窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

【筆跡診断】企業内セミナーにてお話しさせていただきました。

2020年09月29日 | 筆跡心理関係


 9月29日、株式会社マコトインベストメンツ様の社内セミナーにて、筆跡診断入門についてお話しさせていただきました。セミナーはオフィスでの座談会的な雰囲気にZOOMを併用しての形式で行われました。

【内容】
Ⅰ.筆跡診断とは
Ⅱ.筆跡診断入門
Ⅲ.筆跡診断の実際
Ⅳ.手書きの効用

 前回のオンラインセミナーでの経験を踏まえ、今回は皆さんにやっていただく体験ワークに重点を置きました。オフィスでは実物を見ながら直に質疑ができる環境でしたので、教室形式の時より踏み込んだ判断の仕方等をお話しできたかと思います。



 「筆跡を変えることで性格は変えられるのか?」これは普段から最も多く頂くご質問ですが、今回はその他にも「直したくなるほど自分の字が嫌に思えることがあるのは何故なのか?」、「人の字を見て嫌だなと感じるというのにはどのような意味があるのか?」など、手書き文字そのものに対して深い関心を寄せられたご質問が多かったように思います。また、筆跡診断と性格テストとの融合など今後の研究に対する示唆もいただき、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。楽しんでいただけましたら、嬉しく思います。



 以下、受講された方からのご感想をご紹介させていただきます。

「本日は貴重なお話をして頂きありがとうございました。このようなお話をお聞きするのは初めてでしたので、非常に新鮮でした。人の文字を見て人は何となく書いた人を想像したりするので、それが体系的に書いた文字の部分部分に注目することで紐解けているのは驚きました。勉強になりました。デザイン思考などでは人をすごく観察して洞察するように筆跡診断は人の書いた文字をすごく観察して洞察するように思えて何かしら共通点も感じました。今後も宜しくお願いします」

「筆跡診断についてお教えくださり、ありがとうございました。初めて伺う内容ばかりで、大変興味深いお話しでした。特に具体的な例をお見せいただいたことはよかったです。また、漢字の特徴について実践的に学んだ後、実際に診断する体験もでき、短時間でたくさんの学びがありました。もっと知りたいと思いました!」

「本日はありがとうございました。入門編という事でしたが、非常に興味が湧きました。今後の業務の中で活用出来ると感じました。機会があれば今後もお聞かせ頂ければ幸いです。完全な習得は難しいと思いますが、色々ご相談できればと思います。ありがとうございました」

「とても面白く、興味深く拝聴しました。占いのように、ちょっとした『楽しめるもの』面だけでなく自分自身を見つめ直したり、現状を把握するカウンセリング要素があると実践を通して学び深い分野であると思いました。例も沢山あり、90分とてもあっという間でした。ありがとうございました」

「本日は貴重な講座をありがとうございます。大変興味深いもので,先生のお話もわかりやすく,90分があっという間でした。もっと詳しく知りたいと思いましたので,個人的に調べてみようと思います。本当にありがとうございました」

「昔、工場技術者の面接官をしていた時期があった。理工系の学生で、採用の合否は、理学、工学の何を勉強してきたかでなく、入社して仕事がチームワークで出来る人かを主に面談を通して判断していた。その時、今回受講した筆跡診断の知識があれば、もう少し角度を変えて面談が出来たかなと思った次第。今後入社面談等の機会あれば筆跡診断をもう少し勉強して、参考にしていきたいと思った」

「この度は貴重な体験ありがとうございました。筆跡診断が時には、直接会った印象よりも元の姿を浮き彫りにするのは聞いていて凄いなと思いました。筆跡自体に長年の癖が付いていてその部分がより本質に近いのかなと考えました。筆跡診断と筆跡診断が別物だということも初めて聞いたことでした。またの機会があれば、もっと深堀部分も聞ければ幸いです。」

 お招きいただきありがとうございました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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D.Matsumoto博士の微表情分析入門セミナーを受講しました

2020年09月26日 | 表情分析


 9月26日、空気を読むを科学する研究所主催、表情分析の第一人者であるD.Matsumoto博士の微表情分析イントロダクションセミナーをオンラインで受講しました。これもZOOMの恩恵、日米を結んでMatsumoto博士の講演を拝聴できる貴重な機会でした。

 講演は質疑応答形式で行われました。以下にその要点をまとめさせていただきます。

Q.表情を観察することは、声や身体など他のボディーランゲージに比べ、どんな点で優れているか?

