本と旅とやきもの

内外の近代小説、個人海外旅行、陶磁器の鑑賞について触れていき、ブログ・コミュニティを広げたい。

菅首相

2020-12-26 08:35:24 | Weblog
 菅首相は本当に国政トップの器ですかねぇ。
 文章の棒読みをテレビで拝見するとブザマと思う。さぞ、官邸官僚は文章づくりに大忙しだろう。

 かつて「ボキャ貧」と言った首相もいたが、まだ舵取りの哲学があったように思う。菅さんは官僚主導のアナウンスだけだ。
 国際部隊というテーブルで、文章も耳打ちもなく議論ができるか、政治主導力のない本人も心配ではないかな。

 GOTOと感染拡大に因果関係はない(実は感染症の権威によればあるとのこと)としたが、感染者増加で支持率が下降してあわてて停止になった。支持率だけを気にしてはポピュリズムに陥る。

 そもそも経済対策とコロナ対策を両輪にするのは無理だ。二兎を追えばどちらもポシャる。

 「歴史は繰り返す」という。何を繰り返すかといえば過ちのことだ。だから過ちのないよう「歴史に学べ」と諭す。歴史に学ばないリーダーほど危険なことはない。

著作権を考える8

2020-12-25 09:20:47 | Weblog
 前回ちょっと触れた「著作者人格権」は、繰り返しになるが、一身専属で譲渡も相続もではない権利である。このモラールライトという人格尊重の権利はヨーロッパの考えで、「ベルヌ条約」の条項だ。これに対し、アメリカは前に述べた経済重視のコピーライトである。

 アメリカはベルヌ条約に加盟していなかった。だからアメリカは著作権法でよいとしていた。万国著作権条約には人格権はないのだ。
 ちなみに日本はどちらの条約にも加盟していた。

 さて、人格権は「公表権」、「氏名表示兼」、「同一性保持権」の三つになる。
 人格権は相続もできないから著作者が亡くなっても侵害となるべき行為をしてはならないという条項がある。死者の名誉も保護するということだ。

 プログラム権法を当時の通産省が目論んだのは、ベルヌ条約対応の著作権法の人格権がネックだったからだ。プログラムには改変がつきものだから「同一性保持権」は困るわけだ。この点、アメリカの著作権法には同一性保持権の条項がなかった。
 今の著作権法はプログラムについて「同一性保持権」は適用除外にしている。

 ただ、通産省の懐柔策としてしぶしぶプログラムを適用除外にしたわけではないだろう。もともと建築物と教科書は適用除外としてあったからだ。
 建築物の例では住宅を増改築することがある。オリジナルの権利侵害と建築会社から文句を言われてはかなわんわけだ。
 教科書の例でいえば、教科書に転載される小説の旧字体や差別語を改める必要があるからである。

 こうしていくつか著作権法から拾ってみた。ほかにも「公衆送信権」、「著作隣接権」あるいは「無方式主義」、「保護期間」、「権利侵害の罰則」などがある。
 でも、著作権の話は打ち止めにする。

著作権を考える7

2020-12-24 08:55:56 | Weblog
 著作者と著作権者

 通常は著作者イコール著作権者ですが、著作者から著作権を譲り受けるか相続するかで著作権者は変わる。これはイコールではないことのひとつ。

 当たり前だが、それでも権利の一部に譲渡できないものがある。「著作者人格権」という権利である。これについては次回にでも。

 もうひとつ著作者と著作権者がイコールといえない特殊な関係のものがある。映画である。

 なにしろ、映画製作には製作者、監督、撮影監督、美術監督が関わり、それぞれが著作者である。ただ、それぞれが著作権者であれば、権利行使の利害が複雑化する。複数の権利者の同意を得るようでは映画ビジネスの意思決定はままならなくなる。

 そこで著作権者は「映画製作者」だけとする条項がある。
 蛇足だが、映画の素となる小説やシナリオそれに音楽の著作者は、映画製作者から独立した著作者であり著作権者である。

著作権を考える6

2020-12-23 09:06:22 | Weblog
法人著作の権利
 ある上場会社のシステム部門にいた人たちがスピンアウトしてソフトウェア会社を立ち上げ、会社時代に作ったアプリケーションソフトを再び製作した。これを商売にしたところ元の会社から販売差し止め請求の訴訟を起こされた。

 会社の言い分は、このソフトは法人著作の権利だから無断製作、無断利用は侵害であると主張した。

 これに対し訴えられた側は、そもそもそのソフトは自分たちの知恵と労力で作ったものだし、コピーしたのではなく新たに作ったものだが法人著作ではないと反論した。

 結果は会社側に軍配が上がった。
 細かいことは省略しますが、書き添えたいことが1つある。訴訟当時の著作権法には、法人著作は「公表されたの」という条件があった。プログラム(ソフト)に関する規定がなかったのだ。これも論争のタネになった。

 言うまでもないが、社内用のソフトは経済的価値があっても、公表するつもりはないものだ。
 それで、現行法では公表について「プログラムの著作物を除く」となっている。別段、公表しなしても法的権利はあるわけ。

著作権を考える5

2020-12-22 09:00:53 | Weblog
  先に編集著作物に触れた。これは「収録や配列に創作性が認められもの」が著作物になるということ。その例に時刻表や電話帳を挙げたが、身近にあるものでは新聞や雑誌がそうだ。

 ただし、編集著作物はある程度のまとまりを複製しない限り、その創作性に抵触しない。とはいえ新聞・雑誌に掲載されている個々の記事や写真それ自体は個人または法人の著作物だから私的利用を除いて無断の複製は権利の侵害になる。

 前述で述べたように法人にも著作権がある。通常は自然人たる個人が著作者ですが、職務上作成する著作物の場合は条件付きで法人が著作者になる。
 条件のひとつに、その法人の就業規則に著者当人を「著作者とする」という定めがないことだが、そんな就業規則があるだろうか。

 法人といえば法人格があるかどうか気になるかもしれないが、任意団体である自治会やPTAも著作者になりえます。この法人著作の訴訟の例を次回に。