う。
ところで、投資に対するリターンだが、ハートフォード生命保険やフィデリティの報告では、日本株への投資は最低で、次ぎに悪いのが日本の債権だが、いずれにしろ殆ど利益が上がっておらず、外国株式などミックスした分散投資でやっとそれなりの益が出ていると言う状態のようである。
株でも為替でも、上がり始めたり下がり始めたりした時に、皆より少し早く行動を取るべきで、皆が動き始めたらもうピークに達していてすぐ反転するので遅い。日経の記事になったら、もう遅いと言うことである。
1997年のタイの為替暴落の時、ソロスに仕掛けたのかと聞いたら、1年前にバーツを売ったと言っていたと言うのだが、とにかく、日本のメディアの情報に頼っていてはダメなのである。
ところで、余談だが、何時も思うことは、誰でも経済生活を送っているので、経済学が非常に易しい学問で誰でも理解できると言う幻想を持っていることである。
これは、大いなる誤解で、経済学は、高邁な理論物理学等と同じ様に、いくら勉強しても中々理解出来ない程難しい学問で、サルでも分かる経済学だとか、1週間早分かり経済学だとかと言ったいい加減な本が店頭に並ぶと、これが売れると言うから不思議である。
経営学も全く同じで、早い話、「不良債権の処理」と言う言葉だが、これを正しくと言わないまでも理解出来ている人は非常に少なく、したがって、毎日の日経の記事を理解する為にも相当の勉強と知識が必要である筈なのに、分かったつもりで読んでいる場合が、非常に多いと言うことである。
さて、会場で、日経社員が、先月発刊された日経ヴェリタスのサンプルを配って宣伝に努めていたが、果たして役に立つのかどうか。
私など、毎日の日経と毎週の日経ビジネス、それに、ネットの日経ネットPLUSを読むだけでも大変なのに、日経は、日経BPも含めてムヤミヤタラに紙媒体の新聞や雑誌を発刊しすぎると思う。
日経は、一番IT化の波に遅れている出版社だと言う気がするのだが、どうであろうか。
(追記)椿は、月の輪。
夏に向かって、もう一度ドル安の局面が現れ1ドル90円程度に下落するであろうが、マーケットは往々にしてオーバーシュートするので80円になってもおかしくない。
本日、日経ホールで開かれた「日経シニア・ライフ・シンポジウム」で、榊原英資教授は、こう言い切った。
対ドルとの購買力平価においても、過去10年アメリカの物価上昇は年率2.5%だが日本は0%で、これを考えても30%もドルは減価している。
大きく開いていた金利差が、アメリカの場合、サブプライム問題や経済不況回避策などの為に大幅に金利が引き下げられており、更なる引き下げによって1%台にまで下落すると予想されるので、殆ど、金利差がなくなってしまう。
そして、更に、現状では、政府が為替介入出来ない状態に陥っている。
これらの要因によって、今後円安局面に入ることは有り得ないと思われる。
日本の政局不安定が、円安要因だとする見解もあるが、誰も日本の政治事情など考えていないし信頼もしていない。
それよりも、アメリカ経済が不況局面に突入していることは間違いなく、実質的に金融崩壊に近い状態で大きく揺れており、夏にもう一度更にダウンする心配があるので、更に円高が進行する、と言うのである。
ヨーロッパの場合は、インフレ不安があるため金利を引き下げられないので、対円に対してユーロが異常に高くなっているが、英国は既に金利を引き下げる方向に行っており、このような為替レートは何時までも続かないであろう、とも言う。
ただし、為替レートの予測などは無理で、これは現時点で言えることであって、事情が変われば為替レートも変わるので、毎日為替予測を変えている。夏になって1ドルが90円に下落しなくても榊原の奴と言わないで欲しいと釘を刺す。
確かに、ミスター円と言われて外為のエキスパートである筈の榊原先生の為替予測が当たったためしは、これまで、殆どない(?)ような気がする。
株については、08/3期が企業業績のピークで、来年は減益となるので、下落する。
世界経済の更なる悪化も考えられるので、円高株安が当分進行するであろう。
ただし、シンガポールのSWFなどは、適当に下がれば日本株買いに向かうと言っており、日本株への投資は好機だと言う。
興味深いのは、シニア・ライフに関するシンポジウムなので株投資について語り、自分はやっていないが、奥方の株投資に指南をしており、株が下落している時こそ、株を買う好機だと言う。
絶対に潰れない一部上場の優良企業の株を、下落局面で下落の状況を見極めて買うのが一番良い。
それに、売るだけ買うだけだと多くのリターンを期待できないので、売り買いを繰り返さないとダメである、と言う。
ところで、投資に対するリターンだが、ハートフォード生命保険やフィデリティの報告では、日本株への投資は最低で、次ぎに悪いのが日本の債権だが、いずれにしろ殆ど利益が上がっておらず、外国株式などミックスした分散投資でやっとそれなりの益が出ていると言う状態のようである。
株でも為替でも、上がり始めたり下がり始めたりした時に、皆より少し早く行動を取るべきで、皆が動き始めたらもうピークに達していてすぐ反転するので遅い。日経の記事になったら、もう遅いと言うことである。
1997年のタイの為替暴落の時、ソロスに仕掛けたのかと聞いたら、1年前にバーツを売ったと言っていたと言うのだが、とにかく、日本のメディアの情報に頼っていてはダメなのである。
ところで、余談だが、何時も思うことは、誰でも経済生活を送っているので、経済学が非常に易しい学問で誰でも理解できると言う幻想を持っていることである。
これは、大いなる誤解で、経済学は、高邁な理論物理学等と同じ様に、いくら勉強しても中々理解出来ない程難しい学問で、サルでも分かる経済学だとか、1週間早分かり経済学だとかと言ったいい加減な本が店頭に並ぶと、これが売れると言うから不思議である。
経営学も全く同じで、早い話、「不良債権の処理」と言う言葉だが、これを正しくと言わないまでも理解出来ている人は非常に少なく、したがって、毎日の日経の記事を理解する為にも相当の勉強と知識が必要である筈なのに、分かったつもりで読んでいる場合が、非常に多いと言うことである。
さて、会場で、日経社員が、先月発刊された日経ヴェリタスのサンプルを配って宣伝に努めていたが、果たして役に立つのかどうか。
私など、毎日の日経と毎週の日経ビジネス、それに、ネットの日経ネットPLUSを読むだけでも大変なのに、日経は、日経BPも含めてムヤミヤタラに紙媒体の新聞や雑誌を発刊しすぎると思う。
日経は、一番IT化の波に遅れている出版社だと言う気がするのだが、どうであろうか。
(追記)椿は、月の輪。