窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

「Tokyoディープ」のディープって何だ?-第104回YMS

2019年02月26日 | YMS情報


  2月20日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第104回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。

  今回の講師はNHKの紀行・情報番組「Tokyoディープ」のプロデューサーである、高山和弘様。地域が紡ぐ歴史、歴史が作る地域、地域と歴史を経緯として織られる文化。それをテレビ番組はどのように掘り起こし、伝えるのか…。その様な切り口から、文字通り「”TOKYOディープ!”が見たYOKOHAMA」と題し、お話しいただきました。



  生憎僕が参加できなかったため、以下参加された皆様からのご感想を紹介したいと思います。

1.「テレビ番組作成者が考えていることどころか、「Tokyoディープ」という番組自体を知らなかったので、すべてが新鮮なセミナーでした。高山先生はプロデューサーといいう立場で、番組制作全体に責任があるのに、仕事をとても楽しまれている様子が印象的でした。番組としては知られざる庶民の視点からの街の「歴史」を切り口にして、ディープな物語とすることを狙いとしているとのことでした。制作を重ねる中で、制作者としても視聴者からの反響としても、「地図」とその表現のありかたに興味を持つようになったという話は、単なるグーグル地図では味わえない、ディープな世界だと思いました。

「Yokohama」(野毛と横浜駅周辺)や「シン・ヨコハマ」も出張編として番組に取り上げられています。「大岡川」などはYMSとのつながりもあり、違う意味でディープな横浜であって、NHKで報道していただきたいテーマです。地図としても、鎌倉に向かう分水陵もあり、以外で面白いテーマでしょう。江戸幕府よりもはるかに「歴史」的な鎌倉時代までディープに掘り下げることができそうです。

このような貴重な地域情報の映像が、インターネットでは一部分しか配信されていないとのことです。地域の図書館にDVDを寄贈していただけば、NHKを見直す人も増えるのではないでしょうか。」

2.「昨日のセミナーも大変興味深い内容でした。特に「麻布が大使館の街」「築地が学校発祥の地」になったのは、横浜があったから!という件でした。

麻布については、開国後、ハリスが善福寺にアメリカ大使館を置いたことから始まるそうです。なぜ善福寺かというと、1.江戸城の近くには置きたくない、2.武家屋敷では攘夷があるので危険 3.横浜港と江戸城の間にあって、貿易がしやすかったからだそうです。

築地は、外国人居留地があり、遊郭も作って、横浜の貿易商人が移動してくるかも⁈と期待していたのですが、やはり攘夷の危険や、まず政権が安定していなかった、そして横浜で商売が成り立っていたので、移動するメリットがなかったことから、移動も少なく空振りになってしまったそうです。そこで空いてしまったところに教会が建てられ、そこからミッション系の学校が出来てきたそうです。築地は横浜より10年遅れてしまったそうです。

ちょっと前後を覚えていないのですが(スイマセン)、「攘夷と遊郭が横浜を作った!」とか野毛は「何かが欠けている人が集まる街⁈」というフレーズにぐっときました。」

3.「30分番組のために3ヶ月もの丁寧な調査、制作をされるご苦労を感じ取ることができ、勉強になりました。歴史の中で避けては通れない問題がそれぞれの街に跡を残し、なるべくして変遷していったことがこちらに伝わりました。

個人的に番組途中でしばしば出てくる歴史マップがとてもインパクトがありました。」

4.「Tokyoディープが見たYOKOHAMA。

今回のセミナーで驚嘆したのは何よりその取材力です。プロデューサー(高山さん)が興味を持った内容をディレクターと呼ばれる方々がその街を歩き回り、興味を持ったものを深堀していく・・・

深堀のために色々な方々に会い様々な情報を仕入れていく

例えば自由が丘という地名は誰かが勝手に決めて、それを郵便などでも勝手に使い、それが既得権益のように名前が追認されていったなど、今ではあり得ないことが起きていたこと、
その歴史を取材を通じて掘り下げることは大変な労力が必要なのだと。

実際に30分の番組を作るのに3カ月を要するとのこと、どれだけの労力を費やしているのだろうとプロの仕事に驚愕した限りです。」


過去のセミナーレポートはこちら

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
コメント
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