ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

みんなでTTRレポ・4

2008年05月02日 | 大会レポート

0502_kamosawa04 【早くから皆さん待機して下さった。エイド間の連絡もバッチリ】

《第6CP 鴨沢 11:44》

鴨沢グランド方面の灯りは雨・霧に邪魔され、見えない。道路に出てしばらく進むとogamaruchanがニコンを構えて出迎えて下さった。皆さんの様子を伺いながら併走。やがて橋の向こうに煌々と不夜城現る。今回、誰が名付けたか(tamaさん?)「鴨沢本店食堂」到着。大勢の仲間が迎えてくれる。ハーフの部でゴールしたゆぅさん、先行していたのまダッシュさん、ペターくん、マカニ・トモさん、かどきちさんもまだ後半のスタートを切っていない。みんな温かなもてなしに腰をあげられないのだろう。おや、早出のげんぼさんも。寒さにヤラレタ模様。ここでリタイヤという。やめると口にするのも本当に勇気がいります。自分の力って本当の所は不明だけど、心とカラダのバランスで行けるか否かは実はよくわかる。残念で残念で仕方ないはずだけど、はいそうですかと続けられる距離と状況ではない。お疲れさん。
0502_kamosawa02 さて、まかないおばさんと化したハリマネがクルクルと立ち働いている。トン汁くれ~、もう一杯くれ~、カップラーメンくれ~、お汁粉くれ~、あんぱんくれ~、チョコレートくれ~。それにしてもよく入る。ウルトラマラソンやロングのトライアスロン、これまでのTTRでもこんなに食べたことはない。決してない。食欲モリモリ。とにかく旨い!
0502_kamosawa00 貪り喰らっている最中にのまダッシュさん、ペターくん、マカニ・トモさん、かどきちさん・・・順に後半戦に向けて旅立っていく。
フルマラソンの後だからと一応ハーフの予定だと言っていたポカラさん、一緒に行こうよぉと誘いをかける。どうしようか・・と言いつつ既に顔は笑っているぞ。もう一押しでこの手に落ちた。よき伴侶を得て、これで夜の仏舎利塔も物の怪の道も恐くない。
40分もの休足のあと、盛大な見送りを受けながらポカラさんと夜の山に入る。0502_kamosawa05
ここ鴨沢グランドから大寺山への急登と玉川キャンプ場から三頭山への登り。大きな登りはあとこれだけだ。が、これがすでに12時間以上を経過した体にはきついのだ。気を引き締めてスタート。
夜の山中に忽然と現れる巨大な仏舎利塔は相も変わらず不気味。しかし、2年前の「ひとりTTR」の時の怖さは微塵もない。金風呂へ下る途中のうち捨てられた青いトラック(毎度ゾッとさせられる)も今年は写真撮影してやった。↓0502_track
自動販売機給水も一応ちょっとしてみて、玉川キャンプ場へ。
0502_juce 今年は天候も悪いしキャンプ客はゼロ。昨年は怪しげな大音量が鳴り響いていたが(怪しいロックコンサート)、今年は人の気配もなくシーンと静まりかえっている。二人の呼吸の音だけ。林道からやがてつづら折れの作業道へ。雨もいつの間にかあがり、空を見上げると木々の間からは星の瞬きが。一気に1000mの上り、一気にやっつけてしまった方がいい。昨年はマコトさんに引っ張ってもらったが、今年はハリ天がポカラさんを引っ張る形。何せ無理矢理鴨沢から連れ出してしまったからちょびっと責任がある、のだ。苦しそうな息づかいが続いているが、つかず離れずポカラさんも頑張る。
やがて三頭山中央峰到着。0502_mitousan

《第7CP 三頭山山頂 15:58》

かなりへたりこみたい所だけど、とりあえず避難小屋まで下ってハンドライトの電池交換。これからは時々上りもあるけど、おおむね下り基調。意志さえしっかりしていれば何とか走れるはずだ。誰かに追いつくだろうか。きっと追いつくはずだよね、などとお気楽に話をしながらコツコツと前を目指す。赤い下弦の月が昇りだした。空はいつの間にか快晴だ。

