本を読めば読むほど、新しい発見がある。今、『治安維持法と共謀罪』(岩波新書)を読んでいるが、戦後の刑事訴訟法に、戦時刑事特別法のエッセンスが紛れ込んでいるという指摘に驚いている。
戦後の民主化の中で策定された刑事訴訟法を、私は民主的な法であると認識していた。しかし、そうでないことが、この本を読んでいて知った。
学生時代、刑事訴訟法の講義を聴いていて、そういった指摘はされなかった。
考えてみれば、戦時体制から日本国憲法体制への変化の中、戦時下の司法界の所業に対する責任追及はなく、検察官も裁判官も、そのまま戦後の司法界で出世していった。戦後つくられた諸法も、そういう者たちが関わって作るのであるから、戦時体制下の刑事手続きなどが入り込むのも当然かと思う。
司法の戦争責任を追及する価値があるという考えを強くしたが、しかし今や裁判所も検察も、戦時下の司法界を席巻した価値観がまん延しているような気がする。遅すぎた。
戦後の民主化の中で策定された刑事訴訟法を、私は民主的な法であると認識していた。しかし、そうでないことが、この本を読んでいて知った。
学生時代、刑事訴訟法の講義を聴いていて、そういった指摘はされなかった。
考えてみれば、戦時体制から日本国憲法体制への変化の中、戦時下の司法界の所業に対する責任追及はなく、検察官も裁判官も、そのまま戦後の司法界で出世していった。戦後つくられた諸法も、そういう者たちが関わって作るのであるから、戦時体制下の刑事手続きなどが入り込むのも当然かと思う。
司法の戦争責任を追及する価値があるという考えを強くしたが、しかし今や裁判所も検察も、戦時下の司法界を席巻した価値観がまん延しているような気がする。遅すぎた。