 非言語の分野は、それぞれのチャネルがバラバラに研究されている。しかしながら、本来非言語によるコミュニケーションは包括的なものである(Matsumoto博士はこれをトータル・コミュニケーション・パッケージ:TCPと呼んでいる)。それでも近年は複数のチャネルを研究する動きが増えており、特に嘘をついている場合の各チャネルの貢献度は、

・顔:70%
・声・ジェスチャー:それぞれ10%
・その他:10%

という研究結果が出ている。このように、非言語コミュニケーションにおける表情の貢献度は非常に高い。但し、表情が全てでないということを認識しておく必要がある。

Q.万国共通の表情にはどんな種類があるか?

 人種、性別、年齢、文化を超え普遍的とされる表情は7つある(悲しみ、幸福、怒り、軽蔑、嫌悪、恐怖、驚き)。これ以外に、準普遍的とされる表情に、羞恥、恥、罪悪感、畏れ、誇りなどがある。7つの普遍的表情が顔のみであるのに対し、準普遍的表情には顔以外の要素が加わる。これは進化論的な考え方から説明できる。即ち、人間はコミュニケーションを取るにあたり、近くで読み取れる感情表現と遠くからでも読み取れる感情表現が必要だったはずであり、普遍的表情は前者に、準普遍的表情は後者にあたると考えられる。

 7つの普遍的表情は、7つの感情しか表現できないという意味ではない。例えば“angry(怒り)”にも”furious(激怒)”、 “annoyed(イライラした)”、“indignant(憤慨する)”など、シノニム(同義語)が数多くある。7つの基本感情はこれらの感情の範囲を代表的に表しているのである。

Q.万国共通の表情を支持する研究と指示しない研究があるが、こうした研究結果の違いはなぜ生じるのか?

 基本感情表情の普遍性を主張したエクマン理論は、感情心理学の世界で概ね70%支持されている。数多くの批判もあるが、その批判の内容を精査する必要がある。普遍的表情の研究には、

① 自然に顔に出せる状況であるか(作られた表情でないか)
② きちんと計測されているか

この二点が重要である。これらが満たされていなければ、確かに文化差が生じる。例えば、(Mastumoto博士が)基本感情表情の普遍性を確かめた2004年アテネオリンピック・パラリンピックの柔道競技における研究では、上記の条件を満たすためにメダリストの最終戦(決勝戦と三位決定戦)の勝負がついた瞬間に絞って計測を行った。それ以外の状況では文化差などの要因が入り込む余地があるためである(※)。

 したがって、方法論や条件を無視し、結果だけを見て批判するのは妥当ではない。上記のアテネオリンピック・パラリンピックの研究にも多くの批判があるが、今のところ同一の方法論で結果を比較したものは見当たらない。

※個人的な話をしますと、僕も空手をやっていた経験から、当初Matsumoto博士の論文を読んだ際、本当にそうなのだろうかという疑問がありました。そこで、2016年に空手の世界大会の映像を元に分析を行ったことがあります(そこでは、世界チャンピオンに輝いた日本人選手がいわゆる「ドゥシェンヌ・スマイル」を見せたのは、測定開始からおよそ18分後のことでした)。しかし、その分析に使用したのは表彰式の映像でした。つまり、Mastumoto博士の研究とは異なり、初めから文化差の入り込む余地がある条件で分析し、起こるべくして文化差の存在を見出していたのです。今回お話を伺って腑に落ちました。



Q.日本人の表情について、アメリカ人と比べ特徴的な点はあるか?

