熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

壽初春大歌舞伎・・・歌舞伎座

2017年01月05日 | 観劇・文楽・歌舞伎
   一日、通して歌舞伎座で、初春大歌舞伎を鑑賞した。
   かなり充実した演目が並んでいたので、楽しませてもらったが、年末からの風邪が残っていて、結構、エネルギーが必要であった。
   私は、昼の部の「沼津」と、夜の部の「井伊大老」を観たくて出かけたのだが、期待に違わず、素晴らしい舞台であった。

   「沼津」は、吉右衛門の呉服屋十兵衛、歌六の雲助平作、雀右衛門のお米の舞台は、2010年の秀山祭九月大歌舞伎で観ており、その再現であり、決定版ともいうべき素晴らしい舞台であった。
   雀右衛門の水も滴るような女らしい魅力的なお米は、勿論のこと、吉右衛門と歌六の何とも言えない芸を超えた人間味の滲み出た命の交感とも言うべき至芸の凄さは格別であった。
   先回、国立劇場で、坂田藤十郎の十兵衛に、翫雀の老父・平作、扇雀のお米と言う成駒屋兄弟との親子の舞台で、親子逆転で、父が息子に恋をすると言う考えられないような舞台ながら、それが、殆ど違和感なく見せるた凄い舞台も見ている。
   伊賀越道中双六の中でも、この「沼津」は、「岡崎」と並んで、屈指の素晴らしい舞台であり、いつ観ても感動し、役者に人を得れば、何重にも楽しめる。

   「井伊大老」を最初に観たのは、ずっと以前で、井伊大老が吉右衛門で、お静の方が最晩年の歌右衛門であったので、強烈に印象に残っている。
   それに、これまで、吉右衛門の井伊大老で、お静の方が魁春と雀右衛門で2回観ており、私の井伊大老のイメージは、吉右衛門であった。
   今回、この井伊大老を演じたのは幸四郎で、お静の方は玉三郎と言う豪華キャストで、またまた、実に素晴らしい「井伊大老」の舞台が演出された。
   それに、仙英禅師を演じた歌六が、「沼津」の平作に劣らぬ渋い素晴らしい芸を魅せて感動的であった。
   
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