しかし、さらに下って行くと再び小雨、さらに霧が濃くなってきた。LEDの灯りは乱反射して見にくい。ハンドライトが頼り。もう二人とも無言。割とフラットで走れる区間が続く笹尾根。土俵岳を越え日原峠。山岳耐久レース24.7km地点の表示あり。ハセツネ第1関門の浅間峠まであと2.5km。0502_uenohara
しばらく下ると久々のライト。かどさんが体調不良のため浅間峠でリタイアとのこと。栄えあるTTR第1回大会のたった11名しかいなかった完走者の一人であり、今回の立案者のかどきちさんのリタイアは何とも残念。しかしこの山ランは全て自己責任。何かあってからでは遅い。勇気ある撤退には大きな拍手なのだ。「あ~、ヤマミチエイドに寄れないのが残念」って本当に悔しそうでした。
「頑張って」との声に押されてポカラさんと二人勢いづく。何だか調子が出てきた。が、こんなに下るかなぁ、何かおかしいかなぁ。二人とも少々首をかしげつつ勢い止まらず、その時遙か下の方に再び光が見えてきた。おぉ、先行する誰かに追いついたぞ。ライトを振りながらさらにスピードアップするハリ天。・・・と、はっきりと視界に飛び込んできた灯りは・・・街灯。山の中に、しかもこのコース途中に街灯なんてあるわけないでしょっ!
「上野原町」の看板に呆然と立ち尽くす二人。上り返さねばならないことは自明の理。なんで、どこで間違えたのか。いくら霧が濃かったとはいえ、何度も何度も走っている直線路のはず。あまりの凡ミスにむかついたハリ天、無駄だとわかっていながら短距離レースモードで登り返す。まるで絶好調時の勢い。コース復帰地点はやはり「日原峠」だった。0502_hihara
自分で間違えたくせに自分的には許せないミスだと、頭の中で出口のない堂々巡り。一気に疲労感に覆われる。足に来てしまったというポカラさんを待つ間、今度は急激に体が冷えだした。ポカラさんもミスコースのショックで一気に動けなくなってしまい、復活したら追いかけるので先に行ってくれと。鴨沢から無理に後半戦もと誘ってしまった都合上、心苦しかったが寒さに負けて、申し訳ない・・・一人で先に進むことに。ポカラさん、ごめん。
それまでハリ天が引っ張る形で進んできたけど、阿吽の呼吸が彼との間には存在していた。前半から付かず離れず。ずっと続いていたこの日の形が崩れた途端、ハリ天の足にも急激に萎えがやって来てしまった。
何とか浅間峠は止まらず進んだものの、あと3kmとなった三国山・ヤマミチエイド(別名・笹尾根食堂)までの距離がなかなか縮まらない。もう走っているとは言えない、歩きだとしても遅いペース。あたりもすっかり明るくなってきてしまった。こんな所で夜明けを迎えるとはスタート時には思いも寄らぬこと。数度のアップダウンをやり過ごし、ようやく辿り着いたヤマミチエイド。かすかなクマ鈴の音にテントから飛び出して来たヤマミチさん。息子さんも「おはようございます」と顔を覗かせてくれた。パパにお付き合いありがとう!
何事もなかったかのように平然と「さぁ、ハリ天さん、何を召し上がります」
ここを目指してやってきたのだ。答えは「全部、いただきます!」
温かなお茶をついでもらい、その間に豚汁を小分けにして、バーナーに点火。お茶を飲みきるとタッパーに移してあったフルーツ缶詰たっぷり。うまい、うまい、うまい。今年もうまい。
食べ終わると同時に今度は豚汁が目の前に。うまい、うまい、うまい。こたえられないうまさ。
うまい、うまいと豚汁を貪っている間に、今度はぜんざいを温めてくれていて、お次はお餅入りぜんざい。〆はもう一杯のお茶。
渋味→酸味→塩味→甘味→渋味。絶妙。命生還。0428_yamamichiaid
食べながら、あれこれおしゃべりも。これで気も随分紛れてくる。すでに3時間前にのまダッシュさん、2時間半前にペターさん、マカニ・トモさんが出発しているとも聞いて、その差に呆然。これでほぼ最後までの一人旅も決まったようなもの。すっかり明るくなった午前6時。30分近くも滞在したヤマミチエイドを後にする。下り口まで見送ってくれ「気をつけて、無理をしないで」との声が優しく後押し。ハリ天はこの時に湧き上がっていた感謝の気持ちをどう伝えればいいのか・・・。後ろを振り向くことは出来ず、そう、とにかく安全にゴールすることだけが決定事項となった。
体にエネルギーは充填された。が、足は動かない。何だこりゃ、だ。よれよれで醍醐丸。


さらにつづく。あと1回かな?お付き合いも長くなります。

【本日のトレーニング】
・non.

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ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント
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