 どの国でも共通する点と異なる点があり、それはコンテクストによる。例えば会議の場では確かに日米間に違いが生じるが、その後のレセプションでは同じメンバーで共通の表情が生じたりするのである。脳には表情に関する共通のシステムがあるが、(文化の影響を受け)使い方が異なるだけなのである。何に対して感情的になるかも個人によって異なる。どの国にも「我々はこうである」というステレオタイプがある。例えば日本人は「日本人はアメリカ人に比べゼスチャーが少ない」というステレオタイプを多くの人が持っているが、(Matsumoto博士が)日本人を対象に3分間のプレゼンテーションで計測したところ、何と200回ものゼスチャーを行っていたのである。もちろん、表現が大きい小さいの違いはあるが、「日本人はジェスチャーが少ない」ということではない。リアリティとイデオロギーを混同しないことである。

Q.微表情 (micro expressions)と微細表情(subtle expressions)の違いは?

 微表情は0.5秒以下という速さの違い。一方、微細表情は顔面筋の動き、強度(FACSではAまたはB)、部分的か否かといった違いである。したがって、微細表情は0.5秒から4秒ほどの幅がある(抑制されていない表情である)。かつて、微表情は0.2秒以下と言われていた。しかし、昔のフィルムによる計測では厳密に0.2秒以下であったかというと疑わしい。「抑制された感情の漏出」という微表情の定義から分類するならば、現在では0.5秒以下であると考えられる。

Q.微表情の観察はどんな場面で活かされているか?

 表に出ていない相手の思考や感情をより良く汲み取り、理解するために有効である。その使い方は、場面や役割によって異なる。その適用範囲は広いが、Mastumoto博士の会社Humintellでは、マッチングアプリ、刑事事件弁護士、ポーカーなどの依頼は受けないようにしているという(※)。

※博士もおっしゃっていたことですが、表情分析の世界は足を踏み入れるほど、その奥の深さに圧倒されることになります。表情分析表面的に習得しただけで万能視するのは、あたかもプールで泳げるというだけで、大海原の水平線の向こう側まで泳いでいけると過信するようなものだと思います。

Q.微表情からどのようにウソを推測するのか?

 微表情はあくまで抑制感情の漏出であって、「ウソ」の表出ではない。そういう考え方はむしろしない方が良い。見えたことをどう解釈するかが重要で、しかも本当のことはあくまで本人しか分からないということを心得るべきである。例えば、空港で状況と合致しない「恐怖」の微表情を見せた不審人物がいたとする。彼は単に駐車場に止めた車のランプを消し忘れたかもしれないことが不安だったのかもしれない。恐怖の微表情を見せたからと言って、武器を持っているかもしれないと短絡的に判断すべきではない。

 ただ、人は関心を持ってくれる人に本音を吐露しやすいという性質がある。(前の質問と重なるが)相手を理解し、より良いコミュニケーションのために微表情の観察は有効である。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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マスクの上から表情を読むには

2020年09月24日 | 表情分析


 9月24日、前月に続き空気を読むを科学する研究所主催のMiXトレーニング講座を受講しました。Mixというのは、表情分析の第一人者、D.Matsumoto博士が開発した包括的微表情トレーニングメソッドのことです。



 新型コロナウィルスの流行により、世界中の人たちがマスクを着用することが最早日常になってしまった昨今、「マスクをしているので、話し相手の表情が見えない」という声をよく耳にします。そのような世相を反映してか、今回は「マスクを着用している場合の表情を読む」トレーニングを受けました。

<以下の画像は、空気を読むを科学する研究所の許可を得て掲載しております>



 具体的にマスクの上からどう表情を読むのかといいますと、マスクで覆われていない顔面上部から判断するのです。顔の表情は主に、眉や目の周りの筋肉(顔面上部)の動きと頬から口の周りの筋肉(顔面下部)の動きから読み取ります。しかし、マスクで覆われている場合、顔面下部の動きは基本的に読み取ることができません。

 表情には、7つの基本感情を表す全人類に普遍的な表情があることは、過去に当ブログでもご説明しました。悲しみ、幸福、怒り、軽蔑、嫌悪、恐怖、驚きの7つです。この内マスクがあるために読み取りにくいのは、つくり笑い(いわゆる「目が笑っていない」というやつです)、軽蔑、嫌悪(上唇を上げるパターン)です。この点は個人的にも想像できました。経験上、口元から情報を得ている場合が多かったためです。しかし、それ以外の表情については思いの外、顔面上部の動きからだけでも推測できました。

 一通りの解説を経て、前回同様アプリケーション「Mix」を使ったトレーニングに移ります。通常、0.5秒以下(かつては0.2秒以下)の短い時間で現れる表情を「微表情(Microexpressions)」と言いますが、トレーニングは0.2秒と0.1秒の設定で行いました。やはり、顔全面のトレーニングよりはハードルが上がります。顔面上部からも結構読めるのだということを実感すると同時に、今まで結構顔面下部にお世話になっていた自分に気づきました。



 因みに、7つの基本感情の内、今回は6つを読み取るテストを行い、以下の条件を満たすと「Masked Mix」の認定証が発行されます。この基準は前回も同様です。

Proficient: 0.2秒以下で、正答率80%以上
Expert: 0.1秒以下で正答率90%以上
Master: 0.1秒以下で正答率95%以上

 前回のテストもまだMasterには至っていないので、そちらも含めMaster目指して精進していきたいと思います。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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北緯35度の日帰り旅-金谷食堂(浜金谷)

2020年09月24日 | 食べ歩きデータベース


 休日、それも連休に外出することはまずないのですが、去る9月19日は珍しく日帰りで鎌倉、金谷と、気持ちの良い秋晴れを感じてきました。上の写真は夕方のフェリーから撮った、東京湾の夕日です。



 彼岸の入りでしたが、お昼には海の向こう側の浜金谷で人と会う約束があったため、お寺の開門と同時に鎌倉まで墓参りに行ってきました。



 踵を返して、久里浜へ。家から久里浜まで1時間、意外とあっさり着きます。ここからフェリーに乗って、対岸の浜金谷港へ向かいます。東京湾フェリーに乗るのは、岩本海岸へ空手の合宿に行って以来、実に25年振りです。



 久里浜から金谷までは40分。ただし、フェリーは約1時間に1本しかありません。地方に行くとなぜか手が出てしまうのが、ソフトクリーム。実は久里浜港でも普通のソフトクリームを食べていたのですが、到着すると房州びわで有名な「びわソフト」が。これを見逃すわけにはいきませんでした。



 さて、ランダムに向かったのは、港にある「金谷食堂」。海鮮どんぶりがメインの食堂です。



 お酒に合いそうな、本日の刺身盛り合わせは、鰆、わらさ、鱸。お酒は地元「和蔵酒蔵」さんの、これも地名を冠した「特別純米 竹岡」。力強い旨味の、丁度涼しくなり始めた頃に良い、好みのタイプのお酒でした。しかし、美味しいからとつい夢中になってしまい、今回のメインであったはずの海鮮丼の写真を撮り忘れてしまったことを先にお詫びしておかなければなりません。因みに、海鮮丼にのっていたのは、鰆(さわら)、わらさ(鰤の若魚)、赤鱸(あかすずき)、鶏魚(いさき)でした。ふと思ったのですが、スズキ科の魚が多かった気がします。内房ではポピュラーなのでしょうか?



 漁港で意外と美味しいと思っているのは、タコ。新鮮なタコの唐揚げ(フリット)は、柔らかく旨味があり、これまたお酒によく合います。



 名物の鰺フライは、残念ながら季節が過ぎてしまっていました。そこで今回のフライは、鰺、鱰(しいら。あの変わったおでこをしている魚です)、鰆のミックス。ひょっとすると、鱰を食べるのは初めてかもしれません。



 横浜もそうですが、東京湾で良く獲れる穴子。ショウガの効いた穴子煮は、さらにお酒を進めてくれる一品でした。

金谷食堂



千葉県富津市金谷2152-1



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ものも言いよう-第45回燮(やわらぎ)会

2020年09月23日 | 交渉アナリスト関係


 2020年9月18日、昨年11月以来となる燮会が開催されました。燮会は交渉アナリスト1級会員のための交渉勉強会です。

 久しぶりですが、いつものように理論編と実践編の二部構成。僕が担当させていただいている「交渉理論研究」の今回のテーマは、決定分析の6回目「不確実下の意思決定(ベイズ的意思決定①)」。不確実下の意思決定の規範的モデルである「ベイズの定理」を理解するため、有名な以下の問題を考えていただきました。

1.モンティホール問題
2.三囚人問題

 1990年に大騒動を巻き起こした「モンティホール問題」は、人間が直感的に正しいと考える解答と確率的に正しい解答が異なる例として有名です。実際、最初の内は説明されてもなかなか納得しにくいと思います。つまり、それだけ人は「確率的に思考することが苦手」とも言えます。だからこそ、より良い意思決定のためには、不十分であっても確率的に物事を考えることが必要ではないかというのが今回のテーマです。



 続いて、同じく「確率的に考えることが苦手」の例として、「基準率の無視」と呼ばれる、人が陥りやすい錯誤についてお話ししました。これは、前回お話しした「プロスペクト理論」を唱えたカーネマンとトヴェルスキーが、人間の推論が規範的でないことを説明したものです。これにまさに当てはまるのが、昨今の「希望者全員にPCR検査を受けさせるべきか?」という議論であり、「基準率の無視」という観点からとらえると、どのようなことが言えるのかについてお話ししました。最後に、今年巻き起こった新型コロナウィルスを巡る一連の騒動を題材に、交渉アナリストの皆さんが2級講座で学習している、A.ジャニスの「グループシンク」と呼ばれる集団的バイアスについても考えていただきました。



 第二部は、中止になってしまった4月燮会担当の末永正司さんがスライドする形で登壇されました。恐らく燮会最多登壇の末永さん、毎回様々な角度から理論と実践を結び付ける興味深い問題提起と考察をお話しいただいています。

【参考:過去の末永さんの回】
第8回燮会:分配型交渉における定跡と統合型交渉への移行について-交渉テーブルの向こう側-
第11回燮会:剣豪に学ぶ交渉
第18回燮会:駆け引きと交渉について
第24回燮会:ロールプレイング・ゲームの研究
第33回燮会:交渉における親密度について~物理的距離と心理的距離~
第36回燮会:『交渉テーブルの向こう側』~ 苦悩する購買担当者たち ~
第41回燮会:交渉現場で交渉理論がどう使われているか-実践から交渉理論へ、交渉理論から実践へー

 今回のテーマは、「ものは言いよう」ではなく、「ものも言いよう」。取引先との取引条件を巡る短いケースを元に、人が相手に物事を伝える際、意識的か無意識かを問わず、頭の中でどのようなプロセスを経ているのか?仮説と共にそのプロセスを詳細に分析し、実際の検証と共に「価値を生み出す伝え方」についてお話しいただきました。

 まず、思考プロセスについて、以下のような仮説を立てます。

1.情報の整理(必要な情報、不要な情報を整理する)
2.情報の組み立て(話す順序を整える)
3.言い方の工夫

 次に、それぞれのプロセスについての分析を行います。初めの「情報の整理」ですが、驚いたのは、わずか400字程度の与件の中から、整理すべき情報が11個も導き出されたことです。参加者である我々も与件に目を通して考えてはいたのですが、遠く及びませんでした。言い換えれば、普段いかに曖昧なまま話をしているかを思い知らされました。

 二番目は「情報の組み立て」。整理された同じ情報でも、経緯から先に話すか、結論から話すかによって相手の受け止め方が変わってくるということを実例と共にお話しいただきました。

 三番目は「言い方の工夫」。これは話し手がどのような意図を持っているか、短期的、長期的、一方的、双方向的、分配的、統合的、どのような成果を指向しているかに左右されます。

 以上の思考プロセスは、いわば我々が学ぶ膨大な交渉理論のミニチュア版。しかし、検討すべき必須の要素が含まれており、日常の瞬間的、連続的な意思決定、交渉のプロセスはむしろミニチュア版の方が多く使われるはずです。しかし我々はそのミニチュア版でさえ、どれだけ掘り下げて考えることが日頃できているのでしょうか?末永さんがいつも提起されている「理論と実践のサイクル」、つい回すことを疎かにしていないか、そのために交渉の質を下げていないか、そこから点検してみたいと思います。



 今回は、新たに1級会員になられた皆さんも多数ご参加されました。講師の末永さんにかけてというわけではありませんが、これからも末永くおつきあいをお願い申し上げます。

 最後に、日本交渉協会顧問で、コンフリクトマネジメントの専門家でいらっしゃる鈴木有香先生が新たに翻訳された本が出版されましたのでご紹介します。



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上等な雰囲気とお肉でシブヤキニク-ひらく(渋谷)

2020年09月18日 | 食べ歩きデータベース


 たまたまですが、滅多に訪れることのない渋谷で焼肉が続きました。センター街も少し裏に入った薄暗い路地の雑居ビル3階に、外出自粛の影響も冷めやらぬ6月下旬にオープンした「上等焼肉ひらく」さんです。ひらくは「啓く」ですが、この度お世話になった店長の福嶋啓行さんのお名前からでしょうか?店内はシンプルな白木のテーブルに革張りの長椅子、高級感を醸しつつも敷居を高くし過ぎないモダンな雰囲気は、入店する前の薄暗い雰囲気と相俟って、文字通り喧騒から離れた「隠れ家」的雰囲気を際立たせています。

 会話に忙しく、一部写真を撮り忘れているものがあるかもしれませんが、順にご紹介していきましょう。



 乾杯時のウォーミングアップは、「キムチとナムル」。珍しいミニトマトのナムルはビールのお供にも良いです。



 続いて「ネギに埋もれた牛たたき」と「牛炙りユッケの軍艦と肉寿司」。見た目の楽しさに加え、いきなりガツンと旨味の海に舌を沈め臨戦態勢に入らせてくれます。



 そして、口をニュートラルに戻す「ひらくサラダ」。



 ゴング。ここからお店の名の通り、上等なお肉が続きます。まずは、とてもタンには見えない「極みの厚切りタン」。噛んで生まれる旨味と食べ応えを残しつつ、食べやすい大きさにカットしてあります。



 希少部位を揃えた厳選赤身肉3種は、うわみすじ(ミスジの中のさらに上部のみ)、ざぶとん(あばら骨側の肩ロース)、とうがらし(肩甲骨付近の肉)。



 上等カルビとロース。



 極みいちぼ(臀部の先の希少部位)。



 夏バテで胃腸が弱っていたのか、それとも年なのか、「ネギご飯」と「白湯スープ」には手が付けられませんでした。



 最後はデザート。全体的にサシの多い肉が多かったこともありますが、見た目以上にお腹いっぱいになりました。肉の旨味を堪能できるコースでした。

上等焼肉 ひらく

東京都渋谷区宇田川町33-13 楠原ビル 3F



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気になっていた夜『味覚』三品-味覚②(西新橋)

2020年09月16日 | 食べ歩きデータベース


 かれこれ7年位通っていますが、激辛の「頂点石焼麻婆豆腐」と刀削麺で有名な西新橋「味覚」さん。色々な意味で中国っぽい雰囲気も好きなのですが、以前から気になっていたことがありました。

 それは、お店の壁に貼られた一品料理の写真。いつも美味しそうだなと思っていたのですが、訪れるのが昼ばかりなので、これまで麻婆豆腐を単品で頼むか、刀削麺を食べることしかありませんでした。しかし、この度ようやく夜にお邪魔する機会に恵まれ、ずっと気になっていた三品を頼むことができました。



 一つ目は「秘伝の皮付き柔らか角煮」、色艶からして美味しそうです。お昼に角煮刀削麺を食べた際、その美味しさにびっくり。以来、いつかは単品でと思っていたのです。中華風の角煮は妙に甘かったりすることが多いですが、こちらは甘みが抑えられ、アクセント程度にスパイシーさも感じます。とても柔らかく、ボリュームもあり期待通りの満足な一品でした。



 二つ目は、「名物鉄鍋ゴマ棒餃子」。大ぶりの餃子で餡がぎっしりと詰まっています。餃子用のたれでいただくのですが、何もつけなくても豚肉の旨味で十分いけます。



 三つ目は、好きすぎてつい撮影前に取り分けてしまったのですが、「水煮牛肉」。見た目ほど辛くないのですが、しっかりと花椒が効いた好みの味でした(くしゃみが出ました)。しかも、予想外の量。まさかどんぶりで来るとは…。三品どれもボリュームがあっために、予定していた頂点石焼麻婆豆腐にはたどり着けませんでした。

 麻婆豆腐と刀削麺だけでない、一品料理も美味しい味覚さんでした。

味覚

東京都港区西新橋1-10-8
西新ビル B1F



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2020年8月アクセスランキング

2020年09月04日 | 人気記事ランキング


 日中はまだまだ厳しい残暑が続いていますが、夜風の涼しさに秋の着実な到来を感じます。今年の夏も、ジャケット、ネクタイ着用で通しました。

 さて、2020年8月にアクセスの多かった記事、トップ10です。

 8月は定番の「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」が圏外(12位でした)、その結果、旧定番の3記事が以下の通りとなりました。

2位:「エコノミーとエコロジーの語源」(41ヶ月連続)
5位:「久村俊英さんの超能力を目撃してきました」(4ヶ月連続)
6位:「『上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会』に参加してきました」(5ヶ月連続)

 さらに、今月も「仲本工事さんのお店に行ってきました-仲本家(自由が丘)」が10位、これで3ヶ月連続のランクインです。

 トップページに圧倒的なアクセス数があり、2位の「エコノミーとエコロジーの語源」はその約半分、3位の「音に聞きしZABUTONさんへお邪魔しましたー焼肉(渋谷)」がそのまた約半分という結果でしたが、その3位の記事も例月と比べ多くのアクセスがありました。

 4位「『交渉分析-交渉の科学と技芸』の改訂」も意外と上位に来ました。8位の「MiXトレーニングを体験しました」は、表情分析関係です。実はやはり表情分析関係の「FACSマニュアルについて」が11位に入っており、表所分析関係のアクセスが多かったのも8月の特徴かと思います。

1 トップページ
2 エコノミーとエコロジーの語源
3 音に聞きしZABUTONさんへお邪魔しましたー焼肉(渋谷)
4 『交渉分析-交渉の科学と技芸』の改訂
5 久村俊英さんの超能力を目撃してきました
6 「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました
7 新庁舎で地産地消を伝えるーTSUBAKI食堂(ラクシスフロント2F)
8 MiXトレーニングを体験しました
9 絶品中華目白押し-八寸②(野毛)
10 仲本工事さんのお店に行ってきました-仲本家(自由が丘)

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